夏祭り、恋花火
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#445 [七瀬]
「どぉしたのぉ?
そんなところに、いないでこっちおいでよっ!」
麻友ちゃんのやけに高い声が耳をキンキンさせる。
「ちょっと、麻友。」
「なにー?遊希。」
「ちょっと、こっち来い。」
「えー?どしたんよ。
そんな怖ーい顔して。」
:09/04/02 23:42 :N703iD :opfWhb72
#446 [七瀬]
「ええから。」
「もぉー、
わかったわかった。」
うんざりしたように
麻友ちゃんはこっちへ来た。
「じゃあ、頑張れよ。」
遊希は小さくそう言って、私を睨む麻友ちゃんを連れて消えていった。
:09/04/02 23:45 :N703iD :opfWhb72
#447 [七瀬]
「まつり、久ぶりやな。」
しばらくして、奏が重たい口取りで言った。
「こっち来て。」
ちょこんと、奏の隣に座った。
その距離は
近すぎず、遠すぎず…
あまりにも、微妙な距離で気まずさは増すばかり。
:09/04/02 23:58 :N703iD :opfWhb72
#448 [七瀬]
「あのな…」
長い長い沈黙の末、
奏は口を開く。
「昼間のことやねんけど…」
ドクン
心臓が飛び跳ねる。
「まつり、目合ったよな。
その…麻友と…」
:09/04/03 00:03 :N703iD :aggujxUQ
#449 [七瀬]
言葉を濁らす奏。
『…合ったよ。
奏と麻友ちゃんがキスしてるとき。』
奏が一番言いたいことを、先に言ってやった。
また黙る奏に少し苛立つ。
「…ごめん!!」
:09/04/03 00:06 :N703iD :aggujxUQ
#450 [七瀬]
必死に頭を下げる奏。
『知ってたよ、私。
キスしてるとこ
見る前から…』
それに反応して、
顔を上げる奏。
「ほんま…ごめんな。
ってゆうても許してもらえるなんて思ってない。」
震える声。
:09/04/03 00:11 :N703iD :aggujxUQ
#451 [七瀬]
声
香水の匂い
サラサラとした髪…
奏のすべてが懐かしい。
だけど前みたいに
“愛しい”と思えない。
『…許す。』
:09/04/03 00:24 :N703iD :aggujxUQ
#452 [七瀬]
バッと顔を上げて、
私を見る奏の目は、大きく見開いている。
『許すけど
……忘れない。』
その目を強く見返す。
「それは…ヨリ戻してくれるってこと?」
:09/04/03 00:27 :N703iD :aggujxUQ
#453 [七瀬]
コクリと頷く。
「まつり、ありがとぉ。」
泣きそうな奏。
『私も悪いし…
お互い様や!!』
久々に見る奏の笑い顔は、思ったより心地よかった。
こうして、奏との再スタートが始まった。
:09/04/03 00:32 :N703iD :aggujxUQ
#454 [七瀬]
「あーあ…
良かったの?遊希。」
「まつりが幸せなら、
それでええ。」
「私は納得出来ないけど…」
「もう、なんもすんなよ、麻友。
これでええんや…」
:09/04/03 00:35 :N703iD :aggujxUQ
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