夏祭り、恋花火
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#462 [七瀬]
 
こんなことに、慣れたいわけじゃない。


前みたいに、笑顔の二人はもうここにはいない。


疲れた…

最近は、一緒におるだけでその空気に参ってしまう。

まさに最低最悪。



『…なあ、奏。』
 

⏰:09/04/03 03:25 📱:N703iD 🆔:aggujxUQ


#463 [七瀬]
 
「ん?」


『…私、ほんま原田さんとは、なんもないよ。

確かに私の初恋の人やし、あの時、奏を放って原田さんのとこ行ったのも事実やけど、今は…』


「分かってる。」


『じゃあ、

…もうあんなこと、ゆわんといて。』

⏰:09/04/03 14:54 📱:N703iD 🆔:aggujxUQ


#464 [七瀬]
 
「…ん。
じゃあ、まつりも言わんといて、
“別れる”なんて。」

『言わへんよ。』


「俺から離れんとって。」

『…離れへんよ。』


大丈夫。
大丈夫大丈夫…

私は奏と上手くやっていける。

⏰:09/04/03 14:57 📱:N703iD 🆔:aggujxUQ


#465 [七瀬]
 
そう自分に言い聞かせる。



「約束。」

そう言って、小指を絡める。

少し心が軽くなった。


『指きりげんまん。
嘘ついたら、針千本飲ーますっ!!』
 

久しぶりに笑った。

⏰:09/04/03 15:05 📱:N703iD 🆔:aggujxUQ


#466 [七瀬]
 
『ゆーび、切った!!』

二人の声が重なって、
唇も重なる。





でも、
この“約束”は、すぐに壊れてしまうことになる。


それも私のせいで。


奏、ほんまごめん。
 

⏰:09/04/05 00:27 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#467 [七瀬]
 
 
 
あれから、順調に交際は続いた。


『今から行っていいー?』

「ええよ。
おいで、まつり。」

電話越しに聞こえる、
奏の声に安心する。


『うん。
今から駅向かうわ。
コンビニ寄るけど、なんかいるー?』

⏰:09/04/05 00:33 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#468 [七瀬]
 
「うーん、そぉやなあ。」

少し間が開いて、
また奏の声が聞こえる。


「ビールと、

そやな…なんかエクレアとかシュークリームとか、
甘いやつ、お願い!!」


『え?
奏…甘いのん、食べへんやん。』


奏は、甘いもんが苦手。

⏰:09/04/05 00:37 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#469 [七瀬]
 
特に、生クリームが
ダメらしい。


「うん、俺が食べるんじゃなくって遊希が…
ほらアイツ、めっちゃ甘党やん?
それに酒飲まれへんし。」

『え、遊希おんの?』

「うん。今、俺の隣に。」


『ふーん、わかった。
とりあえず買って行くわ。』

⏰:09/04/05 00:41 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#470 [七瀬]
 
遊希に会うのは久しぶり。


大学の夏休みが終わる、
3日前の祭で会った以来。

ってゆうか、
遊希とは祭以外では会うことはない。

退院した後に遊希が急に私の家に来た、
あの日以外には会ったことない。


長いこと、遊希とおるけどプライベートなことは
あまりわからない。

⏰:09/04/05 00:47 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#471 [七瀬]
 
でも、仕方ない。


前にもゆうたけど、
“神野商会”とはそうゆうとこ。

ただの仕事仲間でしかない。
相手のことに、一々干渉しない。

お互いなにも知らんでいい。


“祭”とは、そうゆうとこ。

⏰:09/04/05 00:51 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


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