夏祭り、恋花火
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#512 [七瀬]
ニコニコ笑う麻友ちゃん。
「今日はまつりの好きなハンバーグやで。」
その笑顔に食欲を一気になくす。
「麻友は、ほんますごいなあ。
料理出来て、
気もよく利くし…
ええ嫁さんになるわ。」
お母さんは口をモグモグと動かしながら絶賛している。
:09/04/11 13:37 :N703iD :EJWDtS.g
#513 [七瀬]
その、“ええ嫁さん”は
従姉妹の彼氏と浮気してたんです。
そうキッチンに立っている“ええ嫁さん”を見た。
「ほーんま誰かさんとは
大違いや。」
そうやって、お母さんが私を横目で見たのは言うまでもない。
食欲はすっかり無くなったはずなのに、肉の良い匂いが鼻を刺激して、またお腹がグーグー鳴りだした。
:09/04/11 13:43 :N703iD :EJWDtS.g
#514 [七瀬]
「はよ食べぇや。」
変なプライドが邪魔してたけど、食欲には適わず…
お母さんにも促され、イスに座った。
見た目は完璧なハンバーグを口に含んだ。
まっ…負けた。
悔しいけど……美味しい。
味も完璧だった。
:09/04/11 13:47 :N703iD :EJWDtS.g
#515 [七瀬]
「どう?味の方は…」
『完璧です。』
「フフ、ありがとぉ。」
ええ嫁なりますなぁ、
こりゃ。
うん、なるわ。
やっぱり
麻友ちゃんは完璧な女子大生だった。
:09/04/11 13:51 :N703iD :EJWDtS.g
#516 [七瀬]
『ごちそうさま。
おいしかったあ〜!!』
私のお腹は満たされた。
「じゃあ、私もうそろそろ帰ります。」
洗い物を済ませた麻友ちゃんはタオルで手を拭きながら言った。
「あら?もう帰るの?」
少し残念そうなお母さん。
:09/04/11 13:54 :N703iD :EJWDtS.g
#517 [七瀬]
「はい。
明日も早いんで…」
「そう…
なんか色々ありがとねぇ。あ、そうだ!
まつり、駅まで送ってあげなさい。」
『ええーっ!?』
やだやだ!
いくら麻友ちゃんが
美味しいハンバーグを作ってくれても…
本性は……
:09/04/11 13:59 :N703iD :EJWDtS.g
#518 [七瀬]
『いやっ、その…
食べたばっかやし…』
「なにゆうてんのよ。
いっつも夕飯食べた後は
“太る太る!”
って騒いでるやんか。」
確かに…そぉやけど……
「運動がてら、歩いて麻友を駅まで送ってあげたらえーやん。」
同意を求めるように
麻友ちゃんを見るお母さん。
:09/04/11 14:04 :N703iD :EJWDtS.g
#519 [七瀬]
「そうやなあ。
じゃっお願いしよっかな」
ニコッと笑う麻友ちゃん。
やはり麻友ちゃんは
一枚上手だ。
こうして麻友ちゃんを
送るハメになってしまった。
:09/04/11 14:31 :N703iD :EJWDtS.g
#520 [七瀬]
『…なあ。』
家を出てから、
驚くほどなにも話さない
麻友ちゃん。
ほんっと分からへん!
なに考えてんのやら…
「なに。」
たった一言。
…なんか怒ってはります?
:09/04/11 14:35 :N703iD :EJWDtS.g
#521 [七瀬]
う〜ん、
やっぱり奏のことか…
『…あの〜、え〜っとぉ…なんかごめん…』
「なにが?」
『……奏のこと。』
「別に。」
:09/04/11 14:38 :N703iD :EJWDtS.g
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