夏祭り、恋花火
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#532 [七瀬]
『え…っ?』
赤くなった目を向けた。
「俺、気付いててん。
もうまつりの気持ちが俺にないこと。
分かってて知らんふりしてた…ズルいよな。」
そう笑った。
それはお互い様や。
だって私も、そんな自分に薄々気付いてながらも
奏にしがみ付いてたんやから。
:09/04/11 15:28 :N703iD :EJWDtS.g
#533 [七瀬]
首を振った。
『ほんまにありがとう…』
そうゆって立ち上がった。
『バイバイ。』
:09/04/11 15:30 :N703iD :EJWDtS.g
#534 [七瀬]
そうやって、
店を出ようとした…その時
「まつり!」
奏がこっちを見ている。
「遊希はまつりのこと
好きやで!!
やから大丈夫や!」
『なっ…』
なんで知ってんの!?
口をパクパクさせた。
:09/04/11 15:34 :N703iD :EJWDtS.g
#535 [七瀬]
すると
「だからゆったやん!
“気付いてた”って!!」
そうやって意地悪く笑う奏に、違う意味で惚れ直した。
『ほんまズルいわ!』
そう笑い返してファミレスを後にした。
:09/04/11 15:37 :N703iD :EJWDtS.g
#536 [七瀬]
たった今、
奏に別れを告げたこのファミレスは
麻友ちゃんとの初修羅場を体験したあのファミレス。
だけど、
あの時とは違ってすっきりしていた。
ここで再び飲んだ
アイスミルクティーは甘いような苦いような…
複雑な味だった。
一生忘れない味。
:09/04/11 15:41 :N703iD :EJWDtS.g
#537 [七瀬]
もう二度と飲みたくはないけど、ね?
プルルルルル…
『あ、もしもし遊希?』
高鳴る心臓。
『今から会えるかな?』
:09/04/11 15:43 :N703iD :EJWDtS.g
#538 [七瀬]
「まつり…遅いな。」
約束した2時は
もうとっくに過ぎている。
『ごめんごめん!遊希…』
:09/04/11 15:46 :N703iD :EJWDtS.g
#539 [七瀬]
そこには愛しい人の姿。
『化粧、濃くは出けへんかったけど…』
そうやってニカッと笑いかける彼女を俺は抱き締めていた。
髪を巻いた、彼女を。
『さすがに、もう11月やしあのワンピースは着られへんかったわ。』
:09/04/11 15:50 :N703iD :EJWDtS.g
#540 [七瀬]
そうやって俺の肩に顔を埋めてゆう彼女。
「90点…」
『えぇーっ、
頑張ったのにぃ…』
「…………ら。」
その瞬間、
彼女の小さな嗚咽が聞こえた。
:09/04/11 15:53 :N703iD :EJWDtS.g
#541 [七瀬]
震える小さな体をもう一度強く抱き締めてゆう。
「俺の彼女になってくれたら100点満点。」
:09/04/11 15:55 :N703iD :EJWDtS.g
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