夏祭り、恋花火
最新 最初 全
#535 [七瀬]
すると
「だからゆったやん!
“気付いてた”って!!」
そうやって意地悪く笑う奏に、違う意味で惚れ直した。
『ほんまズルいわ!』
そう笑い返してファミレスを後にした。
:09/04/11 15:37 :N703iD :EJWDtS.g
#536 [七瀬]
たった今、
奏に別れを告げたこのファミレスは
麻友ちゃんとの初修羅場を体験したあのファミレス。
だけど、
あの時とは違ってすっきりしていた。
ここで再び飲んだ
アイスミルクティーは甘いような苦いような…
複雑な味だった。
一生忘れない味。
:09/04/11 15:41 :N703iD :EJWDtS.g
#537 [七瀬]
もう二度と飲みたくはないけど、ね?
プルルルルル…
『あ、もしもし遊希?』
高鳴る心臓。
『今から会えるかな?』
:09/04/11 15:43 :N703iD :EJWDtS.g
#538 [七瀬]
「まつり…遅いな。」
約束した2時は
もうとっくに過ぎている。
『ごめんごめん!遊希…』
:09/04/11 15:46 :N703iD :EJWDtS.g
#539 [七瀬]
そこには愛しい人の姿。
『化粧、濃くは出けへんかったけど…』
そうやってニカッと笑いかける彼女を俺は抱き締めていた。
髪を巻いた、彼女を。
『さすがに、もう11月やしあのワンピースは着られへんかったわ。』
:09/04/11 15:50 :N703iD :EJWDtS.g
#540 [七瀬]
そうやって俺の肩に顔を埋めてゆう彼女。
「90点…」
『えぇーっ、
頑張ったのにぃ…』
「…………ら。」
その瞬間、
彼女の小さな嗚咽が聞こえた。
:09/04/11 15:53 :N703iD :EJWDtS.g
#541 [七瀬]
震える小さな体をもう一度強く抱き締めてゆう。
「俺の彼女になってくれたら100点満点。」
:09/04/11 15:55 :N703iD :EJWDtS.g
#542 [七瀬]
私の恋花火は
激しく上がって
きれいに夜空に咲いた。
この花火を消せるのは
遊希だけ。
二度と消えない私の花火。
:09/04/11 15:58 :N703iD :EJWDtS.g
#543 [七瀬]
「いらっしゃい!!」
「1000円の一つ。」
『おおきに。』
たくさんある中で
一つのカステラ屋が列を作っていた。
:09/04/11 16:01 :N703iD :EJWDtS.g
#544 [七瀬]
“佐藤商店”
カステラの袋には、そう書かれていた。
『なあ、遊希?』
「なんや?」
『遊希のカステラって
ほんま最高!』
:09/04/11 16:04 :N703iD :EJWDtS.g
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194