夏祭り、恋花火
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#540 [七瀬]
そうやって俺の肩に顔を埋めてゆう彼女。
「90点…」
『えぇーっ、
頑張ったのにぃ…』
「…………ら。」
その瞬間、
彼女の小さな嗚咽が聞こえた。
:09/04/11 15:53 :N703iD :EJWDtS.g
#541 [七瀬]
震える小さな体をもう一度強く抱き締めてゆう。
「俺の彼女になってくれたら100点満点。」
:09/04/11 15:55 :N703iD :EJWDtS.g
#542 [七瀬]
私の恋花火は
激しく上がって
きれいに夜空に咲いた。
この花火を消せるのは
遊希だけ。
二度と消えない私の花火。
:09/04/11 15:58 :N703iD :EJWDtS.g
#543 [七瀬]
「いらっしゃい!!」
「1000円の一つ。」
『おおきに。』
たくさんある中で
一つのカステラ屋が列を作っていた。
:09/04/11 16:01 :N703iD :EJWDtS.g
#544 [七瀬]
“佐藤商店”
カステラの袋には、そう書かれていた。
『なあ、遊希?』
「なんや?」
『遊希のカステラって
ほんま最高!』
:09/04/11 16:04 :N703iD :EJWDtS.g
#545 [七瀬]
「当たり前やろっ!」
そう笑う遊希を見て、
幸せを感じる。
おばあちゃんみたいな
神野商会みたいな
大きな“商会”には
適わない
小さな小さな“商店”。
だけど
私は誇りに思う。
:09/04/11 16:07 :N703iD :EJWDtS.g
#546 [七瀬]
だって
私と遊希の愛の証だから。
そして証はもう一つ。
「ママー、パパー!!」
:09/04/11 16:09 :N703iD :EJWDtS.g
#547 [七瀬]
遊希はゆう。
「あの時、
“奏とやり直し”ってゆうたのは、高校中退の俺なんかとおるよりも
ちゃんと大学行ってる奏の方がまつりの為やと思ったから。」
どうやら遊希には学歴コンプレックスがあったみたい。
:09/04/11 16:13 :N703iD :EJWDtS.g
#548 [七瀬]
『でも、
私は遊希の奥さんになれて幸せやでっ!』
そういって
甘えてくる小さな証を抱っこした。
花火は今も上がったまま…
:09/04/11 16:17 :N703iD :EJWDtS.g
#549 [七瀬]
おしまい
:09/04/11 16:18 :N703iD :EJWDtS.g
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