黒猫の棲むところ
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#200 [イリア]
狐「駄目だね、落ちたね
いやさ、ネコくんいいよー
今の台詞じゃないもんね?
素のネコくんだもんね?
うんうん、かっこいい!
やっぱアレだ。
次の舞台主役も
君にしてもらおっと♪
狼くんには悪いけど」
:09/03/24 02:01 :W61P :☆☆☆
#201 [イリア]
七「ロウくん?」
狐「あーごめんごめん!
狼くんはね、ネコくんと並んで
アスタリスク劇団の二大トップスター!
それからさっき言ってた
嗅覚のいい麗ちゃんは
アスタリスク劇団きっての演技派女優。
まぁ口は悪いけど根はいい子だし
すぐに仲良くなれるよ」
:09/03/24 02:02 :W61P :☆☆☆
#202 [イリア]
猫「どうでもいいけど、
俺とあいつ(狼)を
ひとまとめにするの
辞めてくれる?」
七「あ、あ、あ、あの!」
猫「何?まだ何かあんの?」
:09/03/24 02:03 :W61P :☆☆☆
#203 [イリア]
七「さっき!
スカウトって言ったけど……
私、演技とか…出来ないと思う…」
:09/03/24 02:04 :W61P :☆☆☆
#204 [イリア]
ポカーン
前を見ると、
二人が私の方を見て
呆然としているのが見えた。
:09/03/24 02:04 :W61P :☆☆☆
#205 [イリア]
七「…え…?な、何ですか…?」
黒猫さんが私の何を見込んで
スカウトしてくれたかは
知らないけど、
私は演技なんか出来ないぞ…///
:09/03/24 02:05 :W61P :☆☆☆
#206 [イリア]
七「な、何なんですか!
言いたいことがあるなら
スパッと―…」
私がそこまで言った、その瞬間
:09/03/24 02:05 :W61P :☆☆☆
#207 [イリア]
プッ…アハハハハ
黒猫さんと狐さんが
二人同時に笑い出す。
:09/03/24 02:06 :W61P :☆☆☆
#208 [イリア]
七「……え、え、え?」
猫「あんた、女優として
スカウトされたと思ったの?
あははは…何でそうなるかな」
狐「こらこら、
そんなに笑っちゃ
失礼だよ、ネコくん…
ぷあははは!!あ、失礼。」
:09/03/24 02:07 :W61P :☆☆☆
#209 [イリア]
七「じゃっ…じゃあ!
どんなことで私は
スカウトされたんですかね??!!///」
恥ずかしさのあまり
語尾を強めにし、私が問う。
:09/03/24 02:07 :W61P :☆☆☆
#210 [イリア]
猫「…ププ…うん、そうだな。
大道具、もしくはお茶くみ」
狐「僕のアシスタントってのも
アリだね♪」
七「お、大道具のスカウト…
流石大きな劇団は違いますね!!///」
:09/03/24 02:08 :W61P :☆☆☆
#211 [イリア]
猫「そんなに大きな
劇団でもないけど。
まぁ怒るなよ」
狐「あー可笑しかった!
ごめんね七衣ちゃん、
僕らの説明不足だ、ははは!
まぁ演技がやりたいようなら、
僕が手取り足取り
教えてあげるけど?」
:09/03/24 02:08 :W61P :☆☆☆
#212 [イリア]
七「したくありませんから!!//」
狐「はは…まぁ気が変わったら
いつでも言ってね♪
さて、そろそろ限界だ。
ネコくん体調大丈夫?
これ以上雨がひどくなる前に
テントに戻ろう」
:09/03/24 02:09 :W61P :☆☆☆
#213 [イリア]
そう言うと狐さんは
私たちに背を向けて歩きだした。
猫「んじゃ、俺たちも行くか」
黒猫さんは、
私に手を差し出す。
:09/03/24 02:11 :W61P :☆☆☆
#214 [イリア]
:09/03/24 02:11 :W61P :☆☆☆
#215 [イリア]
グイッ
七「キャッ!」
手を引っ張られ、
前に倒れそうになる。
:09/03/24 02:12 :W61P :☆☆☆
#216 [イリア]
:09/03/24 02:12 :W61P :☆☆☆
#217 [イリア]
猫「――…あんたはもしかしたら
俺たちが求め続けた
【雨原】なのかもしれない」
:09/03/24 02:13 :W61P :☆☆☆
#218 [イリア]
聞き取れるか、
聞き取れないかというほどの
小さく、細く、甘く…
少しだけ、泣きそうな声。
:09/03/24 02:14 :W61P :☆☆☆
#219 [イリア]
:09/03/24 02:14 :W61P :☆☆☆
#220 [イリア]
黒猫さん、
いまなんて言ったんだろう。
雨音がうるさくて
あまり聞き取れなかった。
あ、そういえば
初めて名前を呼んでくれたな。
:09/03/24 02:14 :W61P :☆☆☆
#221 [イリア]
私は黒猫さんに手をひかれ
小雨の中を歩く。
――……遠くで狐さんの
早くー、という声が聞こえた。
:09/03/24 02:15 :W61P :☆☆☆
#222 [イリア]
:09/03/24 02:16 :W61P :☆☆☆
#223 [イリア]
長かった…
っていう訳で←
第一話:opening が
完結しました。
読み返すと誤字脱字
ってかまず日本語自体
おかしいようなものも
結構混ざっていますが←
読んで下さった方、
有難うございます(´;ω;`)
:09/03/24 02:24 :W61P :☆☆☆
#224 [イリア]
第一話は題名の通り
openingしか書けませんでしたが、
第二話以降
アスタリスク劇団や雨原一族など
なんかよく分かんないものを←
細かく書いていけたらな、と
思っています(^ω^)★
途中コメントを下さった
ちー様、e様
本当に有難うございました(;_;)
言葉にできないくらい
嬉しかったです!!
:09/03/24 02:25 :W61P :☆☆☆
#225 [イリア]
第二話以降も頑張りますので
読んで下さってる方
いらっしゃいましたら、
感想・アドバイスなど
書いて頂けると
励みになります(;_;)☆
何度もしつこいですが、
読んで頂き
有難うございました!!
それでは(゚レ゚)★
:09/03/24 02:25 :W61P :☆☆☆
#226 [我輩は匿名である]
おもしろいよ(・ω・)
できれば登場人物の絵とか見てみたい(´艸`)
無理にとは言わんけど主さん絵うまそう
:09/03/24 02:47 :W61CA :☆☆☆
#227 [あかり]
私もこういうファンタジー好きです(*´艸`)
主さん、更新頑張ってくださいp(*^-^*)q
:09/03/24 03:04 :SH904i :☆☆☆
#228 [あーちゃん]
ぶちはまった\(^o^)/
こおゆうファンタジー
だいすきっイあたしも
絵とか見てみたいな☆
主さん文才ありすぎ☆
続き楽しみにしてます
ねえxPq`*)
:09/03/24 10:09 :W61SA :☆☆☆
#229 [翼]
めっちゃおもろいです
早く続きが見たい
更新大変かもしれんけど
頑張ってな
:09/03/24 14:48 :F905i :☆☆☆
#230 [いちご]
うわー(゚∀゚)ー
続き見たい
続き見たい
:09/03/24 22:03 :SO906i :☆☆☆
#231 [める◆z..07vKEZg]
人生でこんなに、
おもしろい小説を
読んだのは初めて//
もう、大好き^p^←
がんばってください☆
*
:09/03/24 23:29 :N906imyu :☆☆☆
#232 [イリア]
>>226匿名様
おもしろいなんて(゚д゚)
本当有り難いお言葉です(;_;)
絵ですか…
私の中では登場人物全てのイメージが
出来上がってるんですが、
私 絵が本気で下手くそなので
書くことができません←
すいません…(´;ω;`)
代わりに登場人物の
外見なんかも書いたプロフィールを
のせたいな…と思ってるので
良かったら見てやって下さい★
コメント有難うございました(;_;)
:09/03/25 03:14 :W61P :☆☆☆
#233 [イリア]
>>227あかり様
私もファンタジー
大好きです\(^O^)/←
応援有難うございます(;_;)
みなさんのコメ見てると
本気でニヤけてきて
しまいます(´`)←←←
コメント有難うございました☆!
:09/03/25 03:16 :W61P :☆☆☆
#234 [イリア]
>>228あーちゃん様
はまったなんて…(゚д゚)
文才なんて…(゚д゚)←
もう今嬉しすぎて
泣きそうです(´;ω;`)
まだまだまだな主ですが
少しでも分かりやすく書くため
頑張りますので
これからも
宜しくお願いします(;_;)
絵については>>226という感じで
考えています!
貴重なご意見
有難うございました★
:09/03/25 03:20 :W61P :☆☆☆
#235 [イリア]
:09/03/25 03:22 :W61P :☆☆☆
#236 [イリア]
>>229翼様
応援有難うございます★
こんなにコメント貰えるなんて
思ってなかったので
嬉しくてびっくりしてます(;_;)←
また時間があるときでも
覗いて下されば
嬉しいです(^ω^)☆
:09/03/25 03:24 :W61P :☆☆☆
#237 [イリア]
>>230いちご様
読みたいって言って頂けるのが
本当に嬉しいです(´;ω;`)
これから春休みなので
できる限り更新しますね!
コメント有難うございました★
:09/03/25 03:25 :W61P :☆☆☆
#238 [イリア]
>>231メル様
(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)
もう本当に
泣いていいですか(´;ω;`)←
嬉しすぎです!
もったいないお言葉です!!
本当にやる気になります(;_;)
嬉しい感想
本当に有難うございます★!!
:09/03/25 03:27 :W61P :☆☆☆
#239 [イリア]
:09/03/25 04:54 :W61P :☆☆☆
#240 [イリア]
:09/03/25 04:58 :W61P :☆☆☆
#241 [イリア]
:09/03/25 04:58 :W61P :☆☆☆
#242 [イリア]
ザ―――………
つい先程まで小雨だった雨は
私たち3人が
テントに向かう途中で
本格的な雨となり、降り出した。
:09/03/25 04:59 :W61P :☆☆☆
#243 [イリア]
狐「あーあーあー!!
だから僕は言ったんだよ、
場所を変えようって。」
猫「今更言うなよ、
お前の本気モードが
いつまで続くか不安だったんだ。
俺が説明するのは
かったるいからな。
あの場所でさっさと、
お前に説明して欲しかった。」
:09/03/25 04:59 :W61P :☆☆☆
#244 [イリア]
狐「よく言うよ、本当。
大体、僕はいつでも本気モード!
いい加減なことは
するな、言うな、見せるな……
……母上様の、遺言さ♪」
猫「立派な母親だ。
まぁそんな遺言も虚(ムナ)しく、
息子はこんな奴に
育っちまった訳だけど。」
:09/03/25 05:00 :W61P :☆☆☆
#245 [イリア]
狐「ねぇ、最近冷たくない?
ネコくん僕に対して冷たくない?
――…時に七衣ちゃん、
さっきから一言も
喋らないけど、大丈夫?」
七「―…ハァッハァッ…ハァッ…
―――ッッ!!大丈夫な訳…ッッ!!」
ないでしょ――――ッッ!!!!!
:09/03/25 05:01 :W61P :☆☆☆
#246 [イリア]
雨が降り出すのに比例して
黒猫さんと狐さん、
二人の歩くスピードは速くなり
いつしか(私にとっての)
全力疾走にまで
走るスピードは上がっていた。
:09/03/25 05:02 :W61P :☆☆☆
#247 [イリア]
狐「あれ?
どうしたのそんなに息切れして?」
雨にできるだけ当たらないよう
木の葉っぱの下に入り、
私たちは一旦走るのを止めた。
:09/03/25 05:04 :W61P :☆☆☆
#248 [イリア]
七「――…ハァッ…ハァッ…
…走るの…速い、です……」
猫「フフン、これだから人間は。」
七「わ、悪かったですね!
人間で!//」
:09/03/25 05:04 :W61P :☆☆☆
#249 [イリア]
狐「まぁまぁお二人とも。
ごめんね七衣ちゃん、僕ら
雨が降ると周りが
少し見えなくて…」
七「ハァッ…ハァッ…はぁ…。」
:09/03/25 05:05 :W61P :☆☆☆
#250 [イリア]
狐「基本的に
妖はみんなそうだから気をつけて。
普段は優しくても、
雨に触れると
性格が変わる妖もいるから。」
狐さんが言った、
そんなに雨が苦手なんだ。
人間の私には、
まだまだ理解しにくいことだけど…
:09/03/25 05:05 :W61P :☆☆☆
#251 [イリア]
狐「まぁ何かあっても
七衣ちゃんは僕が守るから
ノープログレムだけどねっ★」
七「……はぁ」
:09/03/25 05:06 :W61P :☆☆☆
#252 [イリア]
猫「狐、こいつは、俺が拾った。
必要以上に近づくな。」
七「私、拾われたんですか。」
猫「失礼、スカウトした。大道具に。
――……着いた、あそこだ。」
:09/03/25 05:06 :W61P :☆☆☆
#253 [イリア]
:09/03/25 05:07 :W61P :☆☆☆
#254 [イリア]
そこは森を少し
抜けたところにある荒地。
綺麗な布で大きなテントが
張られている。
すぐそばには
物を運ぶ用だろうか、
馬が数匹繋がれていた。
:09/03/25 05:09 :W61P :☆☆☆
#255 [イリア]
七「―…十分、大きいですよ」
猫「そう?普通だと思うけど。
それより一つ、
あんたに言っておきたいことが―…」
:09/03/25 05:09 :W61P :☆☆☆
#256 [イリア]
:09/03/25 05:10 :W61P :☆☆☆
#257 [イリア]
気づくと誰もいなかったはずの
テントの前に、
少女が1人立っている。
:09/03/25 05:10 :W61P :☆☆☆
#258 [イリア]
狐「…あらぁ、
麗(レイ)ちゃんただいま★
お迎えなんて、珍しいねー♪
だから今日は雨なのかな?
なんちゃってー」
麗「――…さっきから
ずっと、思ってた」
:09/03/25 05:11 :W61P :☆☆☆
#259 [イリア]
麗、と呼ばれた人が声を出す。
黒猫さんほどではなくても
よく響く、透き通った声だった。
:09/03/25 05:11 :W61P :☆☆☆
#260 [イリア]
七「……?」
麗「何か…雨の匂いに混じって、
…嫌な感じがすると…」
七「…あの…どういう…?」
麗「ッッ!!!!黙れ!!!雨原!!!」
:09/03/25 05:12 :W61P :☆☆☆
#261 [イリア]
ザッ!!
土を蹴る音。
さっきより、ずっと速く。
刃の先を向けられる。
って、はッ――……ッッ??!!
:09/03/25 05:13 :W61P :☆☆☆
#262 [イリア]
キ―――ン
刃と刃がぶつかった。
私の目の前にいる人はもちろん…
:09/03/25 05:13 :W61P :☆☆☆
#263 [イリア]
猫「―――……いきなり
切りかかってくるとは、予想外。
そんなに熱くなるなよ
たかが、雨原だろ?
今の俺たちにとっちゃ、
大した敵でもない」
麗「黙れ!地に墜ちたか、猫!
今でこそ憎む理由はなくとも
過去の傷…
…そう簡単には、消えない!
そこをどけ!!」
:09/03/25 05:15 :W61P :☆☆☆
#264 [イリア]
猫「…女を相手にするのは、
嫌いなんだ、悪いけど。
特に、明日の舞台で
姫君を演じてなさる
その美麗なお顔に、
傷などつけれますまい」
:09/03/25 05:15 :W61P :☆☆☆
#265 [イリア]
黒猫さんが舞台がかった口調で
麗と呼ばれた人に言った…
―…その時
:09/03/25 05:16 :W61P :☆☆☆
#266 [イリア]
?「待て待て待て待て待てい!!」
テントのほうから
大きな声が聞こえた。
:09/03/25 05:17 :W61P :☆☆☆
#267 [イリア]
七「?」
猫「…」
麗「…」
狐「おや、まぁ」
テントの中からは
金色の髪の少年が出てきた。
:09/03/25 05:17 :W61P :☆☆☆
#268 [イリア]
狐「狼(ロウ)くん、ただいま♪
ってゆーか、声がでかくて
近所めいわ…「猫!貴様!
何様のつもりだ!
今すぐ麗のそばから離れろ!
半径15メートル以上だ!」
:09/03/25 05:17 :W61P :☆☆☆
#269 [イリア]
猫「もう、煩(ウルサ)いよお前」
狼「何?!もう一回言ってみろ!!」
猫「もう、煩いよお前。」
狼「そのまま言うな!!!
相変わらず腹の立つ奴だ!!!!
麗!!怪我はないか??!!!」
:09/03/25 05:18 :W61P :☆☆☆
#270 [イリア]
そう言うと狼という人は、
私たちのほうに走ってきた。
:09/03/25 05:19 :W61P :☆☆☆
#271 [イリア]
狼「麗、雨が降ってるから
外には出るな、と
言っただろう?」
麗「うるさい触るなどっか行け」
狐「嫌われた〜♪」
猫「嫌われたー」
:09/03/25 05:20 :W61P :☆☆☆
#272 [イリア]
狼「黙れ貴様ら!!!
…それにしてもなんか、
変な匂いが……ん?
何だお前、見ない顔だな。
新入りか?」
七「は、はいっ?!」
私はいきなり声をかけられ
若干声が裏がえりながら答える。
:09/03/25 05:20 :W61P :☆☆☆
#273 [イリア]
狼「何、そう堅くなることはない。
お前もあれだろう?
麗に憧れて入団した口だろう?
いや、分かる。とても分かるぞ。
こんな美人、世界中探しても
二人とはいないだろう。うん。
…それにしても匂うな。
お前ら匂わないのか?
これは確か…雨原の…」
ビクッとする。
しかし―……
:09/03/25 05:21 :W61P :☆☆☆
#274 [イリア]
「あ?そんなことより新入、
お前ところどころ怪我してるな。
小さな怪我でもばい菌が入ると
どえらいことに…ん?血?
……………
……………
――ッッ!!!!お前、雨原????!!!!!」
:09/03/25 05:22 :W61P :☆☆☆
#275 [イリア]
猫「長げぇよ」
麗「遅せぇよ」
狐「…君の将来が
本気で心配だよ、狼くん…」
:09/03/25 05:23 :W61P :☆☆☆
#276 [イリア]
:09/03/25 05:28 :W61P :☆☆☆
#277 [イリア]
>>274 ×〜…新入、
○〜…新入り
すいません(゚д゚)
:09/03/25 12:55 :W61P :☆☆☆
#278 [イリア]
:09/03/25 12:57 :W61P :☆☆☆
#279 [イリア]
狼「やかましい!麗以外!!
―…大体、
どうしてこんなところに
雨原が…」
キッ!
麗さんが狐さんを睨む。
:09/03/25 12:59 :W61P :☆☆☆
#280 [イリア]
麗「狐ッッ!!!!」
狐「え?僕?」
麗「当たり前だ!
何のつもりか知らないが、
こんな奴拾ってくるなんて
お前以外に――…「俺だよ」」
黒猫さんの声が
麗さんの言葉を遮る。
:09/03/25 13:00 :W61P :☆☆☆
#281 [イリア]
麗「―…猫が?」
猫「俺が、拾った。
正確にはスカウトした、だけど。
狐は関係ない」
麗「――……スカウト…?」
麗さんの声が
さっきより2オクターブは
低くなる。
:09/03/25 13:01 :W61P :☆☆☆
#282 [イリア]
……うん、なんか。
なんかもの凄い
勘違いをされてる気がする。
:09/03/25 13:02 :W61P :☆☆☆
#283 [イリア]
七「で、でも私…」
狼「貴様ぁ!
何故今更女をスカウト?!
確かにうちの劇団に女は少ないが、
麗さえいれば特に不都合はな…」
麗「…ご不満、ってわけだ」
:09/03/25 13:02 :W61P :☆☆☆
#284 [イリア]
雨はさっきよりも緩くなり
雨音に邪魔をされることのない
麗さんの声は、
全てが耳に響いてくる。
:09/03/25 13:03 :W61P :☆☆☆
#285 [イリア]
麗「…そういうことでしょ、猫。
私が最近 本番での失敗が多いから
新しい子を連れてきた…
いいわよ別に、仕方ないわ。
情だけで役が貰えるほど、
甘い劇団は嫌い。」
狼「何を言う!
失敗なんてまったく…」
麗「黙ってよ、狼。」
:09/03/25 13:04 :W61P :☆☆☆
#286 [イリア]
狼「いや黙らん!!
猫!!お前が連れてきた女と、麗。
どちらの演技が
この劇団に相応しいか、
今から勝負をしよう!!!!」
:09/03/25 13:05 :W61P :☆☆☆
#287 [イリア]
――……ちょっと、ちょっと、
ちょっと、ちょっと、ちょっと。
何か話がおかしな方向に…
私は誤解を解いて欲しくて、
黒猫さんのほうを見る。
:09/03/25 13:06 :W61P :☆☆☆
#288 [イリア]
クスッ…
私と目が合うと黒猫さんは
それこそ女性と見間違うほど妖艶に、
私に微笑んだ。
:09/03/25 13:07 :W61P :☆☆☆
#289 [イリア]
何この笑い…
もしかして……
すると黒猫さんは少しかがみこみ、
私の耳元で小さな声を出す。
:09/03/25 13:07 :W61P :☆☆☆
#290 [イリア]
:09/03/25 13:08 :W61P :☆☆☆
#291 [イリア]
その甘く優しげな
舞台用であろう声に
思わず顔が赤らむ。
って違うでしょ!//
誰が姫だよ!///
しかもスカウトなんて言うから
二人とも変に誤解して―……
:09/03/25 13:09 :W61P :☆☆☆
#292 [イリア]
狼「……ィ…おい!聞いてるか女!
勝負の内容は――ッッ!!」
言えってか。
私に言えってか!///
相変わらず黒猫さんは
心底おかしそうにしながら
私を見つめている。
:09/03/25 13:09 :W61P :☆☆☆
#293 [イリア]
狼「―じゃあさっそく、
今から「違います!!////」」
今度は私の声が響いた。
響いたっていうか、
轟(トドロ)いたっていうか。
:09/03/25 13:10 :W61P :☆☆☆
#294 [イリア]
狼「……何が違う!!」
七「こ、こ、これ以上話が
大きくなる前に、
言っときたいんですけど!!//」
:09/03/25 13:12 :W61P :☆☆☆
#295 [イリア]
狼.麗「?」
七「私…私、女優としてスカウト
されたんじゃないんです!!//」
:09/03/25 13:12 :W61P :☆☆☆
#296 [イリア]
―――…………言ってしまった//
黒猫さんと狐さんは
口に手をあて、
声を出さずに笑っている。
:09/03/25 13:12 :W61P :☆☆☆
#297 [イリア]
麗「―…何のつもりだ?
苦し紛れの言い訳か?
なら、何なんだ。猫はお前を
なんのつもりで…「お、お、大道具!」」
:09/03/25 13:14 :W61P :☆☆☆
#298 [イリア]
今度こそ本当に
私の声があたり一面に轟く。
麗さん、狼さんが
呆然と私を見ているのが分かる。
:09/03/25 13:14 :W61P :☆☆☆
#299 [イリア]
七「も、もしくはお茶くみ!
あ!あと、
狐さんのアシスタントってのも
アリみたいです!!//
何のアシスタントかは
知らないんですけど!!//」
:09/03/25 13:15 :W61P :☆☆☆
#300 [イリア]
カァ…―
言ってすぐ、恥ずかしくなる。
別に恥ずかしくなる必要は
ないのかもだけど、
大道具にスカウトされた私って…涙
:09/03/25 13:16 :W61P :☆☆☆
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