黒猫の棲むところ
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#200 [イリア]


狐「駄目だね、落ちたね
いやさ、ネコくんいいよー
今の台詞じゃないもんね?
素のネコくんだもんね?
うんうん、かっこいい!

やっぱアレだ。
次の舞台主役も
君にしてもらおっと♪

狼くんには悪いけど」

⏰:09/03/24 02:01 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#201 [イリア]



七「ロウくん?」


狐「あーごめんごめん!
狼くんはね、ネコくんと並んで
アスタリスク劇団の二大トップスター!

それからさっき言ってた
嗅覚のいい麗ちゃんは
アスタリスク劇団きっての演技派女優。

まぁ口は悪いけど根はいい子だし
すぐに仲良くなれるよ」

⏰:09/03/24 02:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#202 [イリア]



猫「どうでもいいけど、
俺とあいつ(狼)を
ひとまとめにするの
辞めてくれる?」


七「あ、あ、あ、あの!」


猫「何?まだ何かあんの?」

⏰:09/03/24 02:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#203 [イリア]



七「さっき!
スカウトって言ったけど……


私、演技とか…出来ないと思う…」

⏰:09/03/24 02:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#204 [イリア]



ポカーン


前を見ると、
二人が私の方を見て
呆然としているのが見えた。

⏰:09/03/24 02:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#205 [イリア]



七「…え…?な、何ですか…?」



黒猫さんが私の何を見込んで
スカウトしてくれたかは
知らないけど、
私は演技なんか出来ないぞ…///

⏰:09/03/24 02:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#206 [イリア]



七「な、何なんですか!
言いたいことがあるなら
スパッと―…」


私がそこまで言った、その瞬間


⏰:09/03/24 02:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#207 [イリア]



プッ…アハハハハ


黒猫さんと狐さんが
二人同時に笑い出す。

⏰:09/03/24 02:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#208 [イリア]



七「……え、え、え?」


猫「あんた、女優として
スカウトされたと思ったの?
あははは…何でそうなるかな」


狐「こらこら、
そんなに笑っちゃ
失礼だよ、ネコくん…
ぷあははは!!あ、失礼。」

⏰:09/03/24 02:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#209 [イリア]



七「じゃっ…じゃあ!
どんなことで私は
スカウトされたんですかね??!!///」


恥ずかしさのあまり
語尾を強めにし、私が問う。

⏰:09/03/24 02:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#210 [イリア]



猫「…ププ…うん、そうだな。
大道具、もしくはお茶くみ」


狐「僕のアシスタントってのも
アリだね♪」


七「お、大道具のスカウト…
流石大きな劇団は違いますね!!///」


⏰:09/03/24 02:08 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#211 [イリア]


猫「そんなに大きな
劇団でもないけど。
まぁ怒るなよ」


狐「あー可笑しかった!
ごめんね七衣ちゃん、
僕らの説明不足だ、ははは!
まぁ演技がやりたいようなら、
僕が手取り足取り
教えてあげるけど?」

⏰:09/03/24 02:08 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#212 [イリア]



七「したくありませんから!!//」


狐「はは…まぁ気が変わったら
いつでも言ってね♪

さて、そろそろ限界だ。
ネコくん体調大丈夫?
これ以上雨がひどくなる前に
テントに戻ろう」


⏰:09/03/24 02:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#213 [イリア]


そう言うと狐さんは
私たちに背を向けて歩きだした。


猫「んじゃ、俺たちも行くか」


黒猫さんは、
私に手を差し出す。

⏰:09/03/24 02:11 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#214 [イリア]



七「あ、ありがとう」


私も手を差し出した。


⏰:09/03/24 02:11 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#215 [イリア]




グイッ



七「キャッ!」


手を引っ張られ、
前に倒れそうになる。

⏰:09/03/24 02:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#216 [イリア]




黒猫さんはかがみこみ、
私の耳元に口をあてた。



⏰:09/03/24 02:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#217 [イリア]





猫「――…あんたはもしかしたら

俺たちが求め続けた

【雨原】なのかもしれない」




⏰:09/03/24 02:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#218 [イリア]



聞き取れるか、
聞き取れないかというほどの


小さく、細く、甘く…

少しだけ、泣きそうな声。


⏰:09/03/24 02:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#219 [イリア]



七「…え?」


猫「…行こう、七衣」


⏰:09/03/24 02:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#220 [イリア]



黒猫さん、
いまなんて言ったんだろう。
雨音がうるさくて
あまり聞き取れなかった。





あ、そういえば
初めて名前を呼んでくれたな。


⏰:09/03/24 02:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#221 [イリア]



私は黒猫さんに手をひかれ
小雨の中を歩く。






――……遠くで狐さんの
早くー、という声が聞こえた。


⏰:09/03/24 02:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#222 [イリア]





 第一話: opening


 完




⏰:09/03/24 02:16 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#223 [イリア]



長かった…
っていう訳で←
第一話:opening が
完結しました。

読み返すと誤字脱字
ってかまず日本語自体
おかしいようなものも
結構混ざっていますが←

読んで下さった方、
有難うございます(´;ω;`)


⏰:09/03/24 02:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#224 [イリア]



第一話は題名の通り
openingしか書けませんでしたが、
第二話以降
アスタリスク劇団や雨原一族など
なんかよく分かんないものを←
細かく書いていけたらな、と
思っています(^ω^)★


途中コメントを下さった
ちー様、e様
本当に有難うございました(;_;)
言葉にできないくらい
嬉しかったです!!


⏰:09/03/24 02:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#225 [イリア]



第二話以降も頑張りますので
読んで下さってる方
いらっしゃいましたら、
感想・アドバイスなど
書いて頂けると
励みになります(;_;)☆


何度もしつこいですが、
読んで頂き
有難うございました!!
それでは(゚レ゚)★


⏰:09/03/24 02:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#226 [我輩は匿名である]
おもしろいよ(・ω・)
できれば登場人物の絵とか見てみたい(´艸`)
無理にとは言わんけど主さん絵うまそう

⏰:09/03/24 02:47 📱:W61CA 🆔:☆☆☆


#227 [あかり]
私もこういうファンタジー好きです(*´艸`)
主さん、更新頑張ってくださいp(*^-^*)q

⏰:09/03/24 03:04 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#228 [あーちゃん]
ぶちはまった\(^o^)/
こおゆうファンタジー
だいすきっイあたしも
絵とか見てみたいな☆
主さん文才ありすぎ☆
続き楽しみにしてます
ねえxPq`*)

⏰:09/03/24 10:09 📱:W61SA 🆔:☆☆☆


#229 [翼]
めっちゃおもろいです
早く続きが見たい
更新大変かもしれんけど
頑張ってな

⏰:09/03/24 14:48 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#230 [いちご]
うわー(゚∀゚)ー
続き見たい続き見たい

⏰:09/03/24 22:03 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#231 [める◆z..07vKEZg]
人生でこんなに、
おもしろい小説を
読んだのは初めて//

もう、大好き^p^←

がんばってください☆

*

⏰:09/03/24 23:29 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#232 [イリア]


>>226匿名様

おもしろいなんて(゚д゚)
本当有り難いお言葉です(;_;)

絵ですか…
私の中では登場人物全てのイメージが
出来上がってるんですが、
私 絵が本気で下手くそなので
書くことができません←
すいません…(´;ω;`)

代わりに登場人物の
外見なんかも書いたプロフィールを
のせたいな…と思ってるので
良かったら見てやって下さい★

コメント有難うございました(;_;)

⏰:09/03/25 03:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#233 [イリア]


>>227あかり様

私もファンタジー
大好きです\(^O^)/←

応援有難うございます(;_;)
みなさんのコメ見てると
本気でニヤけてきて
しまいます(´`)←←←

コメント有難うございました☆!

⏰:09/03/25 03:16 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#234 [イリア]


>>228あーちゃん様

はまったなんて…(゚д゚)
文才なんて…(゚д゚)←
もう今嬉しすぎて
泣きそうです(´;ω;`)

まだまだまだな主ですが
少しでも分かりやすく書くため
頑張りますので
これからも
宜しくお願いします(;_;)

絵については>>226という感じで
考えています!
貴重なご意見
有難うございました★

⏰:09/03/25 03:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#235 [イリア]


>>234安価ミス(;_;)

>>232の通りです><

⏰:09/03/25 03:22 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#236 [イリア]


>>229翼様

応援有難うございます★
こんなにコメント貰えるなんて
思ってなかったので
嬉しくてびっくりしてます(;_;)←

また時間があるときでも
覗いて下されば
嬉しいです(^ω^)☆

⏰:09/03/25 03:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#237 [イリア]


>>230いちご様

読みたいって言って頂けるのが
本当に嬉しいです(´;ω;`)
これから春休みなので
できる限り更新しますね!

コメント有難うございました★

⏰:09/03/25 03:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#238 [イリア]


>>231メル様

(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)

もう本当に
泣いていいですか(´;ω;`)←
嬉しすぎです!
もったいないお言葉です!!

本当にやる気になります(;_;)
嬉しい感想
本当に有難うございます★!!

⏰:09/03/25 03:27 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#239 [イリア]


 みなさま本当に
 たくさんコメント
 有難うございます(´;ω;`)

 調子にのって
 感想板を作りましたので←
 宜しければ
 感想・アドバイス
 お待ちしています(゚∀゚)★

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4322/

⏰:09/03/25 04:54 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#240 [イリア]


>>222から

⏰:09/03/25 04:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#241 [イリア]





 第二話:日と陰と




⏰:09/03/25 04:58 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#242 [イリア]



ザ―――………


つい先程まで小雨だった雨は
私たち3人が
テントに向かう途中で

本格的な雨となり、降り出した。

⏰:09/03/25 04:59 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#243 [イリア]



狐「あーあーあー!!
だから僕は言ったんだよ、
場所を変えようって。」


猫「今更言うなよ、
お前の本気モードが
いつまで続くか不安だったんだ。
俺が説明するのは
かったるいからな。

あの場所でさっさと、
お前に説明して欲しかった。」


⏰:09/03/25 04:59 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#244 [イリア]



狐「よく言うよ、本当。
大体、僕はいつでも本気モード!
いい加減なことは
するな、言うな、見せるな……
……母上様の、遺言さ♪」


猫「立派な母親だ。
まぁそんな遺言も虚(ムナ)しく、
息子はこんな奴に
育っちまった訳だけど。」


⏰:09/03/25 05:00 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#245 [イリア]



狐「ねぇ、最近冷たくない?
ネコくん僕に対して冷たくない?

――…時に七衣ちゃん、
さっきから一言も
喋らないけど、大丈夫?」


七「―…ハァッハァッ…ハァッ…
―――ッッ!!大丈夫な訳…ッッ!!」





ないでしょ――――ッッ!!!!!


⏰:09/03/25 05:01 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#246 [イリア]



雨が降り出すのに比例して
黒猫さんと狐さん、
二人の歩くスピードは速くなり
いつしか(私にとっての)
全力疾走にまで
走るスピードは上がっていた。


⏰:09/03/25 05:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#247 [イリア]



狐「あれ?
どうしたのそんなに息切れして?」


雨にできるだけ当たらないよう
木の葉っぱの下に入り、
私たちは一旦走るのを止めた。

⏰:09/03/25 05:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#248 [イリア]



七「――…ハァッ…ハァッ…
…走るの…速い、です……」


猫「フフン、これだから人間は。」


七「わ、悪かったですね!
人間で!//」


⏰:09/03/25 05:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#249 [イリア]



狐「まぁまぁお二人とも。
ごめんね七衣ちゃん、僕ら
雨が降ると周りが
少し見えなくて…」


七「ハァッ…ハァッ…はぁ…。」


⏰:09/03/25 05:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#250 [イリア]



狐「基本的に
妖はみんなそうだから気をつけて。
普段は優しくても、
雨に触れると
性格が変わる妖もいるから。」


狐さんが言った、

そんなに雨が苦手なんだ。

人間の私には、
まだまだ理解しにくいことだけど…


⏰:09/03/25 05:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#251 [イリア]



狐「まぁ何かあっても
七衣ちゃんは僕が守るから
ノープログレムだけどねっ★」


七「……はぁ」


⏰:09/03/25 05:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#252 [イリア]



猫「狐、こいつは、俺が拾った。
必要以上に近づくな。」


七「私、拾われたんですか。」


猫「失礼、スカウトした。大道具に。
――……着いた、あそこだ。」


⏰:09/03/25 05:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#253 [イリア]




七「―…うわぁ」



⏰:09/03/25 05:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#254 [イリア]



そこは森を少し
抜けたところにある荒地。

綺麗な布で大きなテントが
張られている。
すぐそばには

物を運ぶ用だろうか、
馬が数匹繋がれていた。


⏰:09/03/25 05:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#255 [イリア]



七「―…十分、大きいですよ」


猫「そう?普通だと思うけど。
それより一つ、
あんたに言っておきたいことが―…」

⏰:09/03/25 05:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#256 [イリア]





ザッ――……





土を蹴る音がした。

⏰:09/03/25 05:10 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#257 [イリア]



気づくと誰もいなかったはずの
テントの前に、

少女が1人立っている。


⏰:09/03/25 05:10 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#258 [イリア]



狐「…あらぁ、
麗(レイ)ちゃんただいま★
お迎えなんて、珍しいねー♪
だから今日は雨なのかな?
なんちゃってー」




麗「――…さっきから
ずっと、思ってた」


⏰:09/03/25 05:11 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#259 [イリア]



麗、と呼ばれた人が声を出す。

黒猫さんほどではなくても
よく響く、透き通った声だった。


⏰:09/03/25 05:11 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#260 [イリア]



七「……?」


麗「何か…雨の匂いに混じって、
…嫌な感じがすると…」


七「…あの…どういう…?」






麗「ッッ!!!!黙れ!!!雨原!!!」

⏰:09/03/25 05:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#261 [イリア]




ザッ!!


土を蹴る音。
さっきより、ずっと速く。

刃の先を向けられる。



って、はッ――……ッッ??!!


⏰:09/03/25 05:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#262 [イリア]









キ―――ン


刃と刃がぶつかった。
私の目の前にいる人はもちろん…


⏰:09/03/25 05:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#263 [イリア]



猫「―――……いきなり
切りかかってくるとは、予想外。
そんなに熱くなるなよ
たかが、雨原だろ?
今の俺たちにとっちゃ、
大した敵でもない」


麗「黙れ!地に墜ちたか、猫!
今でこそ憎む理由はなくとも
過去の傷…
…そう簡単には、消えない!
そこをどけ!!」


⏰:09/03/25 05:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#264 [イリア]




猫「…女を相手にするのは、
嫌いなんだ、悪いけど。

特に、明日の舞台で
姫君を演じてなさる
その美麗なお顔に、
傷などつけれますまい」



⏰:09/03/25 05:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#265 [イリア]



黒猫さんが舞台がかった口調で
麗と呼ばれた人に言った…




―…その時

⏰:09/03/25 05:16 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#266 [イリア]




?「待て待て待て待て待てい!!」



テントのほうから
大きな声が聞こえた。


⏰:09/03/25 05:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#267 [イリア]



七「?」

猫「…」

麗「…」

狐「おや、まぁ」



テントの中からは
金色の髪の少年が出てきた。


⏰:09/03/25 05:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#268 [イリア]



狐「狼(ロウ)くん、ただいま♪
ってゆーか、声がでかくて
近所めいわ…「猫!貴様!
何様のつもりだ!
今すぐ麗のそばから離れろ!
半径15メートル以上だ!」


⏰:09/03/25 05:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#269 [イリア]



猫「もう、煩(ウルサ)いよお前」

狼「何?!もう一回言ってみろ!!」

猫「もう、煩いよお前。」

狼「そのまま言うな!!!
相変わらず腹の立つ奴だ!!!!

麗!!怪我はないか??!!!」


⏰:09/03/25 05:18 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#270 [イリア]



そう言うと狼という人は、
私たちのほうに走ってきた。


⏰:09/03/25 05:19 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#271 [イリア]



狼「麗、雨が降ってるから
外には出るな、と
言っただろう?」

麗「うるさい触るなどっか行け」




狐「嫌われた〜♪」

猫「嫌われたー」


⏰:09/03/25 05:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#272 [イリア]



狼「黙れ貴様ら!!!
…それにしてもなんか、
変な匂いが……ん?
何だお前、見ない顔だな。
新入りか?」


七「は、はいっ?!」


私はいきなり声をかけられ
若干声が裏がえりながら答える。

⏰:09/03/25 05:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#273 [イリア]



狼「何、そう堅くなることはない。
お前もあれだろう?
麗に憧れて入団した口だろう?
いや、分かる。とても分かるぞ。
こんな美人、世界中探しても
二人とはいないだろう。うん。

…それにしても匂うな。
お前ら匂わないのか?
これは確か…雨原の…」


ビクッとする。
しかし―……


⏰:09/03/25 05:21 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#274 [イリア]



「あ?そんなことより新入、
お前ところどころ怪我してるな。

小さな怪我でもばい菌が入ると
どえらいことに…ん?血?
……………
……………



――ッッ!!!!お前、雨原????!!!!!」


⏰:09/03/25 05:22 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#275 [イリア]



猫「長げぇよ」

麗「遅せぇよ」

狐「…君の将来が
本気で心配だよ、狼くん…」


⏰:09/03/25 05:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#276 [イリア]


第一話:opening
>>1-222

第二話:日と陰と[更新中]
>>241-275

感想板:
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4322/


絵は書けませんでしたが、
簡単なプロフィールを
のせさせてもらいました(^ω^)
感想・アドバイス
お待ちしてます(´;ω;`)★

⏰:09/03/25 05:28 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#277 [イリア]


>>274

 ×〜…新入、
 ○〜…新入り

 すいません(゚д゚)

⏰:09/03/25 12:55 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#278 [イリア]


>>275から

⏰:09/03/25 12:57 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#279 [イリア]



狼「やかましい!麗以外!!

―…大体、
どうしてこんなところに
雨原が…」





キッ!

麗さんが狐さんを睨む。

⏰:09/03/25 12:59 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#280 [イリア]



麗「狐ッッ!!!!」

狐「え?僕?」


麗「当たり前だ!
何のつもりか知らないが、
こんな奴拾ってくるなんて
お前以外に――…「俺だよ」」


黒猫さんの声が
麗さんの言葉を遮る。

⏰:09/03/25 13:00 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#281 [イリア]



麗「―…猫が?」

猫「俺が、拾った。
正確にはスカウトした、だけど。
狐は関係ない」



麗「――……スカウト…?」



麗さんの声が
さっきより2オクターブは
低くなる。

⏰:09/03/25 13:01 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#282 [イリア]




……うん、なんか。

なんかもの凄い
勘違いをされてる気がする。



⏰:09/03/25 13:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#283 [イリア]



七「で、でも私…」


狼「貴様ぁ!
何故今更女をスカウト?!
確かにうちの劇団に女は少ないが、
麗さえいれば特に不都合はな…」


麗「…ご不満、ってわけだ」


⏰:09/03/25 13:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#284 [イリア]



雨はさっきよりも緩くなり
雨音に邪魔をされることのない
麗さんの声は、
全てが耳に響いてくる。


⏰:09/03/25 13:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#285 [イリア]



麗「…そういうことでしょ、猫。
私が最近 本番での失敗が多いから
新しい子を連れてきた…

いいわよ別に、仕方ないわ。
情だけで役が貰えるほど、
甘い劇団は嫌い。」


狼「何を言う!
失敗なんてまったく…」

麗「黙ってよ、狼。」


⏰:09/03/25 13:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#286 [イリア]



狼「いや黙らん!!
猫!!お前が連れてきた女と、麗。
どちらの演技が
この劇団に相応しいか、
今から勝負をしよう!!!!」


⏰:09/03/25 13:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#287 [イリア]



――……ちょっと、ちょっと、
ちょっと、ちょっと、ちょっと。

何か話がおかしな方向に…


私は誤解を解いて欲しくて、
黒猫さんのほうを見る。


⏰:09/03/25 13:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#288 [イリア]




クスッ…


私と目が合うと黒猫さんは
それこそ女性と見間違うほど妖艶に、
私に微笑んだ。


⏰:09/03/25 13:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#289 [イリア]



何この笑い…

もしかして……




すると黒猫さんは少しかがみこみ、
私の耳元で小さな声を出す。


⏰:09/03/25 13:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#290 [イリア]











猫「――…ご自分の紹介は

ご自分でどうぞ、姫」


⏰:09/03/25 13:08 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#291 [イリア]



その甘く優しげな
舞台用であろう声に
思わず顔が赤らむ。



って違うでしょ!//
誰が姫だよ!///

しかもスカウトなんて言うから
二人とも変に誤解して―……


⏰:09/03/25 13:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#292 [イリア]



狼「……ィ…おい!聞いてるか女!
勝負の内容は――ッッ!!」


言えってか。
私に言えってか!///

相変わらず黒猫さんは
心底おかしそうにしながら
私を見つめている。


⏰:09/03/25 13:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#293 [イリア]



狼「―じゃあさっそく、
今から「違います!!////」」



今度は私の声が響いた。

響いたっていうか、
轟(トドロ)いたっていうか。


⏰:09/03/25 13:10 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#294 [イリア]



狼「……何が違う!!」

七「こ、こ、これ以上話が
大きくなる前に、
言っときたいんですけど!!//」


⏰:09/03/25 13:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#295 [イリア]



狼.麗「?」


七「私…私、女優としてスカウト
されたんじゃないんです!!//」


⏰:09/03/25 13:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#296 [イリア]





―――…………言ってしまった//


黒猫さんと狐さんは
口に手をあて、
声を出さずに笑っている。


⏰:09/03/25 13:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#297 [イリア]



麗「―…何のつもりだ?
苦し紛れの言い訳か?

なら、何なんだ。猫はお前を
なんのつもりで…「お、お、大道具!」」


⏰:09/03/25 13:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#298 [イリア]



今度こそ本当に
私の声があたり一面に轟く。

麗さん、狼さんが
呆然と私を見ているのが分かる。


⏰:09/03/25 13:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#299 [イリア]



七「も、もしくはお茶くみ!
あ!あと、
狐さんのアシスタントってのも
アリみたいです!!//

何のアシスタントかは
知らないんですけど!!//」


⏰:09/03/25 13:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#300 [イリア]



カァ…―


言ってすぐ、恥ずかしくなる。

別に恥ずかしくなる必要は
ないのかもだけど、
大道具にスカウトされた私って…涙


⏰:09/03/25 13:16 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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