遥かなる時の中で
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#13 [鼻]
両親はリリィを庇い、隠した事によって魔女の仲間として魔女裁判にかけられていた。
しかしそれは魔女裁判とは名ばかりの、残酷な拷問であった。
『私は魔女です』
そう言うまで拷問は続けられる。
しかし両親は決して言わなかった。
父は母を守る為に
母は魔女の誇りを守る為に…
:09/03/24 03:24
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#14 [鼻]
『もう…いい…もう見たくない…お願い…もう見せないで…!』
リリィは泣きながら叫んだ。
そして鏡は最後に両親の無惨な亡骸を映し、元の鏡に戻った。
:09/03/24 03:27
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#15 [鼻]
リリィは泣き続けた。
そして悲しみが怒りに変わり、人間への恨みがリリィを動かした。
空は真っ黒な雲に覆われ、雷は鳴り響き、雨の礫を降らせた。
そんな中、リリィは村へ向かった。
服は雨で濡れて重くなり、土はぬかるみ歩きづらくなり、すぐ近くに雷が落ちても、リリィは微動だにせず村へ向かった。
:09/03/24 03:33
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#16 [鼻]
今のリリィを動かしているのは『怒り』だけだった。
村へ着くと、幸せそうな笑い声が聞こえてきた。
『お前達のせいでお父さんもお母さんも死んだのに…お前達が殺したのに…なぜそんな風に笑えるの?』
リリィは怒りで我を忘れ、沢山の呪文を唱えた。
:09/03/24 03:37
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#17 [鼻]
そして我に返った時、村は壊滅していた。
誰一人生きている者は居なかった。
まるで嵐がきて全てを壊されてしまったかの様に、家はボロボロになっていた。
『これ…私がやったの…?』
リリィは自分さえも怖くなり、その場から逃げた。
走って走って走り続けて、気が付いたら魔の森へ戻ってきていた。
:09/03/24 03:45
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#18 [鼻]
『ハァ…ハァ…これからどうすればいいんだろう…』
そんな事を呟きながら、小屋へ向かっていたその時。
ガサッ
近くのしげみから音が聞こえた。
一度立ち止まったが気のせいだと思い、また小屋へ向かおうとすると
ガサガサッガサッ
何かが出てきた。
雨でずぶ濡れになった…犬…?
:09/03/24 17:27
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#19 [鼻]
いや…違う。
頭がみっつある。
もしかして…ケルベロス…?
恐る恐る近付いてみると、まだ子犬程度の大きさだが、確かにそれはケルベロスだった。
『お前も一人ぼっち…?』
リリィがそう言うと、ケルベロスはただリリィを見つめた。
:09/03/24 17:31
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#20 [鼻]
しばらく見つめ合った頃、リリィはケルベロスが震えている事に気が付いた。
『お前寒いの…?』
それでもケルベロスはただリリィを見つめている。
『私と一緒に来る…?』
それでもケルベロスは何も答えなかった。
『…私…行くけど…行く所がないならおいで?』
そう言ってリリィが歩き出すと、ケルベロスも歩き出した。
:09/03/24 20:33
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#21 [鼻]
微妙に距離を取りつつケルベロスは着いてきた。
しばらく歩くと小屋に着いた。
リリィはすぐに暖炉に火をつけ、タンスの中に入っていたタオルでケルベロスを拭こうとした。
しかしケルベロスは触られるのを嫌がり、リリィに体を拭かせようとしなかった。
:09/03/24 20:36
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#22 [鼻]
『そのままじゃ体に悪いわよ?
いじめたりしないから体を拭かせて?』
リリィがそう言うとケルベロスはクゥーンと鳴いて近付いてきた。
『いい子ね…』
体を拭いてやると、ケルベロスは暖炉の前で横になり、寝始めた。
リリィはそれを見ながら自分の体も拭いた。
そして母が着ていたものらしい服に着替え、ケルベロスの隣に座った。
:09/03/24 20:40
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