遥かなる時の中で
最新 最初 全 
#1 [鼻]
貴方に出会えてなかったら
私は今も人間が嫌いだった
:09/03/23 01:18
:W53S
:koTKcUPM
#2 [鼻]
:09/03/23 01:19
:W53S
:koTKcUPM
#3 [鼻]
昔々あるところにリリィと言う美しい少女がいました。
リリィの美しさは村の男達を惑わせていました。
それを妬んだ村の女が、リリィを魔女だと言って、魔女狩りをしようとしました。
リリィの両親はそれを知り、リリィを魔の森と呼ばれ村人が近寄らない森へ隠しました。
:09/03/23 01:24
:W53S
:koTKcUPM
#4 [鼻]
『リリィ、決してこの森から出てはダメよ。
出てしまったら村の人に見付かって殺されてしまう…』
『お母さん、どうして私が殺されなければいけないの?』
『それは貴女が魔女だからよ。
魔女は美しい姿をしていて、男達を惑わす。
そしてその姿は歳を取らず、一生美しいままなの。』
『私が魔女…?』
:09/03/23 01:29
:W53S
:koTKcUPM
#5 [鼻]
『そうよ。
貴女は魔女。
そしてお母さんも魔女だったの。』
『えっ…?』
『これはお母さんの日記と魔法の本よ。
これを読めば全てがわかるわ。
じゃぁお母さんはもう行くけど、決して森から出てはダメよ?
わかったわね?』
そう言って母親はリリィの元から去って行きました。
『お母さん!待って…』
:09/03/23 01:33
:W53S
:koTKcUPM
#6 [鼻]
去っていく母を見ながらリリィは混乱していた。
私が魔女…?
お母さんも魔女だった…?
何がなんだかわからないまま、リリィはしばらくその場から動けずにいた。
:09/03/23 02:27
:W53S
:koTKcUPM
#7 [鼻]
そしてふと我に返り、母に渡された日記を読み始めた。
そこには18歳になると真実を伝えられ、魔法を教えてもらう事
どんな魔法を覚えたか
魔女は好きな人と永遠の誓いで結ばれた時、魔法が使えなくなり、人間と同じ寿命になると言う事
沢山の事が書かれていた。
リリィは17歳だった。
後数ヶ月で真実を知るはずだったのだ。
:09/03/23 02:34
:W53S
:koTKcUPM
#8 [鼻]
母の日記にはこの森に住んでいた事も書かれていた。
母の日記を頼りに森の中を行くと、小屋を見付けた。
小屋の中に入ってみると、随分と使われていなかったらしく、何処もかしこも埃まみれになっていた。
:09/03/23 03:30
:W53S
:koTKcUPM
#9 [鼻]
リリィは椅子の埃を軽くはらって座った。
そして窓の外をボーッと眺めた。
魔の森と呼ばれる場所は、名前に似合わず暖かい光が差していた。
:09/03/23 21:12
:W53S
:koTKcUPM
#10 [鼻]
何時間か経った頃、リリィはふと魔法の本を読み始めた。
『えーっと…魔法の基礎はまず集中する事。
そして強く思う事。
後は練習あるのみ…
なんか適当だなぁ…』
そんな事を呟きながら、魔法の本をパラパラと捲っていく。
すると気になる魔法を見付けた。
『見たいものを鏡に映す魔法』
:09/03/23 21:27
:W53S
:koTKcUPM
#11 [鼻]
これを使えばお母さん達の姿が見れるかもしれない。
そう思ったリリィはそのページを熟読した。
そして何度か呪文を唱える練習をして、鏡に向かった。
一度目を閉じ、深呼吸をする。
そして鏡を見つめ、呪文を唱えた。
『汝、我ノ願イヲ聞キ我ノ望ムモノヲ映シ出セ』
:09/03/23 21:38
:W53S
:koTKcUPM
#12 [鼻]
一瞬、鏡は眩いばかりの光を放った。
そして両親の姿を映し出した。
『成功…した…?』
『…っ!!』
リリィの魔法は成功したが、鏡にはとても恐ろしい光景が映し出されていた。
:09/03/24 03:18
:W53S
:38TEgydA
#13 [鼻]
両親はリリィを庇い、隠した事によって魔女の仲間として魔女裁判にかけられていた。
しかしそれは魔女裁判とは名ばかりの、残酷な拷問であった。
『私は魔女です』
そう言うまで拷問は続けられる。
しかし両親は決して言わなかった。
父は母を守る為に
母は魔女の誇りを守る為に…
:09/03/24 03:24
:W53S
:38TEgydA
#14 [鼻]
『もう…いい…もう見たくない…お願い…もう見せないで…!』
リリィは泣きながら叫んだ。
そして鏡は最後に両親の無惨な亡骸を映し、元の鏡に戻った。
:09/03/24 03:27
:W53S
:38TEgydA
#15 [鼻]
リリィは泣き続けた。
そして悲しみが怒りに変わり、人間への恨みがリリィを動かした。
空は真っ黒な雲に覆われ、雷は鳴り響き、雨の礫を降らせた。
そんな中、リリィは村へ向かった。
服は雨で濡れて重くなり、土はぬかるみ歩きづらくなり、すぐ近くに雷が落ちても、リリィは微動だにせず村へ向かった。
:09/03/24 03:33
:W53S
:38TEgydA
#16 [鼻]
今のリリィを動かしているのは『怒り』だけだった。
村へ着くと、幸せそうな笑い声が聞こえてきた。
『お前達のせいでお父さんもお母さんも死んだのに…お前達が殺したのに…なぜそんな風に笑えるの?』
リリィは怒りで我を忘れ、沢山の呪文を唱えた。
:09/03/24 03:37
:W53S
:38TEgydA
#17 [鼻]
そして我に返った時、村は壊滅していた。
誰一人生きている者は居なかった。
まるで嵐がきて全てを壊されてしまったかの様に、家はボロボロになっていた。
『これ…私がやったの…?』
リリィは自分さえも怖くなり、その場から逃げた。
走って走って走り続けて、気が付いたら魔の森へ戻ってきていた。
:09/03/24 03:45
:W53S
:38TEgydA
#18 [鼻]
『ハァ…ハァ…これからどうすればいいんだろう…』
そんな事を呟きながら、小屋へ向かっていたその時。
ガサッ
近くのしげみから音が聞こえた。
一度立ち止まったが気のせいだと思い、また小屋へ向かおうとすると
ガサガサッガサッ
何かが出てきた。
雨でずぶ濡れになった…犬…?
:09/03/24 17:27
:W53S
:38TEgydA
#19 [鼻]
いや…違う。
頭がみっつある。
もしかして…ケルベロス…?
恐る恐る近付いてみると、まだ子犬程度の大きさだが、確かにそれはケルベロスだった。
『お前も一人ぼっち…?』
リリィがそう言うと、ケルベロスはただリリィを見つめた。
:09/03/24 17:31
:W53S
:38TEgydA
#20 [鼻]
しばらく見つめ合った頃、リリィはケルベロスが震えている事に気が付いた。
『お前寒いの…?』
それでもケルベロスはただリリィを見つめている。
『私と一緒に来る…?』
それでもケルベロスは何も答えなかった。
『…私…行くけど…行く所がないならおいで?』
そう言ってリリィが歩き出すと、ケルベロスも歩き出した。
:09/03/24 20:33
:W53S
:38TEgydA
#21 [鼻]
微妙に距離を取りつつケルベロスは着いてきた。
しばらく歩くと小屋に着いた。
リリィはすぐに暖炉に火をつけ、タンスの中に入っていたタオルでケルベロスを拭こうとした。
しかしケルベロスは触られるのを嫌がり、リリィに体を拭かせようとしなかった。
:09/03/24 20:36
:W53S
:38TEgydA
#22 [鼻]
『そのままじゃ体に悪いわよ?
いじめたりしないから体を拭かせて?』
リリィがそう言うとケルベロスはクゥーンと鳴いて近付いてきた。
『いい子ね…』
体を拭いてやると、ケルベロスは暖炉の前で横になり、寝始めた。
リリィはそれを見ながら自分の体も拭いた。
そして母が着ていたものらしい服に着替え、ケルベロスの隣に座った。
:09/03/24 20:40
:W53S
:38TEgydA
#23 [鼻]
『ねぇ…あなたの両親はどこにいるの…?』
寝ているケルベロスに話し掛けるが、耳がピクッと動くだけでなんの返事もなかった。
リリィはこれからどうすればいいのかわからず不安になり、声を殺して泣いた。
:09/03/24 23:09
:W53S
:38TEgydA
#24 [まりも。]
とても面白くて、読みやすいです´ω`!
楽しみなんで頑張ってください〓
:09/03/24 23:31
:P903i
:JhYvjwVc
#25 [鼻]
まりもさん
うおっ!
嬉しいお言葉ありがとうございます(゚Д゚)
読みづらいしつまんない感じになっちゃったなぁって思ってたからとても嬉しいです!
頑張って最後まで書くので最後まで読んでやって下さいm(__)m
:09/03/25 01:12
:W53S
:81h8.p.w
#26 [鼻]
>>23気が付くと朝になっていて、泣き疲れて眠っていたリリィは窓から入ってくる暖かい光で目を覚ました。
『いつの間にか寝てたんだ…』
ふと隣を見ると、少し離れて寝ていたはずのケルベロスがリリィに寄り添って眠っていた。
リリィはそれを見てなんだか嬉しくなり、しばらくそのままケルベロスの温もりを感じていた。
:09/03/25 01:21
:W53S
:81h8.p.w
#27 [鼻]
グゥ〜
1時間くらい経った頃、リリィのお腹が鳴った。
ケルベロスはその音で目を覚ました。
『あ、ごめんね。
起こすつもりはなかったんだけど…』
ケルベロスは突然立ち上がり、小屋の中をクンクンと嗅ぎ始めた。
『どうしたの?何かあるの?』
:09/03/25 01:33
:W53S
:81h8.p.w
#28 [鼻]
リリィの言葉を無視して何かを探しているケルベロス。
『もう…
少し距離が縮まったと思ったのに…』
リリィがそんな事を呟いた時、ケルベロスは床をガリガリと引っ掻き始めた。
『どうしたの?』
そんな問い掛けにも反応しないケルベロス。
:09/03/25 01:41
:W53S
:81h8.p.w
#29 [鼻]
『そこに何かあるの?』
恐る恐る近付いてみると、ドアらしき物があった。
『地下室でもあるのかな?』
リリィがそんな事を言っている間もケルベロスは引っ掻くのをやめない。
『開けろって言ってるの…?』
リリィがそう言うと、ケルベロスは引っ掻くのをやめ、少しドアから離れた。
:09/03/25 03:31
:W53S
:81h8.p.w
#30 [鼻]
『お前が喋れたらもう少しわかりやすくなるのに…』
リリィはブツブツ文句を良いながらドアを開けた。
するとそこには地下に繋がる階段があった。
『真っ暗…』
リリィがボソッと呟くと、ケルベロスは階段を一気に降りて行った。
『えっ、ちょっと待ってよー!』
:09/03/25 03:38
:W53S
:81h8.p.w
#31 [鼻]
リリィは急いで近くにあったランプを持ってケルベロスを追い掛けた。
階段を降りると、湿ったひんやりとした空気が流れていた。
すると突然明かりがついて、地下室を照らした。
急に明るくなったので目はまだ慣れず、リリィは少しフラフラしていた。
:09/03/25 03:43
:W53S
:81h8.p.w
#32 [鼻]
『んっ…えっ!?』
やっと目が慣れた時、リリィの目に飛び込んできたのは地下室に並んだ棚。
そして棚には沢山の食料。
『うわぁ!凄い凄い!こんなに食料があればしばらく困らないわね!
あっ、でも何年も前の物だろうから食べられるのかな…?』
:09/03/25 11:53
:W53S
:81h8.p.w
#33 [鼻]
一通り棚を確認したが、なぜか腐っている物はなかった。
野菜や果物まで綺麗なまま棚に並んでいた。
『なんか食べるの怖いなぁ…』
そんな事を呟いた時、ガサガサと音がした。
『あっ、そう言えばあの子何処に行ったんだろう…』
リリィはケルベロスを探しながら、音のする方へ向かった。
:09/03/25 17:12
:W53S
:81h8.p.w
#34 [鼻]
ガサゴソ…
恐る恐る音のする場所を覗いてみると、そこにはケルベロスがいた。
でも何かをしている。
『何してるの?』
そんな問い掛けにも無反応。
そっと覗くと、ケルベロスは棚にあったソーセージをムシャムシャと食べていた。
:09/03/25 17:18
:W53S
:81h8.p.w
#35 [鼻]
『あっ…食べちゃってるし』
ソーセージを美味しそうに食べるケルベロスを見て、さっきよりも大きな音でお腹が鳴った。
グゥー!
『私も食べてみようかなぁ…』
そう言って近くにあったリンゴを持った。
:09/03/25 18:12
:W53S
:81h8.p.w
#36 [鼻]
リリィは唾をゴクンと飲み込んで、リンゴを一口かじってみた。
『…美味しいかも』
空腹のせいか、普通のリンゴがとても美味しく感じた。
リリィがリンゴを食べ終わった頃、ケルベロスも大量のソーセージを食べ終わっていた。
:09/03/25 19:36
:W53S
:81h8.p.w
#37 [鼻]
『とりあえず食料は大丈夫そうかな』
そう言って少しの食料を持ってリリィとケルベロスは階段を上った。
食料をテーブルの上に置き、外に出てみると、昨日の雨が嘘の様に澄んだ青空がそこにあった。
:09/03/25 20:57
:W53S
:81h8.p.w
#38 [鼻]
リリィは読みかけの母の日記を読み始めた。
そこには沢山の出会いや別れ、楽しかった日々が書かれていた。
父と出会い恋をして、魔法が使えなくなり、人間として生きた母。
日記には娘にも恋をして幸せになって欲しいと書かれていた。
『お母さん…私は人間を好きになんてなれないよ。
お母さんやお父さんを殺した人間なんて絶対に好きになれない…』
:09/03/25 21:03
:W53S
:81h8.p.w
#39 [鼻]
今にも消えそうな声でリリィは言った。
そしてまた泣いた。
『……うっく…うっ……ぁ…』
クゥーン
ケルベロスの鳴き声でリリィは顔を上げた。
『……お前は私を置いていかないよね…?』
:09/03/25 21:08
:W53S
:81h8.p.w
#40 [鼻]
リリィがそう言うと、ケルベロスはリリィに寄り添った。
何も言わず、
だけど『離れないよ』と言っているみたいだった。
リリィは声を上げて泣いた。
泣いて泣いて涙が枯れるまで泣き続けた。
その間、ケルベロスは決してリリィの傍から離れる事はなかった。
:09/03/25 21:13
:W53S
:81h8.p.w
#41 [鼻]
リリィが泣き止んでもケルベロスはずっと傍にいてくれた。
日が暮れてきた頃、リリィとケルベロスは小屋の中に入り、暖炉に火をつけた。
そして暖炉の傍で寄り添いながら魔法の本を読み始めた。
:09/03/25 22:52
:W53S
:81h8.p.w
#42 [鼻]
すると気になる魔法を見付けた。
【生き物に言葉を与える魔法】
『これでお前と話が出来るようになるわ!』
そう言うと魔法の練習を始めた。
『我の言霊で汝に言葉を与える
汝、我と語る事を許す』
:09/03/25 23:04
:W53S
:81h8.p.w
#43 [鼻]
何度か呪文を唱える練習をした後、深呼吸をしてケルベロスの前に立った。
そして心を込めて呪文を唱えた。
『我の言霊で汝に言葉を与える
汝、我と語る事を許す』
しかし鏡の時とは違い、なんの反応も手応えもなかった。
:09/03/25 23:09
:W53S
:81h8.p.w
#44 [鼻]
『やっぱりダメかぁ…』
リリィはそう言って座り込んだ。
『もっと練習しなきゃだよね…
魔法って難しいなぁ…』
そう言って肩を落としていると
『頑張れ』
何処からか声が聞こえた。
『えっ?誰?』
:09/03/25 23:14
:W53S
:81h8.p.w
#45 [鼻]
振り返るとそこにはケルベロスがいた。
『もしかしてお前…?』
『そうだよ』
『喋れるようになったの?
魔法成功してたの?』
『そうみたいだね』
リリィはあまりの嬉しさにケルベロスに抱き付いた。
:09/03/26 00:08
:W53S
:koeXbJ.Q
#46 [鼻]
『くっ、苦しいよ』
『あ、ごめんね。
嬉しくてつい…』
そう言ってリリィはケルベロスから離れた。
『言葉をくれてありがとう』
『いえいえ、とんでもない!
喋れるようになって良かった!』
:09/03/26 00:10
:W53S
:koeXbJ.Q
#47 [鼻]
喜んでいるリリィを見てケルベロスは言った。
『ひとつお願いしてもいい?』
『お願い?なぁに?』
『僕達に名前をつけてくれないかな?
お前じゃちょっと…』
『あっ、そうだよね!
んー、何がいいかなぁ…』
:09/03/26 00:13
:W53S
:koeXbJ.Q
#48 [鼻]
リリィは真剣に考えた。
考えている最中に、ひとつ疑問が浮かんだ。
『ねぇ、君達は男の子?女の子?』
『あたしは女の子よ』
『僕は男の子』
『俺は男だ』
『ひとつの体に男の子と女の子か…
なんか凄いね!』
リリィは目を輝かせて言った。
:09/03/26 00:16
:W53S
:koeXbJ.Q
#49 [鼻]
『早く決めろよ』
左の男の子が言った。
『あ、はい…
あなたは気が強そうだからベガなんてどうかしら?』
『変な名前だけどまぁいっか。
なんか強そうだし』
そう言われてリリィは苦笑いした。
『次はあたしの名前を考えて!』
『あなたは女の子だからベルなんてどうかしら?』
:09/03/26 17:11
:W53S
:koeXbJ.Q
#50 [鼻]
リリィは右の女の子に言った。
『可愛い名前。
気に入ったわ!』
ベルは嬉しそうに言った。
『じゃぁ最後は僕…』
気の弱そうな真ん中の男の子が言った。
『そうねぇ…ベンとベベどっちがいいかしら?』
『ベンはおじさんみたいだからベベがいいな』
『じゃぁベベで決まりね!
私の名前はリリィ。
ベル、ベガ、ベベ改めてよろしくね』
:09/03/27 11:47
:W53S
:2Dlo2F9E
#51 [鼻]
ベガ『おう!』
ベル『よろしくね』
ベベ『よろしく…』
リ『あなた達は性格が随分違うのね』
ベガ『当たり前だろ。
体はひとつでも頭はみっつあるんだから』
リ『それもそうね。
さて、そろそろお腹が空いてきたから夕飯にしましょうか?』
3匹『さんせーい!』
リ『こんな時だけ息ピッタリね』
リリィはクスッと笑って夕飯の用意を始めた。
:09/03/28 13:11
:W53S
:I6uBVWJg
#52 [鼻]
夕飯を食べ終わると暖炉の前でいろんな話をした。
リリィの幼い頃の話や、魔法の事。
そしてこれからの事。
リ『明日からは魔法の練習をするわ!
誰にも頼らず生きていくんですもの。
何かあった時あなた達を守れなかったら嫌だし…』
リリィはそう言いながら両親を思い出し、涙が出そうになった。
でも遠くを見つめ、泣くのをこらえた。
:09/03/30 11:04
:W53S
:9F8MjdaA
#53 [鼻]
するとベガが口を開いた。
ベガ『ふん。お前に守ってもらう程俺たちは弱くねぇよ。
お前は頑張ったって弱いんだから頑張るだけ無駄だ』
ベル『そんな言い方ないでしょ!
本当はリリィが無茶しないかって心配してるくせに』
ベガ『う、うるせぇ!
俺は心配なんかしてねぇよ!』
ベベ『喧嘩はやめてよ〜…』
:09/03/30 11:11
:W53S
:9F8MjdaA
#54 [鼻]
そんなケルベロスを見て、リリィは嬉しくて涙が出た。
リ『ありがと…』
ベル『あーあ。
ベガがリリィを泣かしたー!』
ベガ『俺のせいじゃねぇだろ!
お、おい、リリィ!泣くな!
俺のせいにされるだろ!』
ベベ『喧嘩はダメだってば〜…』
:09/03/30 11:14
:W53S
:9F8MjdaA
#55 [鼻]
言い方がキツくて強気なベガ。
お喋りで女の子らしいベル。
気弱であまり自分の意見を言わないベベ。
形は違うけど、リリィは3匹が心配してくれている事が嬉しかった。
そして涙を流しながら笑って、もう一度『ありがとう』と言った。
:09/03/30 11:19
:W53S
:9F8MjdaA
#56 [鼻]
その日もリリィ達は暖炉の前で寄り添いながら眠りについた。
そして次の日。
リ『ふぁ〜あ。
やっぱりベットがないと体が痛くなるわね…』
そう言いながら背伸びをして、朝食の用意を始めた。
:09/03/30 20:01
:W53S
:9F8MjdaA
#57 [鼻]
ケルベロスも匂いにつられて起きてきた。
3匹『お腹空いたー』
リ『はいはい。
今作ってるからもう少し待ってね』
そう言ってソーセージを茹でて、卵を焼いていた。
リ『出来たわよー。
さぁ、しっかりご飯を食べて今日も元気に過ごしましょうね』
3匹『いただきまーす!』
:09/03/30 20:04
:W53S
:9F8MjdaA
#58 [鼻]
ご飯を食べ終わると、リリィは魔法の練習を始めた。
物を動かす魔法、人や動物を操る魔法、ホウキを使って空を飛ぶ魔法、時を止める魔法
その日から沢山の魔法を練習した。
日を重ねる毎にケルベロスは成長し、リリィの身長をすぐに抜き、2メートルくらいになっていた。
:09/03/31 02:23
:W53S
:8Ogj.9.M
#59 [鼻]
もうその頃には小屋に入る事など出来なくなっていて、リリィは魔法でケルベロスの小屋を作ってあげた。
大きな犬小屋が完成すると、ケルベロスは喜んだ。
そして、リリィは魔法で自分のベットを作ったが、夜眠る時は犬小屋へ行き、ケルベロスの隣で眠っていた。
:09/03/31 02:27
:W53S
:8Ogj.9.M
#60 [鼻]
ベガ『お前も大人になったんだから一人で寝ろよ』
リ『あら、あなた達はいつも3匹で寝てるからわからないでしょうけど、一人は寒いし寂しいのよ!』
ベガ『うっ…』
ベル『リリィはすっかり口が達者になったわね。
もう口喧嘩でベガに負ける事はないし』
ベルはそう言ってクスッと笑った。
ベベ『僕はリリィと一緒に寝れて嬉しいよ!
僕リリィ大好きだもん!』
リ『ありがとう、ベベ。
私もベベの事大好きよ』
:09/03/31 02:31
:W53S
:8Ogj.9.M
#61 [鼻]
リリィはそう言ってベベを抱き締めた。
ベベ『ふふ。何かあったら僕が守ってあげるからね』
リ『ベベはすっかり男の子らしくなったわね!』
ベガ『ふんっ。そんな腰抜けにリリィを守れるわけないだろ』
ベル『ベガったらヤキモチ妬いちゃって』
ベガ『ヤ、ヤキモチなんて妬いてないだろ!』
:09/03/31 02:35
:W53S
:8Ogj.9.M
#62 [鼻]
リ『私は皆の事が大好きよ』
リリィがそう言うと、ベルとベベは嬉しそうに笑い、ベガは恥ずかしくてそっぽを向いた。
リリィとケルベロスが出会ってから、もう10年が経っていた。
リリィの体は18歳で歳を取る事をやめた。
これから先も歳を取る事はない。
リリィはこれから先も、ずっとずっと、こんな幸せな日々が続くと思っていた。
:09/03/31 02:39
:W53S
:8Ogj.9.M
#63 [鼻]
幸せな日々は500年続いた。
長いようで、あっという間な500年だった。
一緒にご飯を食べて、魔法を使って遊んで、一緒に眠って。
ある日、そんな幸せな日々を壊す事件が起きた。
:09/03/31 20:45
:W53S
:8Ogj.9.M
#64 [鼻]
その日もいつもと変わらず、ご飯を食べて、魔法で遊んでいた。
しかし、その日はいつも通りではなかった。
リリィが魔法で遊んでいると、昼寝をしていたはずのケルベロスが突然起き上がって唸り出した。
ガルルルルゥー
リ『どうしたの?』
ベガ『何かがいる』
ベル『この森の生き物じゃないわ』
ベベ『もしかして人間…?』
:09/04/01 01:45
:W53S
:lhx0HQHQ
#65 [鼻]
ガサガサ
ガサガサ…
リ『!?』
?『やっと人に会えた〜
森に入ったら迷っちゃって』
現れたのは人間の男だった。
リ『今すぐこの森から出ていけ!』
リリィは物凄い剣幕で怒鳴った。
?『いや、あの…
出たくても出られなくて…って、えっ?犬?頭がみっつ?!
ば、化け物だ〜』
:09/04/01 19:42
:W53S
:lhx0HQHQ
#66 [鼻]
そう言って男は気絶した。
ベガ『こいつ喰っていい?』
リ『ダメ!人間なんか食べたら血が汚れてしまうわ』
ベル『じゃぁどうするの?』
リ『どうしましょう…』
:09/04/01 19:44
:W53S
:lhx0HQHQ
#67 [鼻]
ベベ『とりあえず目を覚ますまで待って、リリィの魔法で妖精を呼び出して森の出口まで送らせればいいんじゃないかなぁ…』
リ『そうね、そうしましょう。
早く起きてくれないかしら。
人間なんて見たくもないわ』
そう言うとリリィは小屋の中へと入っていった。
:09/04/01 21:44
:W53S
:lhx0HQHQ
#68 [鼻]
ベル『あんなリリィ初めて見たわ』
ベガ『あぁ…』
ベベ『水でもかけて起こしてさっさと出て行ってもらう…?』
ベル『いいアイディアね!』
3匹はバケツに水をくみ、人間に水をかけた。
:09/04/01 21:46
:W53S
:lhx0HQHQ
#69 [鼻]
?『…ぶふぁっ!
あれ?俺どうしてこんなとこで寝てるんだっけ?
確か女の子がいて…
あっ、化け物がいたんだ!』
ベル『化け物化け物って失礼ね』
ベルがそう言うと、男はケルベロスの存在に気付いた。
?『うわぁ!
お願いだから食べないで下さい。
俺なんかガリガリだし食べても美味しくないから…』
ベガ『頼まれても食わないから大丈夫だ。
少しここで待ってろ』
:09/04/01 21:50
:W53S
:lhx0HQHQ
#70 [鼻]
そう言ってケルベロスはリリィを呼びに行った。
リ『早いお目覚めね』
ベガ『俺たちが水をぶっかけたからな』
リ『そうなの?
ありがとうベガ、ベル、ベベ。
妖精を呼び出して早急に帰って頂きましょう』
?『えっ?ちょっと待ってよ!
何がなんだか全然わからないんだけど…』
:09/04/01 23:23
:W53S
:lhx0HQHQ
#71 [鼻]
リ『わからなくて結構。
あなたをこの森から出してあげるわ』
?『森から出られるのは嬉しいけど、どうやって?』
リリィは人間の言葉を無視して、呪文を唱え始めた。
リ『水よ花よ土よ風よ
我の願いを聞き、姿を現せ』
:09/04/01 23:26
:W53S
:lhx0HQHQ
#72 [鼻]
リリィが呪文を唱えると、辺り一面眩い光に包まれた。
妖精『はぁい☆
リリィ久しぶりね☆
今日はなんの用かしら?』
リ『久しぶり。
お願いがあるんだけど、この人間を森の外に出して欲しいの』
そう言ってリリィは人間を指差した。
?『えっ?今何が起こったの?
手品?魔法?ドッキリ?』
:09/04/02 01:43
:W53S
:u2cSVWK.
#73 [鼻]
妖精『なんだか面倒くさそうな生き物ね☆』
リ『そうなの。
お願い聞いてくれるかしら?』
妖精『リリィのお願いなら聞いてあげるわ☆』
リ『ありがとう。
今度またパンケーキをご馳走するわね』
妖精『はいはーい☆』
:09/04/02 01:45
:W53S
:u2cSVWK.
#74 [鼻]
リ『そう言う事だから、この子について行ってね。
そしてもう二度とこの森には入らないで』
?『そう言う事ってどういう事だよ!
説明してくれよ!』
ベガ『そのちんちくりんな妖精についてけば森から出られるって事だよ。
人間って馬鹿なんだな』
?『馬鹿とは失礼な!』
:09/04/02 01:48
:W53S
:u2cSVWK.
#75 [鼻]
妖精『はいはーい☆
お話はそこまでにしてそろそろ行きましょう☆』
そう言って妖精は進み出した。
リ『あの子について行かなきゃもう二度とこの森から出られないわよ』
?『わ、わかったよ!
助けてくれてありがとう。
じゃぁな』
そう言って人間は妖精と森の奥へと消えていった。
:09/04/02 01:50
:W53S
:u2cSVWK.
#76 [鼻]
リ『ふぅ…やっと行ってくれたわね。
まさかこの森に入ってくる人間がいるとは思わなかったわ』
ベル『リリィ…大丈夫?』
リ『大丈夫よ』
リリィはそう言ってニコリと笑った。
:09/04/02 02:08
:W53S
:u2cSVWK.
#77 [鼻]
しばらくすると、妖精が帰ってきた。
妖精『ただいまー☆
しっかり森の外まで送り届けてきたわよ☆』
リ『こんな事で呼び出してごめんね。
ありがとう』
妖精『お安い御用よ☆
でもあの人間森から出るまで質問攻めでうるさかったわー☆』
リ『質問攻め?』
:09/04/02 13:14
:W53S
:u2cSVWK.
#78 [鼻]
妖精『うん☆あの子はなんなんだとか、あの化け物はなんなんだとか、お前は本当に妖精なのかとか☆』
リ『だから人間は嫌いよ。
平気で人の世界に踏み込んでくる…』
リリィはそう言うと、下を向いて微かに震えていた。
ベル『リリィ…』
ベルは心配そうに声を掛ける。
:09/04/02 13:17
:W53S
:u2cSVWK.
#79 [鼻]
するとリリィは、顔を上げて『大丈夫』と悲しげに笑った。
妖精『じゃぁ私はそろそろ帰るね☆
また呼んでねー☆』
妖精はそう言うと、ポンっと音を立てて消えた。
:09/04/02 13:20
:W53S
:u2cSVWK.
#80 [鼻]
その日の夜。
リ『なんだか今日は疲れたわ。
早く寝て嫌な事は忘れましょう…』
ベル『そうね、それがいいわ』
ベベ『ずっと僕らが傍にいるからね』
ベガ『今日は一緒に寝ても文句言わないでやる』
リ『ふふ。ありがとう
ベル、ベガ、ベベ、おやすみなさい』
:09/04/02 13:59
:W53S
:u2cSVWK.
#81 [鼻]
3匹『おやすみ』
そしてリリィ達は眠りについた。
明け方、リリィはケルベロスの唸り声で目を覚ました。
リ『どうしたの…?』
ベガ『昨日の人間の匂いがする』
リ『…えっ?』
:09/04/02 14:07
:W53S
:u2cSVWK.
#82 [鼻]
リリィは急いで犬小屋の外へ出た。
?『や、やぁ。また来ちゃった』
男は笑いながらそう言った。
リ『二度とこの森には入らないでって言ったのに…』
?『いや、そのつもりだったんだけど、君の事が気になってね。
あっ、僕の名前はルーイ。
君はリリィだよね?』
:09/04/02 14:11
:W53S
:u2cSVWK.
#83 [鼻]
リ『私は貴方なんかに興味ないわ。
気安く名前を呼ばないで!』
ル『酷い言われ様だなぁ…
どうしてそこまで僕を嫌うの?』
リ『貴方が嫌いなんじゃない。
人間が嫌いなの』
ル『君だって人間だろ?』
:09/04/02 14:14
:W53S
:u2cSVWK.
#84 [鼻]
リ『私は人間じゃない!』
リリィが怒鳴ると、ケルベロスがリリィに寄り添ってきた。
ベガ『おい、小僧。
これ以上リリィを傷付けるとお前を噛み殺すぞ』
ル『僕は傷付けてるつもりはない!』
ベル『リリィは人間が嫌いなの。
貴方がいるだけでリリィは傷付くわ』
:09/04/02 14:16
:W53S
:u2cSVWK.
#85 [鼻]
ル『どうして人間が嫌いなの?
さっき人間じゃないって言ったけど、じゃぁなんなの?』
ベベ『リリィの両親は人間に殺された。
魔女裁判と言う名の拷問に掛けられてね。』
ル『えっ、でも魔女裁判があったのは何百年も前の話だろ?』
:09/04/02 14:20
:W53S
:u2cSVWK.
#86 [鼻]
リ『魔女はいくら歳を取っても死なない。
ずっと若くて美しいままの姿だってお母さんが教えてくれたわ。
私はもう500年生きているの』
ル『し、信じられないよ!』
リ『信じてもらう必要なんてないわ。
そもそも貴方にこんな話をする必要はなかったわね』
:09/04/02 14:23
:W53S
:u2cSVWK.
#87 [鼻]
ベガ『話は済んだだろ。
もう帰れ』
ベガがそう言うと、リリィとケルベロスはルーイに背を向けた。
ル『ちょ、ちょっと待ってよ!』
リ『まだ何か用があるの?』
リリィは冷たく言った。
ル『いや、あの…
まだ君が魔女だって信じられないけど、人間が嫌いだって言うのはよくわかった』
:09/04/02 15:10
:W53S
:u2cSVWK.
#88 [鼻]
リ『そう。じゃぁもう帰って?』
ル『でも僕は君と友達になりたい!』
リ『私はなりたくないわ』
ル『僕は君の嫌いな人間だけど、君が嫌っている人間とは違うから!
だから少しでも心を許してくれるまで僕はここに通うよ!』
リ『迷惑よ』
そう言ってリリィはケルベロスと一緒に犬小屋へ戻って行った。
:09/04/02 15:13
:W53S
:u2cSVWK.
#89 [鼻]
リリィとケルベロスは何時間も無言のまま、寄り添っていた。
気が付くと外はすっかり明るくなり、高い所まで太陽が昇っていた。
リ『あ、ご飯作らなきゃ…
お腹空いたでしょ?』
ベル『ちょっとね』
ベガ『ちょっとな』
ベベ『うん、ちょっと』
そう言うと少し笑った。
:09/04/03 11:05
:W53S
:yoPToFxg
#90 [鼻]
外に出るとまだルーイはいた。
でも何かを真剣に考えている様で、リリィとケルベロスの存在には気付いてなかった。
リリィは自分の小屋に戻り、ご飯を作り始めた。
大きな鍋に大量のスープを作り、大量のチキンを焼いた。
:09/04/03 11:07
:W53S
:yoPToFxg
#91 [鼻]
料理が出来ると、リリィは何回かに分けて料理を外に運んだ。
リ『あなた達は沢山食べるから作るのも運ぶのも大変よ』
リリィはそう言いながら笑った。
すると、ルーイが声を掛けてきた。
ル『笑った顔可愛いね!』
リリィはそれを無視して料理を運ぶ。
:09/04/03 11:10
:W53S
:yoPToFxg
#92 [鼻]
無視されたルーイは、少し悲しそうな顔をした。
リ『じゃぁご飯食べましょうか』
ベガ『いつもチキンだな』
リ『文句言うなら食べなくていいのよ?』
ベル『あたしチキン好きよ』
ベベ『僕も好き』
ベガ『俺も好きだから食べさせて頂きます…』
:09/04/03 11:15
:W53S
:yoPToFxg
#93 [鼻]
リ『よろしい。
じゃぁ頂きます』
3匹『いただきまーす』
ル『ぶっ…はははははっ』
リリィとケルベロスのやり取りを見ていたルーイは、突然笑い出した。
ベガ『小僧、何が可笑しい』
:09/04/03 11:50
:W53S
:yoPToFxg
#94 [鼻]
ル『いや、だって…ぶはっ
君強そうなのにその子には逆らえないみたいだから…ぷっ
なんだか可笑しくて…』
ルーイは笑いながらそう言った。
ベガ『小僧、噛み殺されたいのか?』
ル『いえいえ!滅相もない!』
ルーイは顔を青くして真顔で首を横に振った。
:09/04/03 15:36
:W53S
:yoPToFxg
#95 [鼻]
リ『ベガ!』
リリィはご飯を食べながら怒鳴った。
ベガ『ごめんなさい…』
ベガはしょんぼりしながらまたご飯を食べ始めた。
ル『ごめんね?調子に乗っちゃったよね?』
それでもリリィはルーイを無視し続ける。
:09/04/03 15:38
:W53S
:yoPToFxg
#96 [鼻]
リ『我、静寂を願う』
ベル『あーあ。
リリィを本気で怒らせちゃったわね』
ル『…!?』
ベル『喋りたくても声が出ないでしょ?
リリィが貴方に声が出せなくなる魔法をかけたの』
ル『!?』
ルーイは喋ろうとするが、どんなに頑張っても声が出ない。
ベル『まぁ、気が向いたら魔法解いてくれるんじゃないかしら?』
そう言ってベルはまたご飯を食べ始めた。
:09/04/03 15:42
:W53S
:yoPToFxg
#97 [鼻]
そしてリリィ達はご飯を食べ終わり、片付けをしてベンチに座って読書を始めた。
ルーイはジェスチャーで元に戻して欲しいと訴えたが、リリィは完全に無視した。
しばらくするとリリィは立ち上がり、小屋の中へ入っていった。
ベベ『今日のおやつは何かなぁ?』
ベル『ベベは本当に食いしん坊ね』
:09/04/03 15:52
:W53S
:yoPToFxg
#98 [鼻]
べべ『だってリリィが作るおやつ美味しいんだもん!』
ベル『確かに美味しいけど、ベベが食べるとあたしまで太っちゃうのよ』
ベベ『大丈夫。
ベルは太っても可愛いから』
ベル『真顔で恥ずかしい事言わないでよ!』
:09/04/03 16:26
:W53S
:yoPToFxg
#99 [鼻]
ベベ『照れてるね』
ベベはそう言うとクスッと笑った。
ぐぅ〜
ベル『ん?』
ぐぅ〜う
ベガ『あいつの腹の音だな』
ベガはそう言ってルーイの方を見た。
:09/04/03 16:30
:W53S
:yoPToFxg
#100 [鼻]
ベル『そう言えば朝から居るもんね』
ベベ『ねぇ、可哀想だからコッソリおやつあげない?』
ベガ『あんな奴飢えて死んだ方がいいんだよ』
ベベ『でも僕らもうすぐ…』
ベル『それは言わない約束でしょ!』
:09/04/03 16:32
:W53S
:yoPToFxg
#101 [鼻]
ベベ『でもこのままじゃリリィに寂しい思いをさせちゃうよ…』
ベガ『だからってリリィとあいつをくっつけるのか?』
ベベ『それしかないかなって…』
ベル『リリィは人間が嫌いなのよ?
絶対に無理よ』
:09/04/03 16:34
:W53S
:yoPToFxg
#102 [鼻]
ル『??』
ルーイは3匹の会話をよくわからないという顔で聞いていた。
リ『さぁ、おやつが出来たわよ。
今日はアップルパイを作ったわ』
ベベ『わぁい』
:09/04/03 16:37
:W53S
:yoPToFxg
#103 [鼻]
ケルベロスは何もなかったかの様にリリィの傍に駆け寄った。
リ『あ、ミルクを忘れたから取ってくるわね』
そう言ってリリィが居なくなると、またベル達は話始めた。
ベル『あの人間に託すしかないのかしら…?』
ベベ『頼りなさそうだけどね…』
ベガ『俺はまだ賛成してないぞ』
:09/04/03 22:30
:W53S
:yoPToFxg
#104 [鼻]
そんな会話をしているとリリィが戻って来て、ケルベロスはまた何もなかったかの様にリリィとアップルパイを食べ始めた。
ベベ『今日のおやつも美味しいね♪』
リ『あら、ありがとう』
ベベ『あっ!あれなんだろう?
なんか空を飛んでる!』
リ『えっ?どこ?』
ベベはリリィが空を見上げている隙に、アップルパイを一切れ隠した。
:09/04/03 22:35
:W53S
:yoPToFxg
#105 [鼻]
ベベ『ごめんごめん。
気のせいだったみたい』
リ『ベベったらそそっかしいのね』
ベベ『最近目が悪くなったみたいでね』
ベベはそう言って笑った。
アップルパイを食べ終わると、リリィは洗い物をしに小屋に戻った。
:09/04/03 22:38
:W53S
:yoPToFxg
#106 [鼻]
ベベ『ほら、これ食べなよ』
ベベはそう言ってルーイにアップルパイをあげた。
ルーイは嬉しそうにアップルパイを頬張って、ペコリとお辞儀した。
ベベ『君はリリィの事が好きなの?』
ベベの突然な質問に、ルーイは驚いてむせた。
そして顔を真っ赤にして頷いた。
:09/04/03 22:41
:W53S
:yoPToFxg
#107 [鼻]
ベベ『まぁ、両想いになる可能性は低いけど、頑張ってよ』
ベガ『俺はまだ認めてないけどな』
ベル『はいはい。
ベガはリリィを他の奴に取られるのが嫌なだけでしょ』
そう言ってケルベロスはルーイから離れた。
:09/04/03 22:43
:W53S
:yoPToFxg
#108 [我輩は匿名である]
面白いですね

!!
更新楽しみにしてます

頑張ってください


:09/04/04 00:19
:P903i
:VxMvU20.
#109 [鼻]
匿名さん
感想ありがとうございます(゚Д゚)
頑張ります(゚Д゚)♪
:09/04/04 00:33
:W53S
:VIQArbXc
#110 [鼻]
>>107リリィ達は夜になるとご飯を食べて、外で焚き火をしながらのんびりとした時間を過ごした。
そして眠くなると焚き火を消し、犬小屋で眠りについた。
:09/04/04 00:47
:W53S
:VIQArbXc
#111 [鼻]
次の日も、そのまた次の日も、ルーイは居た。
通うと言っていたけど、まるでずっとそこに居るようだった。
リ『我、汝の音を許す』
リリィはルーイが寝ている間にルーイに掛けた魔法を解いてあげた。
リリィの中で、少しだけ何かが変わってきていた。
:09/04/04 00:57
:W53S
:VIQArbXc
#112 [鼻]
ル『ふぁ〜あ。
…あれ?声が出る!』
ベル『貴方が寝ている間にリリィが魔法を解いてくれたのよ。』
ル『じゃぁお礼を言わなきゃだね!』
ベル『魔法を掛けられて一度は言葉を失ったんだからお礼より恨みなんじゃないの?』
ル『魔法を解いてくれたって事は少しは心を許してくれたって事だからお礼!』
ベル『貴方って本当にポジティブなのね』
:09/04/04 02:47
:W53S
:VIQArbXc
#113 [鼻]
ベルは呆れて笑った。
ル『あれ…?
なんか視界が霞んで見え…』
ルーイはそう言うと、倒れ込んだ。
ベル『大変!』
ベガ『無理して毎日こんな場所で寝てるから倒れるんだ』
ベベ『リリィを呼びに行こうよ!』
:09/04/04 02:52
:W53S
:VIQArbXc
#114 [鼻]
ベベ『リリィ!リリィ!』
リ『そんなに騒いでどうしたの?』
ベル『人間が倒れたわ!』
ベガ『ほっとけばそのうち死ぬぞ』
ベル『なんであんたはそんなに意地の悪い事ばっかり言うの?!』
ベガ『だってリリィは人間が嫌いだろ?』
:09/04/04 02:55
:W53S
:VIQArbXc
#115 [鼻]
ベベ『喧嘩してる場合じゃないよ!
リリィ、お願いだから助けてあげて…?』
リ『…わかったわ。
とりあえずベットに運びましょう』
そう言うとリリィはルーイに駆け寄った。
:09/04/04 02:57
:W53S
:VIQArbXc
#116 [鼻]
ルーイは高熱を出していて、危険な感じだった。
ルーイは時々うわ言の様に同じ言葉を繰り返す。
『と…もだ…ち…に…』
リリィは一生懸命看病をした。
魔法を使えば一発で治ると思うが、病気を治す魔法は存在しなかった。
:09/04/04 03:02
:W53S
:VIQArbXc
#117 [鼻]
薬草で熱を下げる薬を作り、飲ませる。
このくらいしか方法はなかった。
ルーイの高熱は3日間続いた。
リリィはルーイの熱が下がった事を確認すると、疲れが一気に来て、ベットに寄り掛かって眠ってしまった。
:09/04/04 12:18
:W53S
:VIQArbXc
#118 [鼻]
ル『んー…
あれ…?僕どうしたんだっけ…?
確かでかい犬と話してたら急に……!?』
そこまで言うと、ルーイはベベに寄り掛かって眠っているリリィに気が付いた。
ル『もしかして看病してくれたとか…?』
:09/04/04 20:15
:W53S
:VIQArbXc
#119 [鼻]
ミス
×ベベ
○ベット
すみませんm(__)m
:09/04/04 20:15
:W53S
:VIQArbXc
#120 [鼻]
ルーイはリリィを起こさない様に、そっとベットから降りた。
そして静かにドアを開けて外へ出た。
外へ出ると、横になっていたケルベロスが起き上がってルーイに声を掛けた。
ベガ『おい、小僧。
やっと起きたのか』
ル『僕どうしちゃったの?』
:09/04/04 20:19
:W53S
:VIQArbXc
#121 [鼻]
ベル『貴方は急に倒れたのよ。
高熱でうなされて3日寝込んでたの』
ル『3日も?!』
ベベ『3日間ずっとリリィが付きっきりで看病してくれたんだよ』
ル『本当に??』
ベベ『うん』
:09/04/04 20:21
:W53S
:VIQArbXc
#122 [鼻]
ル『でもあの子は人間が嫌いなんじゃ…』
ベベ『リリィは人間が嫌いだよ。
だから僕が看病してあげてってお願いしたんだ。
でも本当に君の事が嫌いならきっとほったらかしにして見殺しにしてたよ』
ル『…』
ベル『貴方にお願いがあるの』
ル『お願い?』
:09/04/04 20:24
:W53S
:VIQArbXc
#123 [鼻]
ベル『そう。あたし達の命はもう長くないの。
ケルベロスの寿命は500〜600年。
あたし達はもう579歳。
あたし達が死んだらリリィは悲しんで塞ぎ込んでしまうと思うの。
だからあたし達が居なくなっても笑っていられる様に、貴方がリリィの傍に居てあげて』
:09/04/04 20:29
:W53S
:VIQArbXc
#124 [鼻]
ル『その事は知って…?』
ベベ『リリィは知らないよ。
自分と同じで僕らの命も永遠だと思ってるから。
寿命があるなんて言えなくなったんだ。
リリィが寂しそうな顔をして「ずっと一緒だよね?」なんて聞くから。』
:09/04/04 20:32
:W53S
:VIQArbXc
#125 [鼻]
ベル『だからお願い。
本当にリリィを愛しているなら、あの子を支えてあげて』
ル『でもあの子は僕を受け入れてくれるかな…?』
ベル『少し時間が掛かるかもしれないわね。
でも貴方が諦めなければきっと受け入れてくれるわ。
リリィは素直で優しくて純粋な子だから』
:09/04/04 20:35
:W53S
:VIQArbXc
#126 [鼻]
ル『頑張ってみるよ』
ルーイはそう言って少し笑った。
ベガ『ふんっ
人間なんて薄情な生き物だからな。
いつ飽きて居なくなるかわかったもんじゃない』
ベル『いい加減にしなさいよ!
いつまでもグチグチグチグチ…!
あんたも男ならリリィの幸せを願ってあげなさいよ!』
ベガ『は、はい…』
初めてキレたベルに驚いてベガは素直に返事をした。
:09/04/04 20:41
:W53S
:VIQArbXc
#127 [鼻]
ル『みんなあの子が凄く大事なんだね』
ルーイがそう言った時、小屋のドアが開いた。
キィー
振り返ると、リリィが眠そうな顔でこっちを見ていた。
ル『おはよう!
ずっと看病してくれてたんだってね!
ありがとう!もうすっかり元気になったよ』
:09/04/04 20:44
:W53S
:VIQArbXc
#128 [鼻]
ルーイはそう言ってリリィに満面の笑みを向ける。
するとリリィは下を向いた。
ル『あれ…?僕また何かやらかした?』
ルーイがケルベロスにそう聞くと、ケルベロスもわからないと言う顔をした。
:09/04/04 20:46
:W53S
:VIQArbXc
#129 [鼻]
ぐぅ〜う
ル『あはは
ずっと寝たきりで何も食べてなかったからお腹空いちゃったみたい』
ルーイは恥ずかしそうに笑った。
するとリリィはまた小屋の中へ戻って行った。
:09/04/05 03:09
:W53S
:QpWaKJ6c
#130 [鼻]
ル『やっぱり僕嫌われてる…?』
ルーイは肩を落とす。
ベル『頑張るって言ったんだからこんなところで諦めないでよね?』
ル『わかってるよ
わかってるけど…やっぱりあの反応は傷付くよね』
ルーイが落ち込んでいると、リリィが戻ってきた。
:09/04/05 03:12
:W53S
:QpWaKJ6c
#131 [鼻]
戻ってきたリリィは温かいスープを持っていた。
リ『これ…』
ル『僕に…?』
リリィはコクンと頷く。
ル『ありがとう!』
そう言ってルーイはベンチに座ってスープを飲み始めた。
:09/04/05 03:20
:W53S
:QpWaKJ6c
#132 [鼻]
ベル『どうしちゃったの?』
リ『何が?』
ベル『人間嫌いのリリィが人間に食べ物をあげてるから』
リ『深い意味はないわ』
ベル『ふ〜ん』
ベルはリリィに疑いの眼差しを向けた。
:09/04/06 00:42
:W53S
:bihu0Sm2
#133 [鼻]
リ『なんでもないってば!』
ベル『ムキになっちゃって』
ベルはそう言ってクスッと笑った。
リリィはムスッとした顔をして小屋へ戻って行った。
:09/04/06 00:44
:W53S
:bihu0Sm2
#134 [鼻]
ベベ『あんまりリリィをいじめるのはやめなよ』
ベル『だって素直じゃないんだもん!』
ベベ『でもあれじゃ逆効果かもしれないよ?』
ベル『あたしはいつも素直なリリィに今回も素直になって欲しいだけよ!』
ベルはそう言ってそっぽを向いた。
:09/04/06 00:46
:W53S
:bihu0Sm2
#135 [鼻]
ル『ふぅ。お腹いっぱいだぁ!
って、あれ?
なんか険悪なムード…?』
空気の読めないルーイが口を開いた。
ベル『リリィは小屋に戻ったからお皿返しに行ってきなさい!』
ル『あっ、はい』
ルーイはまだ少しフラフラな足取りで小屋の中へ入って行った。
:09/04/06 01:00
:W53S
:bihu0Sm2
#136 [鼻]
ルーイが小屋に入ると、リリィは椅子に座ってテーブルに顔を伏せていた。
ル『あの…』
ルーイが声を掛けると、一瞬リリィの体がビクッとなって、勢いよく顔を上げた。
ル『驚かせてごめん…
これお皿…
スープ美味しかったよ』
そう言ってお皿をリリィに渡した。
:09/04/06 01:09
:W53S
:bihu0Sm2
#137 [鼻]
リリィはお皿を受け取ると、すぐにキッチンに向かった。
ル『あのっ!』
リリィはルーイの呼び掛けで立ち止まる。
ル『友達になってもらえないかな?』
リ『…』
リリィはルーイに背を向けたまま、何も答えなかった。
:09/04/07 14:07
:W53S
:rHmEKszU
#138 [鼻]
ル『君の事が好きなんだ!』
思いもよらぬルーイの告白に、リリィは振り返った。
ル『あっ…いや、その…
今のは違くて…いや、違わないけど…』
ルーイは言うつもりのなかった言葉を言ってしまって、もごもごと言い訳をした。
:09/04/07 14:09
:W53S
:rHmEKszU
#139 [鼻]
そんなルーイをリリィはきょとんとした顔で見つめる。
ル『えっと…一目惚れだったんだ。
初めて会った時、君は凄い剣幕で僕を追い返したけど、帰ってからもどうしても君の事が頭から離れなくて、気が付いたら戻ってきていたんだ。
君が人間嫌いなのは知ってる。
でもそれでも仲良くなりたい。
一緒に居たいんだ!』
:09/04/07 14:15
:W53S
:rHmEKszU
#140 [鼻]
リリィは無言のままルーイを見つめていた。
ル『やっ、やっぱり無理だよね!
変な事言ってごめん』
ルーイがそう言ってリリィに背を向けると、リリィはやっと口を開いた。
リ『友…達…なら…』
ル『えっ?』
今にも消えてしまいそうなリリィの声に、ルーイは思わず振り返って聞き直した。
:09/04/08 12:55
:W53S
:cthgdVtg
#141 [鼻]
リ『友達なら…』
そう言って顔を真っ赤にしているリリィを見て、ルーイは突然外へ飛び出した。
ル『やったー!』
ルーイはそう大きな声で叫ぶと、ケルベロスに抱き付いた。
ベル『どうしたの?』
ル『友達になってくれるって!』
ベル『良かったじゃない!
随分進歩したわね』
そう言ってベルも喜んだ。
:09/04/08 12:59
:W53S
:cthgdVtg
#142 [鼻]
それからは毎日一緒に居た。
お互いの事を語り合って、一緒にご飯を食べて、一緒に魔法で遊んで、一緒に眠った。
時が経つのは早くて、気が付けば5年の歳月が流れていた。
:09/04/11 11:25
:W53S
:rpZsOVCo
#143 [鼻]
リ『これからご飯作るから外であの子達と遊んでてちょうだい』
リリィはルーイに笑顔でそう言った。
ル『はーい!』
:09/04/17 01:13
:W53S
:LsuOox0g
#144 [鼻]
いつの間にかリリィとルーイはとても仲良くなり、一緒に居るのが当たり前になっていた。
ベル『もう心配ないわね』
ベベ『そうだね。でもリリィの悲しい顔は見たくないな…』
ベガ『まぁ…あいつに任せるしかないだろう…』
:09/04/17 01:17
:W53S
:LsuOox0g
#145 [鼻]
ル『また暗い話してるの?
リリィが聞いたら大変な事になるぞ!』
ベガ『偉そうに』
ベガがムッとした顔で呟いた。
ベル『そうね…』
ル『そんな話をするより1日も長く生きる事を考えなよ!』
ベベ『出会った頃はあんなに弱気だったのに、今じゃ別人だね』
:09/04/23 23:52
:W53S
:wymVTq0E
#146 [鼻]
ル『まぁ、僕がしっかりしなきゃだからね!』
ベル『まだまだ頼りないけどね』
そう言って皆で笑った。
リ『楽しそうね。なんの話?』
ル『うわぁ!ビックリしたぁ…』
リ『失礼ね!』
ル『だっていきなり後ろから声掛けるから…』
そう言ってまた皆で笑った。
:09/04/23 23:54
:W53S
:wymVTq0E
#147 [鼻]
そんな感じで、幸せな日々は数日続いた。
しかしある日。
ルーイはリリィの声で目を覚ました。
リ『ベル?ベガ?ベベ?
ねぇ、どうしたの?』
:09/04/28 00:52
:W53S
:kDP.d62w
#148 [鼻]
ルーイがリリィの所へ行くと、ケルベロスがぐったりしている姿が見えた。
ル『リリィ…』
ルーイが声を掛けると、リリィは今にも泣きそうな顔をしてルーイを見た。
リ『ねぇ、なんだか様子が変なの!
苦しそうで…』
ル『リリィ、よく聞いて?』
リ『…?』
:09/04/28 00:59
:W53S
:kDP.d62w
#149 [鼻]
ル『…ケルベロスの寿命は500〜600歳らしいんだ。
今彼らは584歳。
もう…』
リ『そんなの嘘よ!』
リリィはルーイの話を聞こうとせず、涙を流しながらケルベロスに抱き付いた。
リ『ねぇ…少し体調が悪いだけよね…?
ルーイったら酷い事を言うのよ…』
:09/04/28 01:07
:W53S
:kDP.d62w
#150 [鼻]
リリィはケルベロスに話し掛けるが、ケルベロスはただ途切れ途切れに呼吸をするだけで返事をしなかった。
そんなリリィとケルベロスを見て、ルーイは怒鳴った。
ル『…もう寿命なんだよ!
彼らはリリィの為にここまで頑張って生きてきたんだよ!
リリィがそんなんじゃ彼らは苦しくても頑張り続ける…』
:09/04/28 01:11
:W53S
:kDP.d62w
#151 [鼻]
リリィは一瞬ビクッとなったが、無言のままケルベロスに抱き付いていた。
ル『ねぇ、リリィ?
リリィはケルベロスの事が大好きだよね?
彼らも同じくらいリリィの事が大好きなんだよ。
辛いのはわかるけど、リリィがそんなんじゃ彼らは安心して逝けないよ…?』
:09/04/28 01:29
:W53S
:kDP.d62w
#152 [リコ]
この小説一番面白いです♪続き楽しみにしてます。
:09/04/28 20:13
:N904i
:☆☆☆
#153 [鼻]
リコさん
ありがとうございます(^-^)
亀ですみませんm(__)m
:09/05/08 01:53
:W53S
:YrZrbH2A
#154 [鼻]
>>151リ『わかってる!わかってるけど…いきなり過ぎて混乱してる…』
ベル『リリィ…そんなに悲しい顔しないで…』
ベベ『ごめんねリリィ…』
ベガ『俺たちはまだ大丈夫だから』
ケルベロスは苦しそうにそう言った。
:09/05/08 01:56
:W53S
:YrZrbH2A
#155 [みぃ
]
:09/05/20 17:23
:SO905iCS
:jxNTYx/A
#156 [鼻]
みぃさん
ありがとうございます(^-^)
:09/05/23 01:33
:W53S
:IvUnyA/c
#157 [鼻]
ル『とりあえず、何か少しでも食べられる物をあげよう。
何も食べないと余計に弱ってしまうから…』
リ『そうね…スープを作ってくるわ。
後、少しでも苦しさを和らげる薬草も持ってくるわね』
そう言ってリリィは小屋へ戻った。
:09/05/23 01:38
:W53S
:IvUnyA/c
#158 [鼻]
ル『ねぇ、後どれくらい生きられるかわかる…?』
ベル『たぶん…頑張っても1ヶ月程度だと思うわ…』
ル『そっか…』
ベベ『…最後の最後まで頑張るから、別れの時は…リリィをお願いね…』
:09/05/23 01:41
:W53S
:IvUnyA/c
#159 [鼻]
ル『わかってる』
そう言ってルーイはケルベロスの体を撫でた。
しばらくすると、リリィがスープと薬草を持ってきた。
リ『さぁ、飲んで』
:09/05/23 01:45
:W53S
:IvUnyA/c
#160 [鼻]
リリィがそう言うと、ケルベロスはゆっくり起き上がり、長い時間を掛けてスープを飲み干した。
それから二人は毎日ケルベロスの看病に励んだ。
どんなに苦しそうなケルベロスを見ても、リリィは悲しそうな顔も、涙も見せなかった。
:09/05/23 01:48
:W53S
:IvUnyA/c
#161 [鼻]
1週間程すると、ケルベロスは自分で歩けるまでに回復していた。
まるで死期が近付いているとは思えない程、元気だった。
それから2週間程、前と変わらぬ生活を送っていた。
色んな話をして、のんびりと過ごす。
前と違う事と言えば、リリィがケルベロスの体調を気にするくらいだった。
:09/05/28 00:41
:W53S
:NCDB59Oc
#162 [鼻]
しかしその日は突然やってきた。
リリィがアップルパイを焼いている時、外でドサッという音が聞こえた。
急いで見に行ってみると、そこには苦しそうに横たわるケルベロスがいた。
:09/05/28 00:42
:W53S
:NCDB59Oc
#163 [鼻]
リリィは震える足を必死に動かし、ケルベロスの元へ駆け寄った。
ベベ『リリィ…ごめん…ね…』
ベル『…もう…お別れみたい…』
ベガ『そん…な悲しそうな顔…するなよ…』
:09/05/28 00:45
:W53S
:NCDB59Oc
#164 [鼻]
息も絶え絶えに喋るケルベロスを見て、リリィは泣くのを堪えた。
リ『ごめんね…
今までずっと一緒に居てくれてありがとう。
今もこれからも…ずっとずっと大好きよ』
リリィがそう言うと、ケルベロスは消えそうな声で言った。
ベベ『僕も』
ベル『あたしも』
ベガ『俺も』
:09/05/28 00:52
:W53S
:NCDB59Oc
#165 [鼻]
リリィは『ふふっ』と笑ってケルベロスを撫でた。
ル『リリィは僕が守るから…』
ルーイがそう言うと、ベルが『頼りないけどね』と言って笑った。
:09/05/28 00:53
:W53S
:NCDB59Oc
#166 [鼻]
すると突然、ケルベロスが苦しみだした。
ケ『うっ…あぁ…』
リ『ど、どうしたの!?』
ケルベロスはリリィの問い掛けにも答えず、苦しそうに時々声を漏らすだけだった。
:09/05/28 16:45
:W53S
:NCDB59Oc
#167 [鼻]
それは1時間近く続いた。
リリィとルーイは何も出来ず、ただ見守る事しか出来なかった。
するとケルベロスに変化が見られた。
段々と苦しみに耐えていた顔が元に戻り、まだ少し荒い呼吸でこう言った。
ベル『リリィ…ケルベロスは死ぬ前に…子供を産むの…』
リ『えっ?子供…?』
ベル『そう…この子があたし達の子供…』
そう言ってケルベロスは方向転換をして、生まれたての子供を舐めた。
:09/05/28 16:52
:W53S
:NCDB59Oc
#168 [鼻]
リ『わぁ!昔のあなた達みたいね!』
リリィはそう言って微笑んだ。
ベル『この子の事をお願いね…』
リ『わかったわ。
立派に育てるから』
リリィがそう言うと、ベル、ベガ、ベベは少し微笑んで、目を閉じた。
:09/05/29 02:48
:W53S
:7wr85QKU
#169 [鼻]
リリィは沢山の涙を流しながら、残されたケルベロスの子供を抱き締めた。
ルーイはそんなリリィにただ寄り添っていた。
ケルベロスの子供は、そんなリリィを見て顔を舐めた。
まるで『泣かないで』と言っている様に。
:09/05/29 02:53
:W53S
:7wr85QKU
#170 [鼻]
リ『泣いてばかりじゃダメよね…』
そう言ってリリィはケルベロスの子供を撫でた。
:09/05/30 01:06
:W53S
:gWuh9m6M
#171 [鼻]
それからリリィとルーイは、ケルベロスを埋葬してあげた。
そして子供にはサラ、サン、サイという名前を付けてあげた。
サラは大人しい女の子。
サンはやんちゃな男の子。
サイは優しい男の子。
:09/05/30 01:11
:W53S
:gWuh9m6M
#172 [鼻]
ルーイはリリィを精一杯支えた。
しかしリリィはルーイの心配を余所に、ケルベロスの子供の世話で忙しく、悲しみに暮れている暇はなかった。
大切な友達が
大切な家族が残してくれた新しい命。
リリィはケルベロスの子供を大事に大事に育てた。
:09/05/30 01:17
:W53S
:gWuh9m6M
#173 [鼻]
それから1年と3ヶ月程経った頃。
ケルベロスの子供との生活にも慣れ、リリィ達は平和に暮らしていた。
そんなある日。
ル『リリィ、今日は僕が夕飯を作るよ!』
リ『あら、突然どうしたの?』
:09/06/01 00:11
:W53S
:k.JB3CE2
#174 [鼻]
リリィは凄く驚いてルーイに聞いた。
ル『…た、たまにはご飯でも作ってあげようと思って』
ルーイは少し動揺しつつ答えた。
リ『…?じゃぁお願いしようかしら』
リリィは不思議そうな顔をしながらそう言った。
:09/06/01 00:14
:W53S
:k.JB3CE2
#175 [鼻]
ル『呼ぶまで絶対小屋の中に入って来ちゃダメだよ!』
リ『どうして?』
ル『見られてると落ち着かないから』
リ『わかったわ。
夕飯楽しみにしてるわね』
リリィはそう言うと外へ行った。
:09/06/01 00:38
:W53S
:k.JB3CE2
#176 [鼻]
ルーイはリリィにプロポーズをするという一大決心をしていた。
断られるかもしれない。
しかしリリィとは違い、ルーイには寿命がある。
だからリリィと結ばれて、リリィが人間になり、共に生き共に老いていきたいと思ったのだ。
:09/06/04 02:16
:W53S
:WMS5e5LM
#177 [鼻]
こっそり街へ行って大きな花束を買ってきた。
料理もこっそり本を読んで勉強した。
全てこの日の為に。
:09/06/04 02:19
:W53S
:WMS5e5LM
#178 [いちご]
:09/06/04 22:32
:SO906i
:☆☆☆
#179 [鼻]
いちごさん
ありがとうございますm(__)m
:09/06/08 15:23
:W53S
:IFpntMJs
#180 [鼻]
ル『できたっ!』
準備が整った頃にはもう外は暗くなっていた。
ルーイは外へ行き、リリィを呼び出した。
ル『リリィ、夕飯ができたよ!』
リ『ずいぶん時間が掛かったのね』
リリィはそう言って笑った。
:09/06/08 15:26
:W53S
:IFpntMJs
#181 [鼻]
ル『初めてなんだから仕方ないじゃないか』
ルーイは少ししょげながら言った。
リ『はいはい。
夕飯を作って頂きありがとうございます』
リリィはまた笑ってそう言った。
:09/06/08 15:29
:W53S
:IFpntMJs
#182 [鼻]
ル『お前達にもご馳走を用意したよ』
ルーイはケルベロスに笑顔で言った。
ケ『やったぁ♪』
ル『あ、そうだ!
リリィ、これをつけて!』
そう言って渡したのは一枚の布。
:09/06/08 15:32
:W53S
:IFpntMJs
#183 [鼻]
リ『これをどうするの…?』
不安そうなリリィにルーイは言った。
ル『ビックリさせたいからそれで目を隠して』
リ『…?』
ル『ほら!早く!』
リリィの不安そうな顔なんてお構い無しに、ルーイはリリィに目隠しをした。
:09/06/08 15:34
:W53S
:IFpntMJs
#184 [鼻]
そしてリリィの手を引っ張って小屋まで連れて行く。
小屋の中はロウソクの明かりだけで薄暗く、目隠しをしてなくてもつまずきそうだった。
ル『さぁ、ここに座って』
そう言ってリリィを椅子に座らせ、自分も椅子に座った。
リ『もう取っていい?』
ル『いいよ』
:09/06/13 09:21
:W53S
:Ehgz0Y66
#185 [鼻]
リ『!!』
リリィは目隠しを取ると驚いた。
そこには想像もしてなかったご馳走が並んでいて、ルーイも魔法が使えるんじゃないかと疑う程だった。
ル『驚いた?』
ルーイは楽しそうに笑う。
リ『凄いわね!』
リリィは目を輝かせて言った。
:09/06/13 09:25
:W53S
:Ehgz0Y66
#186 [鼻]
サン『ねぇ、イチャつくのはいいけど腹減ったよ!』
サラ『あたしも』
サイ『僕も腹ぺこだよ』
ケルベロスに文句を言われ、少しムードがぶち壊しになったが、リリィとルーイは微笑み合って食事を始めた。
:09/06/13 09:27
:W53S
:Ehgz0Y66
#187 [鼻]
リ『…美味しい!』
見た目はいいものの、味は不安で恐る恐る食べたリリィが驚いた顔で言った。
ル『君の為に気持ちを込めて作ったからね』
リリィはルーイの恥ずかしいセリフに顔を赤くしてご馳走を口に運んだ。
サラ『リリィよりも料理上手かもしれないね!』
サン『でも俺はリリィが作った飯のほうがいい』
サイ『僕はどっちも好き』
:09/06/13 09:30
:W53S
:Ehgz0Y66
#188 [鼻]
ケルベロスはルーイの料理を評価しながらガツガツ食べていた。
そんなケルベロスを見てリリィは幸せそうに微笑んだ。
:09/06/13 09:31
:W53S
:Ehgz0Y66
#189 [鼻]
しばらくすると食事も終わり、ケルベロスは外へ出て遊び始めていた。
リ『本当にビックリしたわ!
これからもたまに作ってもらおうかしら』
リリィが笑顔でそう言った。
ル『喜んでもらえて良かったよ。
君にあげたい物があるんだ』
:09/06/13 09:33
:W53S
:Ehgz0Y66
#190 [鼻]
ルーイはそう言うと、部屋の隅に置いておいた花束をリリィに渡した。
リ『わぁ!素敵ね!』
リリィは花束を見て子供みたいにはしゃいだ。
ル『それとこれ…』
ルーイはポケットから指輪を取り出してリリィの前に差し出した。
:09/06/13 09:35
:W53S
:Ehgz0Y66
#191 [鼻]
リ『えっ…?』
リリィは驚いて指輪とルーイを交互に見た。
ル『僕と結婚して欲しいんだ』
ルーイは真っ直ぐにリリィを見て言った。
リ『急にどうしたの…?』
リリィは少し不安そうな顔をして聞いた。
:09/06/13 09:38
:W53S
:Ehgz0Y66
#192 [鼻]
ル『君には寿命がないだろう?
でも僕には寿命がある。
僕は君と一緒に歳を取っていきたいんだ。
子供を沢山作って、いつも笑顔で溢れているような幸せな家庭を君と作りたいんだ。
今も幸せだけど、もっともっと幸せになる為に。
リリィを心から愛してるよ』
ルーイは真っ直ぐにリリィを見つめて静かにそう語った。
:09/06/13 14:15
:W53S
:Ehgz0Y66
#193 [鼻]
リ『えっ…と…あの…』
リリィはルーイの突然のプロポーズに戸惑っていた。
ル『ダメかな…?』
リ『…ルーイの事は大好きよ?
でもそんな風に考えた事なくて…
あの…ごめんなさい…』
:09/06/13 22:43
:W53S
:Ehgz0Y66
#194 [鼻]
ル『そっか…わかった』
ルーイはそう言って悲しそうに微笑んだ。
リ『あの…今まで通りでいられるよね…?』
リリィが不安そうに聞いた。
ル『いや、さすがに今まで通りは無理だよ…
僕はもうここを出て行くね』
:09/06/13 22:46
:W53S
:Ehgz0Y66
#195 [鼻]
ルーイはそう言って、少ない荷物をまとめて夜の森へと消えて行った。
サラ『リリィ…ルーイを追い掛けなくていいの?』
リ『いいのよ
ルーイが決めた事ですもの…』
リリィはそう言って悲しそうに微笑んだ。
:09/06/13 22:48
:W53S
:Ehgz0Y66
#196 [鼻]
ルーイが居なくなって1週間が経った。
リリィはルーイがまたひょっこり何事もなかったかの様に笑って帰ってくる事を少し期待していた。
サン『そんなにルーイの事が好きならルーイの所へ行けばいいじゃないか!』
リ『えっ…?』
サイ『ルーイが居なくなってからリリィは元気がなくなった』
:09/06/16 14:00
:W53S
:yXu2YC6A
#197 [鼻]
リ『そんな事ないわよ?』
サラ『いつも上の空みたいで、ご飯もあまり食べなくなったじゃない…』
リ『でも…』
ケ『それが好きって事なんだよ?』
リ『好き…?』
リリィは突然涙を流した。
次から次へと溢れる涙。
リリィはケルベロスに言われて、ルーイがどれだけ自分の中で大きな存在だったか気付いた。
:09/06/16 14:04
:W53S
:yXu2YC6A
#198 [鼻]
サラ『ほら!ルーイの所へ行っておいでよ!』
リ『で…でも…きっともう…』
サイ『大丈夫!ルーイは今もリリィの事が大好きだから!』
リ『そんなのわからないじゃない…』
サン『それがわかるんだよ!
ルーイはリリィの事が心配でたまに様子を見に来てたんだから!』
リ『えっ…!?』
リリィは驚いて顔を上げた。
:09/06/16 14:12
:W53S
:yXu2YC6A
#199 [鼻]
サラ『だから大丈夫!』
サン『行ってこい!』
サイ『頑張って!』
ケルベロスは笑顔でそう言った。
:09/06/16 14:16
:W53S
:yXu2YC6A
#200 [鼻]
リ『ありがとう!』
リリィはそう言うと走り出した。
魔法を使えばすぐにルーイの元へ行けるのに、普通の人間の女の子の様に、自分の足で好きな人の元へ駆けて行った。
暗い森を抜け、昔とは変わった街並みが見え、少し立ち止まってしまったけど、一歩一歩確実に前に進んだ。
:09/06/16 14:19
:W53S
:yXu2YC6A
#201 [鼻]
リリィは街へ着くとルーイを探した。
すれ違う人達みんながリリィに釘付けになっていた。
リリィは魔女。
魔女は誰もが見惚れてしまう程美しいから。
何人かの男がリリィに声をかけてきたが、リリィの耳にはそんな声は届いていなかった。
:09/06/16 16:30
:W53S
:yXu2YC6A
#202 [鼻]
どんなに必死に探してもルーイは見付からなかった。
リリィは走り回るのに疲れ、大きな噴水のある広場に辿り着いた。
そこには沢山の人間がいた。
買い物をしている人、お喋りをしている人、無邪気に遊ぶ子供、商売をしている人。
あんなに憎かった人間が沢山いるのに、リリィはなんだか懐かしさを感じていた。
:09/06/16 16:35
:W53S
:yXu2YC6A
#203 [鼻]
リ『ルーイのお陰ね』
リリィはそう言ってクスッと笑った。
そして、ルーイが昔言っていた言葉を思い出した。
『昔とは変わったんだよ』
その言葉を思い出すと、リリィは沢山の人の前で呪文を唱え始めた。
『我は望む
汝、我の前に現れよ』
:09/06/16 16:40
:W53S
:yXu2YC6A
#204 [鼻]
呪文を唱えると、リリィの周りがパァっと光出した。
周りの人間は皆リリィの方を見た。
そして…
リ『ルーイ!』
そう言ってリリィは目の前に現れたルーイに抱き付いた。
:09/06/16 16:42
:W53S
:yXu2YC6A
#205 [鼻]
ル『えっ?あれ?リリィ!?』
ルーイは突然の出来事に戸惑い、驚いていた。
リ『突然ごめんなさい。
今更だって言われるかもしれない…
でも…私気付いたの
ルーイの事が大好きなんだって』
リリィはそう言ってルーイを見て笑った。
:09/06/16 16:45
:W53S
:yXu2YC6A
#206 [鼻]
ル『えっ?ちょっと待って?
リリィが僕の事を好き…?』
リ『あなたを愛してるわ』
リリィは真っ直ぐルーイを見て言った。
ル『本当に…?』
リ『ええ』
:09/06/16 16:46
:W53S
:yXu2YC6A
#207 [鼻]
ル『やったー!』
ルーイはそう叫んでリリィを強く抱き締めた。
喜んだのもつかの間、ルーイは周りが騒がしい事に気付いた。
ル『そう言えばなんで僕はここに居るの?』
リ『私が魔法を使ったの』
:09/06/16 16:49
:W53S
:yXu2YC6A
#208 [鼻]
迷いも怯えもないリリィの目を見て、ルーイはもう一度リリィを強く抱き締めた。
ル『ありがとう
本当にありがとう…
人間が嫌いなのにこんな所にまで来てくれて…
こんなに沢山の人が居るのに魔法を使ってくれて…』
リ『ちょっと苦しい…』
ル『あっ、ごめん!』
そう言って二人で微笑み合った。
:09/06/16 16:52
:W53S
:yXu2YC6A
#209 [鼻]
そんな一部始終を見ていた人達がリリィ達の周りに集まってきた。
リリィはもう何を言われても大丈夫だと思った。
ルーイがいるから。
すると…
『おめでとう!』
『さっきのって魔法?』
『凄いね!』
予想もしていなかったそんな言葉に、リリィは驚いて固まった。
:09/06/16 16:55
:W53S
:yXu2YC6A
#210 [鼻]
ル『ほらね?もう昔とは違うんだよ』
ルーイはそう言って笑った。
リリィは少し涙ぐみながら笑って人間と話をした。
人間への憎しみは完璧に消え、心が暖かくなった。
:09/06/16 16:57
:W53S
:yXu2YC6A
#211 [鼻]
それからリリィとルーイは森へ戻り、ケルベロスに報告をした。
ケルベロスは心から二人を祝福した。
森へはたまに人間も来るようになり、リリィは料理や薬の作り方を教えた。
リリィは魔法が使えなくなり、普通の人間になったがとても幸せそうだった。
:09/06/19 01:32
:W53S
:2g9HBCzw
#212 [鼻]
それから2年程の年月が流れ、二人は相変わらず幸せな日々を送っていた。
変わった事と言えば、新しい命が誕生した事。
リリィは男の子を産んでいた。
魔女が産んだ子供は魔女になる。
男の子でも魔女になるのだろうか?
お母さんが残してくれた日記や本には何も書かれていなかった。
:09/06/20 01:45
:W53S
:U6qLHFA6
#213 [鼻]
リリィは少しの不安を抱えながらも、男の子を大事に育てた。
男の子の名前はシャン。
シャンは3才になると、教えてもいないのに魔法を使い始めた。
物を動かす程度だったが。
:09/06/20 01:50
:W53S
:U6qLHFA6
#214 [鼻]
そんなある日。
魔女が男の子を産んだという噂を聞き付け、一人の魔女がリリィの元へやってきた。
そして突然物凄い剣幕で喋り出した。
『その子は災いを呼ぶ。
まだ魔力が弱いうちに殺してしまいなさい』
:09/06/20 01:52
:W53S
:U6qLHFA6
#215 [鼻]
もちろんリリィはその言葉に激怒して、言い返した。
『私の子供を殺す?
ふざけないで!
災いを呼ぶなんて証拠は何処にあるのよ!?』
魔女は負けじと言い返してきた。
:09/06/20 06:45
:W53S
:U6qLHFA6
#216 [鼻]
『何千年に一度だけ、魔女が男の子を産む。
その子供は必ず強い魔力を持って生まれ、大きくなるにつれて魔力は増し、暴走し、誰にも止められなくなる。
本人でさえコントロール出来なくなり、暴走した魔力はこの世界を滅ぼす。
もう何千、何万年も前からそれを繰り返しているんだよ。
男の子は魔力が尽きると命を落とす。
それで僅かに残った生物達が何千年もかけて再生していく。
もう繰り返さない為に、今殺すしかないんだよ』
:09/06/20 06:47
:W53S
:U6qLHFA6
#217 [鼻]
リ『本当なの…?』
リリィは不安そうに聞いた。
魔『男の子はもう魔法を使ってるんじゃないかい?
教えてもいないのに。
それが証拠さ』
リ『そんな…』
リリィはショックを隠しきれなかった。
:09/06/20 16:51
:W53S
:U6qLHFA6
#218 [鼻]
大事な我が子が世界を滅ぼす程の力を持っている。
不安は確実なものになり、外での騒ぎが気になり様子を見に来たルーイの目の前でリリィは意識を失い倒れた。
ル『リリィ!』
ルーイは急いでリリィの元へ駆け寄り、リリィを抱き抱えた。
:09/06/20 17:27
:W53S
:U6qLHFA6
#219 [鼻]
魔『その子に伝えておいて。
本当に今やらないと世界は大変な事になると…』
ル『どういう事だ?!』
ルーイは状況がわからず、魔女に聞いた。
魔『その子が目を覚ましたら聞いてごらんなさい』
そう言って魔女は去って行った。
:09/06/20 17:30
:W53S
:U6qLHFA6
#220 [鼻]
ルーイは状況を飲み込めないまま、リリィを抱き抱えてベットまで運んだ。
しばらくするとリリィは目を覚ました。
リ『あれ…?私…』
ル『倒れたんだよ。
いったい何があったんだい?』
ルーイの質問に、リリィはさっきまでの事を思い出した。
:09/06/20 18:35
:W53S
:U6qLHFA6
#221 [鼻]
リ『何千年に一度の確率で魔女は男の子を産むらしいの…』
ル『凄い事じゃないか!』
ルーイは事情を知らずに喜んだ。
リ『でも…』
ル『でも?』
:09/06/20 18:36
:W53S
:U6qLHFA6
#222 [鼻]
リ『でも…その男の子はとても強い魔力を持って産まれるんですって』
リリィは震える声で語り出した。
ル『それはいけない事なの?』
ルーイは不思議そうな顔をして聞いた。
リ『その力は世界を滅ぼす程の力らしいの。
大きくなると力が暴走して、自分でもコントロール出来なくなるらしいの…
そして魔力が尽きると死んでしまうって…』
:09/06/20 18:41
:W53S
:U6qLHFA6
#223 [鼻]
ル『…それはどうする事も出来ないの?』
リ『誰にも止められないらしいわ。
どうする事も出来ない…』
リリィはそう言って泣き崩れた。
ルーイは何も言えず、ただリリィを抱き締めた。
:09/06/20 18:43
:W53S
:U6qLHFA6
#224 [鼻]
どれだけの時間が経っただろうか。
突然ルーイが口を開いた。
ル『ねぇ、禁断の魔法の本に何か書いてないかな?
どうにか出来る魔法とか…』
ルーイがそう言うと、リリィは急いで禁断の魔法の本を取り出した。
リ『確か相手の魔力を消す魔法があったわ…!
あっ…でも私はもう魔法が使えない…』
:09/06/20 18:46
:W53S
:U6qLHFA6
#225 [鼻]
リリィが落胆していると、ルーイが言った。
ル『今日来たのは魔女だろう?
その人にお願いしてみるのはどう?』
リ『ダメよ…禁断の魔法を使えば使った本人がどうなるかわからないもの…』
リリィは肩を落として言った。
:09/06/21 09:54
:W53S
:raLtZqRI
#226 [鼻]
結局その日は解決策が見付からず、不安なまま眠りについた。
それから何日かした頃、またあの魔女はやってきた。
魔『決心はついたかい?』
リ『子供を殺すなんて無理よ…』
魔『でも今やらないと世界は大変な事になるんだよ?』
:09/06/21 09:58
:W53S
:raLtZqRI
#227 [鼻]
リ『…ひとつだけ方法があるわ!
禁断の魔法で息子の魔力を奪ってしまえば…』
魔『それは危険な事だろう?
あなたはもう魔法が使えないわけだし、誰がやるんだい?』
リ『それは誰かに頼んで…』
リリィは自信なく言った。
魔『自分を犠牲にしてまで力を貸してくれる魔女なんているのかね。
あたしはやらないよ。
その子を殺すなら手伝うけど』
:09/06/21 10:03
:W53S
:raLtZqRI
#228 [鼻]
魔女は冷たくそう言った。
するとルーイが二人の間に入って言った。
ル『あなたの魔法で他の魔女がいる場所を教えてもらえませんか?』
魔『知ってどうするんだい?』
ル『会いに行って一人一人に頼みます!』
リ『ルーイ…』
:09/06/24 19:44
:W53S
:LcXzVwfU
#229 [鼻]
しばらく魔女は力を貸すのを渋っていたが、ルーイの真剣さに負けて他の魔女が居る場所を教えてくれた。
ル『ありがとう!』
魔『無理だと思うけど、まぁ頑張りな。
ダメだった時はあなた達に代わってあたしが子供を殺してあげるから』
ル『世界を滅ぼす力を持っていようが、僕たちの大事な子供は絶対に殺させない!』
魔『そうかい。殺さずに済むといいね』
魔女はそう言って逃げるように帰っていった。
:09/06/24 19:50
:W53S
:LcXzVwfU
#230 [鼻]
ル『じゃぁ僕はこれから他の魔女の所へ行ってくるよ!』
リ『でも…』
ル『大丈夫!時間は掛かると思うけど、絶対力を貸してくれる人を連れてくるから!』
ルーイは笑顔でそう言うと、リリィの頭を撫でた。
:09/06/24 20:13
:W53S
:LcXzVwfU
#231 [鼻]
サン『ルーイだけじゃ心配だから俺達もついてくよ』
サラ『そうね、なんだか楽しそうだし』
サイ『不謹慎だよ』
サラ『あっ、ごめんなさい』
ルーイ『あはは。ありがとう。
君達が一緒に来てくれると心強いよ』
そう言ってルーイは笑った。
:09/06/25 05:17
:W53S
:qe.xbgbI
#232 [鼻]
ルーイ達はその日の夜に荷造りを終わらせ、明日から始まる旅に備えた。
そして朝を迎え、出発の時。
ル『じゃぁ行ってくるね!』
リ『本当に大丈夫…?』
ル『大丈夫だよ!』
サン『俺達もついてるしな!』
リ『そうね』
そう言ってふふっと笑った。
:09/06/25 05:20
:W53S
:qe.xbgbI
#233 [鼻]
ル『じゃぁ行ってくるな。
お母さんの事ちゃんと守れよ?』
ルーイはそう言ってシャンの頭をくしゃくしゃっと撫でた。
そうして、リリィとシャンに見送られ、ルーイとケルベロスの旅は始まった。
:09/06/25 05:22
:W53S
:qe.xbgbI
#234 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/27 07:22
:Android
:DE5DdzBs
#235 [ん◇◇]
:22/10/27 07:24
:Android
:DE5DdzBs
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194