黒猫の棲むところU
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#131 [イリア]
下唇を噛み、意識を保つ。
男達は私の腕を引っ張り、
引きずるように歩き出した。
:09/04/05 02:46 :W61P :☆☆☆
#132 [イリア]
しばらくすると、
道は行き止まりになった。
暗く狭い路地裏。
そこにいたのは、男性一人と、麗さん。
男「遅っせ〜待ちくたびれた…って、
あら、雨原?本当にいたんだ」
:09/04/05 02:46 :W61P :☆☆☆
#133 [イリア]
麗「――………ッッ??!!」
麗さんの驚いている顔が見える。
麗さんは紐(ヒモ)か何かで
腕を後ろで縛られていて、
壁にもたれ座りこんでいた。
でも、怪我はしてなさそう……
:09/04/05 02:48 :W61P :☆☆☆
#134 [イリア]
麗「ちょっとッッ!!!!!」
麗さんの声が、狭い路地裏に響く。
麗「何よ、その子……その血…
…ッッ!!本当いい加減にしてよ!!!!
何でこんなことするの!!!!
雨原は…関係ないでしょ??!!」
:09/04/05 02:52 :W61P :☆☆☆
#135 [イリア]
血が足りないからか
本当に飛びかけていた意識が、
麗さんの声で引き戻される。
:09/04/05 02:52 :W61P :☆☆☆
#136 [イリア]
男「関係なくはないでしょー♪
記憶はなくても、雨原なんだし?
別に個人的な恨みはないけど、
何かさ…雨原一族って
嫌いなんだよねー」
麗「……何言ってんの……
血は止まってるの?
止血はしてるの?」
:09/04/05 02:52 :W61P :☆☆☆
#137 [イリア]
麗さんの声で初めて気づく。
さっき噛まれた傷は
今も熱を持っていた。
耳に近いせいか、
ドクドクと、血の流れる音がする。
:09/04/05 02:53 :W61P :☆☆☆
#138 [イリア]
男「……やけに雨原のこと、
気にかけるのね〜……
止血?してるわけないじゃん。
思いっきり噛んじゃったから、
まだ血も止まってない。」
麗「……何で…こんなことするの……」
男「聞きたい?最後だし、
教えてあげようか?」
:09/04/05 02:53 :W61P :☆☆☆
#139 [イリア]
私のそばにいた男が一人、
麗さんに近づく。
男「俺たちさぁ、麗ちゃんの読み通り…
――………妖側の、スパイなの。」
麗「………ッッ!!」
:09/04/05 02:54 :W61P :☆☆☆
#140 [イリア]
男「半妖と妖が仲違いした日、
俺たちは妖に雇われたんだよね。
妖側に危害を加える恐れがないか
半妖の動きを観察…
移動場所をあらかじめ
妖側に伝えといて、
奇襲をかけさせたりもした」
:09/04/05 02:56 :W61P :☆☆☆
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