黒猫の棲むところU
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#161 [イリア]



美しい、金色の毛並み。

男の二倍はあるであろう体。




七「――――………狼(オオカミ)…」


私が言葉を出したとき、
一瞬だけその狼がこっちを見た。


⏰:09/04/05 03:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#162 [イリア]



綺麗な毛並みから、赤色の瞳が覗く。


七「―――………狼さん……ッッ??!」


その狼は、ガルル…と
怒りに満ちた声を上げると、
麗さんの顎を掴んでいた男に
襲いかかる。


⏰:09/04/05 03:12 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#163 [イリア]




男「……ッッ!!やめろ!!やめ―…ッッ!!」



男の声も虚しく、

狼はその男の首もとに牙をむいた。


⏰:09/04/05 03:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#164 [イリア]




男「――………クソッッ!!!!」


七「…キャッ!!」



残り一人、私のそばにいた男が
私の首もとにナイフを突きつけた。


⏰:09/04/05 03:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#165 [イリア]



男「……狼!!今すぐそいつから離れろ!!

……この女の命が欲しくないのか??
今すぐ離れなければ、
この女の首…切り落として…ッッ!!」


⏰:09/04/05 03:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#166 [イリア]








「―――……ふーん」



男の声が止み、

代わりに違う声が響く。


⏰:09/04/05 03:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#167 [イリア]



そうだ私、
この声が聞きたかったんだ。


この声は私を安心させてくれるから。

綺麗な声は、私を守ってくれるから。


⏰:09/04/05 03:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#168 [イリア]






「―……やれるもんなら、やってみれば?

でも、1ミリでも体…動かしてみろよ」



甘く、妖艶な声が辺りに響く。


⏰:09/04/05 03:16 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#169 [イリア]






「――……あんたの首、

ひと思いにかっ切ってあげる」


クス…

猫さんが笑う。


男「――……ッッヒッ……!!」

⏰:09/04/05 03:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#170 [イリア]




猫「ナイフを、落とせ」



今度は猫さんの低い声が響く。

同時に男は、ナイフを地面に落とした。


⏰:09/04/05 03:18 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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