黒猫の棲むところU
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#132 [イリア]





しばらくすると、
道は行き止まりになった。

暗く狭い路地裏。
そこにいたのは、男性一人と、麗さん。


男「遅っせ〜待ちくたびれた…って、
あら、雨原?本当にいたんだ」


⏰:09/04/05 02:46 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#133 [イリア]



麗「――………ッッ??!!」


麗さんの驚いている顔が見える。


麗さんは紐(ヒモ)か何かで
腕を後ろで縛られていて、
壁にもたれ座りこんでいた。


でも、怪我はしてなさそう……


⏰:09/04/05 02:48 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#134 [イリア]



麗「ちょっとッッ!!!!!」


麗さんの声が、狭い路地裏に響く。


麗「何よ、その子……その血…
…ッッ!!本当いい加減にしてよ!!!!
何でこんなことするの!!!!
雨原は…関係ないでしょ??!!」


⏰:09/04/05 02:52 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#135 [イリア]



血が足りないからか
本当に飛びかけていた意識が、

麗さんの声で引き戻される。


⏰:09/04/05 02:52 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#136 [イリア]



男「関係なくはないでしょー♪
記憶はなくても、雨原なんだし?
別に個人的な恨みはないけど、
何かさ…雨原一族って
嫌いなんだよねー」


麗「……何言ってんの……
血は止まってるの?
止血はしてるの?」


⏰:09/04/05 02:52 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#137 [イリア]



麗さんの声で初めて気づく。

さっき噛まれた傷は
今も熱を持っていた。

耳に近いせいか、
ドクドクと、血の流れる音がする。


⏰:09/04/05 02:53 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#138 [イリア]



男「……やけに雨原のこと、
気にかけるのね〜……
止血?してるわけないじゃん。
思いっきり噛んじゃったから、
まだ血も止まってない。」


麗「……何で…こんなことするの……」


男「聞きたい?最後だし、
教えてあげようか?」


⏰:09/04/05 02:53 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#139 [イリア]



私のそばにいた男が一人、
麗さんに近づく。


男「俺たちさぁ、麗ちゃんの読み通り…
――………妖側の、スパイなの。」


麗「………ッッ!!」


⏰:09/04/05 02:54 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#140 [イリア]



男「半妖と妖が仲違いした日、
俺たちは妖に雇われたんだよね。
妖側に危害を加える恐れがないか
半妖の動きを観察…

移動場所をあらかじめ
妖側に伝えといて、
奇襲をかけさせたりもした」


⏰:09/04/05 02:56 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#141 [イリア]



麗「……………ッッ!!…」


七「―――……??」



麗さんの目からは、涙がこぼれていた。


⏰:09/04/05 02:56 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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