漆黒の夜に君と。U[BL]
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#130 [ちか]
「まぁ、とにかく恭は俺にとって一番大切な人なんだ。
『その大切な人の大切な人』は俺も大切にしたい。
だから俺、君のことも好きだよ。」
凌さんにとって恭はそれほど大切で大好きで守りたいものなんだ‥―――
ぼんやりとそんな事が頭の中で滲んだ。
しかしこう美人な人に意味は違えど『好き』って言われるとさすがに照れ‥‥、
「…――っ?!?!?/////」
:09/05/16 18:21 :P906i :VYdIZ03.
#131 [ちか]
一瞬自分に何が起こっているのか解らなかった。
解るのは頬に感じる確かな柔らかい温もりと、
その原因が凌さんであると言うことだけ…
俺の思考はそこで完全にストップした。
:09/05/16 19:27 :P906i :VYdIZ03.
#132 [ちか]
「じゃ、俺そろそろ寝るわ。ばいばい。」
そう言い残して凌さんは去っていった。
星空の下に俺を残して。
暫くして漸く状況を把握した俺。
「キ‥‥キスされた‥。」
その声は漆黒の空に溶けた。
:09/05/16 20:21 :P906i :VYdIZ03.
#133 [ちか]
― 恭弥side.―
めぐがココを出ていったのを追いかけて引き留めるワケでもなく、僕はあの後まず元の部屋に戻った。
が、すでに冥の姿も凌の姿もそこには無く、メイド達が食べ終えた食器類を片付けている最中だった。
そして今僕は部屋で冥の帰りを待っている。
:09/05/16 23:05 :P906i :VYdIZ03.
#134 [ちか]
部屋数は相当なもので、一人一部屋にすることも出来たけどそうはしなかった。
(だって旅行だし。)
ソファに腰かけてドアを見ていると、暫くしてドアノブがぐるりと回った。
「おかえり。」
そんな出迎えの声に冥は肩をビクンと震わせた。
あからさまな動揺。
:09/05/16 23:08 :P906i :VYdIZ03.
#135 [ちか]
じっと見てみると、何故か片手でずっと右頬に触れているのに気づいた。
何か気にしているような素振り。
「どこ行ってたの?」
これから尋問TIMEになりそうだ。
:09/05/16 23:18 :P906i :VYdIZ03.
#136 [ちか]
「え‥っと、ちょっと外に…」
視点の定まらないまま泳ぐ瞳が可愛いくてたまらない。
「‥ふぅん。凌は夕食の後どこに行ったの?」
僕はこの時、冥の肩が微かに揺れたのを見逃さなかった。
凌と何かあったんだ、と言うのが分かると僕はニヤリと口角を上げた。
:09/05/16 23:22 :P906i :VYdIZ03.
#137 [ちか]
ソファから腰をあげると、そのままドアの前で固まっている冥に詰めるように迫ってみる。
「さっきから頬(ココ)ばっかり触ってるけど‥どうかした?」
冥が自分の頬に触れている手を僕はゆっくり撫でた。
段々と顔が赤くなっていく冥。
「ななな、なんでもない!!離せよっ!!///」
あっけなく払われる僕の手。
:09/05/16 23:28 :P906i :VYdIZ03.
#138 [ちか]
しかしそんな事で僕が狼狽えるワケもなく、それどころか更に詰め寄ってみた。
顔と顔との間に隙間は少ししかあらず、息遣いを感じるほど。
「何を隠してるの…?」
わざと耳元で囁く。
「まさか…凌にキスされた?」
:09/05/17 08:15 :P906i :vhZETnFE
#139 [ちか]
その時冥の身体がビクンと跳ねた。
相変わらず分かりやすい。
しかし冥はあくまで白を切るつもりらしい。
「んなワケないだろ!!//
何も隠してないってば!!」
そこで僕は止め(トドメ)の一言を刺す。
「僕見てたんだよ?」
もちろん嘘だけど。
:09/05/17 08:21 :P906i :vhZETnFE
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