漆黒の夜に君と。U[BL]
最新 最初 全
#17 [ちか]
恭弥の体温が心地良い。
うとうとと睡魔が襲ってくる。
目が自然と微睡(マドロ)んできた。
あ、ちなみに今は夏休み真っ只中!
期末は試験前に透がいろいろ教えてくれたおかげで赤点無かったんだ!!
ホントに奇跡…(泣)
つまりお仕置きもなんとか受けずに済んだってワケ!!
:09/04/05 22:53 :P906i :EVOvgo76
#18 [ちか]
夏休みは買い物に行ったり、水族館に行ったり、とにかく外でいっぱいデートした。
恭弥最初は面倒だから嫌って言ってたのに、意外と楽しんでた(笑)
まぁ、そんな感じで思いっきり夏休みを楽しんでるわけです。
恭弥の程よく筋肉のついた腕に抱かれながら、俺はデートのことを思い出してニヤついていた。
すると不意に頭上から俺を呼ぶ声がした。
:09/04/05 23:03 :P906i :EVOvgo76
#19 [ちか]
「ねぇ、冥。」
そう呼ばれ、微睡んでいた目で頭上に居る恭弥を見ながら短く返事をした
すると、
「明日から旅行でも行こっか。」
そう、さらりと言葉を放つ恭弥。
「‥‥‥‥‥‥‥‥、えぇえぇ?!??!」
「反応おそ。」
俺はあまりにあっさりとした口調だったからか、暫く反応を返せなかった。
:09/04/05 23:17 :P906i :EVOvgo76
#20 [ちか]
「りょっ旅行?!!?」
俺は目を丸々とさせながら聞き返す。
「うん。暇だし、どっか行こうよ。」
そう言って俺の髪を優しく撫でた。
暇だしって…
この人、相変わらずマイペースなことを…
「で、でも明日からって!!さすがに飛行機のチケットとかいろいろ無理があるんじゃ…」
「ん?ウチのを使うから心配ないよ?」
ま、まさかの自家用ジェットですか…
さすが大金持ち…
:09/04/06 13:26 :P906i :hLECz3SE
#21 [ちか]
いろんな事に驚いてしまって声も出ない俺を見て、恭弥はにっこりと微笑んだ。
「どこ行きたい?」
そう問われた俺は暫く黙り込む。
「冥?」
「‥‥‥‥‥。」
口をもごもごとさせながら、俺はシーツをぎゅっと握る。
そして小さく呟いた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥海。」
:09/04/06 14:03 :P906i :hLECz3SE
#22 [ちか]
「海?」
「うん‥‥‥だめ?」
定番すぎかな?
笑われてしまいそうで俺は恥ずかしくなり顔を赤くした。
そんな俺を撫でる優しい手。
「いいよ。でも海って言ってもいろいろあるよ?
定番にハワイとかグアムにでも行く?
そう言えば、その近くにウチの島が‥‥、」
「お、沖縄がいい!!//」
恭弥の声を遮って俺は声を張り上げた。
:09/04/06 14:17 :P906i :hLECz3SE
#23 [ちか]
勢いよく振り向いた俺に、恭弥は少し驚いた様子
「いいけど、なんで沖縄なの?もっと綺麗な海たくさん…、」
そんな問いかけに、俺は勢いをなくした声でぼそりと呟いた。
「昔…家族で行った時綺麗だったから……」
父さんと母さんがまだ生きてた頃の話だけど‥。
思い出すと悲しくなってきて俺は俯いた。
:09/04/06 15:33 :P906i :hLECz3SE
#24 [ちか]
グイッ
「分かった。行こ、沖縄。」
不意に引き寄せられて俺の頭は恭弥の胸の中。
俺を慰めるかのように優しい手つきが俺の心を温かくした。
「うん‥‥ありがと。」
俺はそれだけ呟いて、眠りに落ちた。
:09/04/06 15:45 :P906i :hLECz3SE
#25 [ちか]
翌日。
目覚めた時の俺は、旅行の話なんて夢だったんじゃないかと、半信半疑だった。
が、それはやっぱり夢じゃなかったんだ。
「む、む、無理!!!!落ちる!!!!早く降ろせーっ!!!」
「うるさいなぁ。
落ちるわけないでしょ?」
俺は今、飛行機に乗ってます…。
:09/04/06 18:21 :P906i :hLECz3SE
#26 [ちか]
「自分が高所恐怖症だったなんて知らなかった…。」
飛行機なんか乗ったの、ホントに小っちゃな頃に一回きりだったから、飛行機の感覚を忘れてたみたいだ…
げっそりとした顔でそう呟くと恭弥はクスクスと笑った。
「仕方ないね。」
ぎゅっ
「これで大丈夫でしょ?」
「‥‥‥っ!///」
手を強く握られて、鼓動がドクドクと早くなる。
結局俺は飛行機が怖くて、到着するまで恭弥に手を握られたまま震えていた。
:09/04/06 18:33 :P906i :hLECz3SE
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194