漆黒の夜に君と。U[BL]
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#27 [ちか]
漸く目的地に着いた俺達の目の前に広がったのは、青い空と青い海。
「すっげー!!!
見て恭弥、超キレイ!!」
俺はまるで子供に戻ったかのように目をキラキラさせながら、海を指差した。
「見てる見てる。
綺麗だね。
て言うか、ちゃんと前見て歩かないと転ぶよ?」
「大丈夫、大丈夫!
俺そんなガキじゃな…っほわ!?!!」
まだガキだったみたい…
:09/04/06 21:08 :P906i :hLECz3SE
#28 [ちか]
「ほらー。だから言ったのに。」
そう言って恭弥は俺に片手を差し出した。
「いてて‥だってさぁ、早く海行きたいんだもん。」
恭弥の手を借りて立ち上がると俺は口を尖らせる
「海は逃げないから、大丈夫だってば。」
そんな俺に呆れ口調でそう言う恭弥。
そうして少しじゃれあった後、俺達は別荘へ向かって車に乗り込んだ。
:09/04/06 22:20 :P906i :hLECz3SE
#29 [ちか]
数十分と車を走らせると、別荘と呼ぶには大きすぎる屋敷が見えてきた。
「来るの何年ぶりだっけ。
懐かしいなあ。」
そんな呑気なことを呟く恭弥に俺は呆気にとられながら車に揺られること数分。
玄関の前で車は静かに停まった。
:09/04/06 22:27 :P906i :hLECz3SE
#30 [ちか]
松山さんがドアを開けてくれて、俺達は車から降りると扉まで歩いていく。
松山さんが鍵をジャラリと鳴らしながら取りだし、それを鍵穴に差し込もうとしたその時。
バァン!!!!!
「「「‥‥‥‥っ?!?!」」」
大きな音を立てて内側から扉が開いた。
:09/04/06 22:37 :P906i :hLECz3SE
#31 [ちか]
「遅かったなあ!!!
待ちくたびれたわあ!!!」
そう声を大きく張り上げたのは、見知らぬ男。
赤茶色のクセづいた髪、キラリと光る小さなシルバーのピアス。
少しつりあがった大きな瞳に、笑うと見える八重歯が特徴的だった。
この人は一体‥‥?
:09/04/06 22:46 :P906i :hLECz3SE
#32 [ちか]
「まぁ、ええわ!
暑かったやろ??
ほら、早(ハ)よ入りぃ♪」
そう言ってその人はニコニコ笑いながら手招きをする。
この独特な話し方、関西弁‥?
ワケが分からず、恭弥をチラリと横目で見てみると、案の定恭弥の顔は最強に曇っていた。
うん。
すっごくヤな予感‥‥
:09/04/07 16:01 :P906i :/p5nooO.
#33 [ちか]
「住居侵入罪で警察に突き出してあげようか?」
わぁ‥‥。
顔は笑ってるけど、オーラがすっごく怖いんですけど…
「相変わらずやなぁ、きょん♪」
そんな恭弥にびくともせず、相変わらずの笑顔を向ける男の人。
:09/04/07 16:06 :P906i :/p5nooO.
#34 [ちか]
プチン.
隣で何かが切れたような音が鳴った。
コレは久々の‥‥‥
「その呼び方やめろって言ったよね?
本気で死にたい?ねぇ。」
キレモードの恭弥…
恭弥はその人の腕をぐねりと捻る。
「い、痛い痛い痛いっ!!!!!
ごめんなさい!!!!もう言わへんからッ!!!!頼む!!離して!!!!」
半泣きで痛がるその人が可哀想にすら見えた。
:09/04/07 16:35 :P906i :/p5nooO.
#35 [ちか]
「で、なんでお前が此処に居るの。」
恭弥がやっとのことでその人を離した後、俺達は気を落ち着かせるためにとりあえず中に入りリビングのソファーに腰かけた。
相変わらずの怒った口調で恭弥がその人に問うと、その人はニッと俺達に笑いかけて口を開いた。
「なんでって、会いに来たからに決まってるやろ♪」
:09/04/07 22:08 :P906i :/p5nooO.
#36 [ちか]
「はぁ…、そう言う意味じゃなくて。
なんで僕達が此処に居るって分かったの?」
「ん〜?
まぁ簡単に言うと、恭の家行ったらメイドの可愛い姉ちゃんが沖縄(ココ)行った言うから、先回りして驚かしてみてん★」
刺々しい口調の恭弥と、
呑気な口調のその人。
俺は向かい会って座る2人を交互にキョロキョロと見た。
:09/04/07 22:15 :P906i :/p5nooO.
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