漆黒の夜に君と。U[BL]
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#259 [ちか]
だけど‥‥───

もしかしたら、
なんて思ってしまう自分がいる。


俺達が感じてるモノは
同じなんじゃないかって


逃げたいモノは
同じなんじゃないかって

⏰:09/07/20 21:18 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#260 [ちか]
コンコン.


ドアをノックする軽い音


出てみるとそこには

「恭‥‥」

恭の姿があった。

「なんか用?」

「いや、用ってほどじゃないんだけどね。」

⏰:09/07/20 21:25 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#261 [ちか]
「ふーん。」


恭は大切な人。
だから訪ねにきてくれるのはすごい嬉しい。

でも時々、なんか掴めなくて解らなくなる。

今のこの表情も何考えてんのか解らない。


「凌はさ、突然施設に入れられてどう思った?」

⏰:09/07/20 21:36 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#262 [ちか]
突然の質問に少し困惑する俺。

「なんだよ、いきなり。」

「いや、純粋にどんな気持ちだったのかなって。」

そう言って怪しげに微笑む恭弥。
やっぱり掴めない。


「それは‥‥───」

言いかけて言葉に詰まった。

⏰:09/07/20 21:43 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#263 [ちか]
『居場所』
なんてもの無かった。


周りの人間なんて
所詮は他人事で、

可哀想だの、なんだのって同情はする癖に実際は偽善者の塊だった。


いつも独りで孤独で、


寂しかった‥‥───

⏰:09/07/20 21:47 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#264 [ちか]
俯いていっこうに話そうとしない俺に話を続ける恭弥。




「じゃあめぐはどうだったのかな?」





アイツ‥‥‥?

⏰:09/07/20 22:35 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#265 [ちか]
「大病院の院長を父親に持って、昼も夜も、誕生日も傍に居なくてさ。
代わりに世話係り達とプレゼントばっかり用意されて。
それって、
それってどれだけ寂しかったのかな?」


そこまで言われてハッとした。


『どれだけ寂しかったのかな』……───

⏰:09/07/20 22:42 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#266 [ちか]
「恭‥‥‥」

「ん?」

「ありがとう。」




そう呟くと同時に俺は走り出していた。

⏰:09/07/20 22:45 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#267 [ちか]
あの子の言葉の意味を、
恭の言葉の意味を、


今やっと解った気がした。


行き先なんて分からない。
会えるかどうかなんて
分からない。


だけど、

俺には今、行かなきゃいけないトコロがある───‥‥

⏰:09/07/20 22:53 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


#268 [ちか]
`




アイツの居るトコロに。




.

⏰:09/07/20 22:56 📱:P906i 🆔:8LQ1D/eo


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