漆黒の夜に君と。U[BL]
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#467 [ちか]
「ほら、これ。」
そんな短い言葉と共に渡されたのは、茶色い封筒だった。
「え、でもまだ
仕事終わってな…」
「いいからいいから。
ずっと朝方まで働いてもらったから充分だよ。
今日はこれ持って早く帰って寝ろ。」
店長はそう言って優しい笑みを向ける。
「店゙長゙〜〜っ!!(泣)」
優しさに半泣き状態になった俺は衝動的に抱きついた。
:10/02/27 21:44 :P906i :P6Gu94Xo
#468 [ちか]
「はいはい、はいはい。笑
分かったから!
じゃ、気をつけて帰れよ。」
そう言って店長は出ていった。
封筒の厚みからしても
やっぱり店長は優しい。
しかし
またお世話になったな…
いつかちゃんと恩返ししたいな。
そんなことを考えながら着替えを済ませ、裏口から店を後にした。
:10/02/28 00:11 :P906i :QS.lHBaQ
#469 [ちか]
―― PM 23:58
この街が賑わい始める時間、俺は一人駅までの道を歩いていた。
やがて小さな曲がり角に突き当たり、路地裏に入っていく。
駅までの近道だから。
真っ直ぐそこを進むとまた角があり、そこを曲がろうとしたその時。
:10/02/28 15:38 :P906i :QS.lHBaQ
#470 [ちか]
全身に電気が走ったみたいだった。
金縛りみたいに
動けなくなって
俺は声にならない声を
短く上げた。
だって
そこには
知らない女の人とキスしてる恭弥が居たから。
:10/03/01 00:22 :P906i :k.iFxsI2
#471 [ちか]
固まった俺は
何度も瞬きをして
ソレが恭弥じゃないことを祈った。
だけど、何度見ても
恭弥に変わりはなくて。
それは紛れもない真実で。
:10/03/01 00:39 :P906i :k.iFxsI2
#472 [ちか]
なんでなんでなんで
恭弥、
仕事なんじゃなかった?
なんでそんな人と
キスしてるの?
なんでそんな人の肩なんて抱いてるの?
「な ん … で 」
気づけば俺は逆方向へ
走り出していた。
:10/03/01 00:43 :P906i :k.iFxsI2
#473 [ちか]
その日は
そこからもう記憶が曖昧。
どうやって帰ったか
何時に帰ったか
何も憶えてない。
だけど生々しいくらい
恭弥があの時何をしてたかだけは憶えてて
夢じゃなかったんだって実感するしかなかった。
気がつけば俺はベッドに寄りかかった状態で朝を迎えていた。
:10/03/01 08:08 :P906i :k.iFxsI2
#474 [ちか]
涙のあとがくっきりと残っている。
「恭弥‥‥」
ダメだ。
名前一つ口にしただけで
苦しくなる。
もうすぐそこまで来ている涙を溢さないようにするので必死。
頭の中で何度も鮮明に
あの光景が流れた。
:10/03/01 16:31 :P906i :k.iFxsI2
#475 [ちか]
恭弥が帰ってくるのは今日
まともに顔を見れる自信は無い。
それどころか、
泣いてしまうかもしれない
だけど、昨日のことを問い詰める勇気なんて俺には無かった。
:10/03/01 16:34 :P906i :k.iFxsI2
#476 [ちか]
だって
もし問い詰めて
認められたら?
そうだよ、もうお前なんて好きじゃない
なんて言われちゃったら
俺はどうしたらいい…?
.
:10/03/01 16:45 :P906i :k.iFxsI2
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