漆黒の夜に君と。U[BL]
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#699 [ちか]
最近、気になる子が居る。



いや、ずっと前から
気になっていたのかも知れない。



隣のあの子のことを。

⏰:11/05/27 16:32 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#700 [ちか]
悴む寒さにも慣れてきた12月下旬。


ただ今会議室にて
生徒会役員会議中。


冷えしきる窓の外と
暖房の音がうるさい此処はまるで別世界。

⏰:11/05/27 17:00 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#701 [ちか]
もうじき僕がこの会議に参加することも無くなるのかと思うと、少し寂しい気もする。

しかしもうそういう時期なのだ、と改めて月日の早さを実感したりもした。


暖房器具のうめき声に霞んで聞こえづらい会議の内容を軽く耳に入れつつ、
ちょうど真向かいに向かう"その子"に目を向ける。

⏰:11/05/27 17:13 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#702 [ちか]
この子と出会ったのも
ちょうどこの教室だった。





もう一年以上前のことになる。

⏰:11/05/27 17:23 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#703 [ちか]
綺麗な顔の子だな。



それが最初の印象だった。


背も高くスラッとして
清潔感のある人だと思った。

どことなくクールそうな、そんな印象だった。

⏰:11/05/27 17:27 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#704 [ちか]
直接話すことはあまり無かったものの、
その容姿に劣らずの成績優秀さと運動能力で日頃から噂は聞いていたし、自然とすぐに名前も覚えた。



話してみたいとは
思っていたが
生徒会長というのは意外に忙しく、
ましてや下級生と接することなんて無いに等しかった

⏰:11/05/27 17:35 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#705 [ちか]
そんな風にして
時が過ぎていく中で、
意外な共通点があることに気づいた。






それは───‥‥

⏰:11/05/27 22:25 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#706 [ちか]
― 冥 side.―


「とおるっ」


マフラーに顔を埋めながら歩くネコ毛の茶色い髪はすぐに透だと分かった。


毎年見てる後ろ姿だから。

「あ、冥。おはよ。」

少し気だるそうな挨拶も
冬になると毎朝の恒例みたいになっていた。

⏰:11/05/27 22:28 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#707 [ちか]
「おはよ!相変わらず朝弱いなー(笑)」

「…冬は特にな。ベッドから出れねぇ。」


透は極度の寒がりに加えて低血圧だから、冬は毎朝大変なんだ。

普段完璧な透だから、
そういうところが微笑ましかったりする。

⏰:11/05/27 22:36 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#708 [ちか]
「今日は二度寝しなかったんだ?」

「いや、したよー。けっこうギリギリまで寝てて焦った。」


あはは、と笑うと
透も眠そうな目を細めて笑う。
こういう他愛もない会話でこんな風に笑えるのは、昔から何一つ変わらない唯一の形。


「昔みたいに冥が起こしに来てくれたら俺も頑張って起きるのになー。」

廊下から差し込む朝日が透を照らして、なんだか俺からはその時の透の表情(カオ)が良く見えなかった。

⏰:11/05/28 11:33 📱:P906i 🆔:BZsW/jv2


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