漆黒の夜に君と。U[BL]
最新 最初 全
#248 [ちか]
「仲良くなれたら…良いですね。」
気づけば無意識に
そんなことを呟いていた。
「?べ、別に俺は‥‥っ」
凌さんは何かを言いかけたが、それが最後まで言い終わる前に、
『ただいまぁーっ!!!』
と買い出しから帰ってきためぐさんの声が響いた。
「あ、おかえりなさーい。」
振り返ると、たんまり食料を買い込んだ2人が見えた。
:09/07/20 15:28 :P906i :8LQ1D/eo
#249 [ちか]
「冥ちゃーん!!準備するでー♪」
少し遠くからめぐさんの明るい声が届く。
俺もそんな明るさにつられて「はーい!」と返事を返し、腰を上げた。
いつの間にか、だいぶ痛みは無くなっていた。
「あ、」
凌さんは動かず座りこんだまま。
「ほら、凌さんも行くんですよっ!!」
俺がそう言って手を差し出すと、
凌さんは少し戸惑いの表情を見せた後、
その手を掴んだ。
――――――――――――
――――――――――――
:09/07/20 15:47 :P906i :8LQ1D/eo
#250 [ちか]
― 凌side.―
『仲良くなれたら
良いですね』
まさかそんな風に言われるなんて、思ってもみなかった。
アイツと仲良く
なんて考えてもみなかった
だけど、何だろう?
嫌(イヤ)じゃないこの感覚。
嫌い(キライ)なはずなのに。
─────‥‥
───────────
:09/07/20 16:08 :P906i :8LQ1D/eo
#251 [ちか]
――――――――――――
――――――――――――
― 冥side.―
「あ〜!!!食った食った♪
もう食われへんわあ!」
太陽はすっかり沈み、無数の星が瞬く下で俺達はバーベキューの終盤を迎えた。
「俺ももう限界‥。」
無理やりと言っていいほどめぐさんに食べさせられた俺は、椅子に座りこみすっかりダウン。
恭弥も凌さんも最初は乗り気じゃなかったけど、なんやかんやで楽しんでたみたい。
:09/07/20 16:11 :P906i :8LQ1D/eo
#252 [ちか]
恭弥は少し眠そうに肩肘をついて椅子に座っているし、凌さんは相変わらずの無表情を貫いていた。
「ほな、俺ちょっと散歩でもしてくるわ〜♪」
言い放った口調の軽さに対し、俺達3人の反応は重く、そして敏感なものだった。
それを知ってか知らずか、めぐさんは足早に玄関へと向かっていく。
:09/07/20 16:42 :P906i :8LQ1D/eo
#253 [ちか]
そうと決まったワケじゃないのに、さっきあんな事を聞かされたせいか、めぐさんの目的が散歩とは思えなかった。
嫌な予感がする‥‥
きっと誰もがそう感じていたはずだ。
「し、凌さん‥‥っ
追いかけなくて良いんですか?!」
:09/07/20 16:49 :P906i :8LQ1D/eo
#254 [ちか]
「俺には関係無い。」
「関係無いって……
でもっ‥‥「うるさい。」
「‥‥‥ッ!!」
凌さんはこれまでにないくらいキツい眼で俺を睨んだあと、立ち上がった。
俺は遠退いていく背中に必死で叫ぶ。
「でもッ…、めぐさんを助けてあげられるのは凌さんだけなんですよ‥‥っ!!!!」
しかし凌さんはなんの反応を示すこともなく、屋内に消えていった‥‥───
:09/07/20 16:55 :P906i :8LQ1D/eo
#255 [ちか]
:09/07/20 16:58 :P906i :8LQ1D/eo
#256 [ちか]
― 凌side.―
───‥‥
『めぐさんを助けられるのは凌さんだけなんですよ』
‥‥────
部屋に戻ってからも
頭に残るのはその言葉ばっかりだ。
:09/07/20 20:40 :P906i :8LQ1D/eo
#257 [ちか]
助ける?
俺がアイツを?
そんな事出来るわけ‥──
だけど何故だろう
アイツの去っていく背中が
目に焼き付いて離れない。
:09/07/20 20:52 :P906i :8LQ1D/eo
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194