漆黒の夜に君と。U[BL]
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#501 [ちか]
― 恭弥side.―


「世界で一番
 大嫌いだ………っ!!!!」


頭の中で何度もその言葉と冥の泣き顔が浮かんだ。

離さないって決めたのに


返事を聞くのが怖くて
傷つきたくなくて

僕は突き放した。

もう同じ過ちはしないって決めたのに…

⏰:10/03/02 21:59 📱:P906i 🆔:GuhYBDKw


#502 [ちか]
暫く動けなくて、そのまま突っ立っていた。


足元に目をやると、
投げつけられた見覚えのない箱が転がっている。


ふいにそれを拾い上げ、開けてみて、

僕は絶句した。

⏰:10/03/02 22:06 📱:P906i 🆔:GuhYBDKw


#503 [ちか]
箱の包みを開けてみると、中にはシルバーのネックレスと一枚のカード。



【 誕生日おめでとう 】



カードにはそう書かれていた。

「こんな‥‥なんで…っ」


そこまで言って全てを悟った。

⏰:10/03/03 20:56 📱:P906i 🆔:iyYuMZCE


#504 [ちか]
冥はもしかして、コレのためにバイトしてたんじゃ…


「そんな…」



まただ。
また僕は信じることが出来なかった。
アイツの時みたいに…


追いかけなきゃ。
もうあの時みたいな後悔は二度としたくない。

シルバーのネックレスを握りしめて僕は部屋を飛び出した。

⏰:10/03/03 21:02 📱:P906i 🆔:iyYuMZCE


#505 [ちか]
― 冥side.―

「はぁ…っはぁっ…――」


どのくらい
どこまで

あれから走ってきたのかなんて全然分からなかった。

無我夢中に走って、
限界が来て、

俺は行き倒れるように道の端に踞(ウズクマ)った。

⏰:10/03/04 08:13 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#506 [ちか]
人の目なんて気にならなかった。

むしろ気にするほどの余裕がなかったと言うほうが正しいのかも知れない。


いろんな感情が溢れて、
溢れすぎて壊れそうだ。


これからどうなるんだろう

帰る場所も何も
残ってない俺に価値なんてあるんだろうか…

⏰:10/03/04 08:24 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#507 [ちか]
いっそこのまま
消えられたら‥‥


そう思った時


目の前で白い車が静かに停まった。
中から人が降りてくる。



「‥‥‥し‥のぐさん…?」

そこで俺の意識は途絶えた

⏰:10/03/04 13:04 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#508 [ちか]
気がつくとそこはベッドの上だった。


頭が痛い。
泣きすぎたのかな…


「あ、気がついた?」


ふと声のする方を見ると、凌さんが立っていた。

⏰:10/03/04 13:08 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#509 [ちか]
「夢じゃなかったんだ…」


正直切羽詰まりすぎて、あの車も凌さんも夢だったんじゃないかって思っていた


「人を夢扱いするのやめてくれる?」

そう言ってクスリと笑う凌は相変わらず綺麗だった。

少し髪を切ったみたい。

⏰:10/03/04 13:10 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#510 [ちか]
「なんであんなトコに?」


碧眼が俺を映す。


「‥‥や、…その‥‥ちょっと喧嘩したって言うか…はは」


誤魔化しきれずに俺は無理矢理笑顔を作った。

⏰:10/03/04 13:14 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#511 [ちか]
そんな俺に大した反応を見せることなく、凌さんは


「ふーん。
まぁ、お茶入れてくる。
ミルクでいい?」


それだけ聞いて、俺が頷くと部屋を出ていった。


今は深入りされるより、それくらいが心地よかった。

⏰:10/03/04 13:16 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#512 [ちか]
「お待たせ。」


暫くしてマグカップを2つ持った凌が現れた。

「はい。」

そう言って出されたマグカップを受け取り、一口啜る


「美味しい…」

そう言いながら俺は数回に分けてソレを飲み干した。

その中に何が入っていたのかも知らずに。

⏰:10/03/04 15:38 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#513 []ゅか]]
うあ〜!
気になりますねy

⏰:10/03/04 21:56 📱:W62SH 🆔:Zp9vuvwE


#514 [ちか]
>>513
→ゅかさま!

ありがとうございます^^*
今からまた更新しますっ

⏰:10/03/04 22:06 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#515 [ちか]
「この後どうするの?」

痛いところを突かれた。
この後どうするかが俺の今一番の悩みだ。

運良く凌さんに会えたから良かったけど、長居するわけにもいかない。

黙って眉間に皺を寄せていると、頭上で小さく笑う声がした。

「まぁ、居たいだけ居ればいいよ。俺もまだココに居るし。もう夜遅いし、今日は寝てけば。」

そう言ってまた凌さんは出ていってしまった。

⏰:10/03/04 22:15 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#516 [ちか]
いいのかな…


今日1日…
一晩だけ泊めてもらおう


今日だけ…


そう言い聞かせて
再びベッドに入った。

⏰:10/03/04 22:16 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#517 [ちか]
―――――――――――
―――――――……



「あ、もしもし恭?
どうしたの、そんな息切らして。
…冥ちゃんなら家に居るよ。
うん、道でたまたま拾った。
クスッ…あのさ、
冥ちゃんに【面白いモノ】飲ませちゃった。じゃあね」


――――――――‥‥
――――――――――――

⏰:10/03/04 22:21 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#518 [ちか]
―――――――――――
――――――‥‥


「ハァ…ハァ…ん///」


さっきからなんかおかしい

身体が熱くて

なんか物足りなくなってきて…

どうしちゃったんだ俺…

⏰:10/03/04 23:30 📱:P906i 🆔:KHidM2Gc


#519 [ちか]
「そろそろ効いてきたみたいだね。」


頭上から凌さんの声がする
いつの間に?

「え‥‥‥?いつから居…、んッ//」


ふいに、服の上から胸の飾りに触れられて情けない声をあげた。
なんで、これくらいでこんな…
俺どうかしてる…っ

「ちょ、凌さん俺‥‥「何も言わなくて良いから。
黙ってて。」

碧眼が俺を縛ったみたいだった。

⏰:10/03/05 23:18 📱:P906i 🆔:SOrelNeA


#520 [ちか]
「もう恭なんかやめとけば。俺が全部忘れさせてあげる。」


身体が熱くて頭が上手く回らない。
なに、どう言うこと…?


何も抵抗も出来ない俺を凌さんは軽く押さえながら耳元で囁いた。


「大丈夫。全部忘れさせてあげるから。」

⏰:10/03/05 23:25 📱:P906i 🆔:SOrelNeA


#521 [ちか]





「忘れられてたまるか。」




⏰:10/03/05 23:26 📱:P906i 🆔:SOrelNeA


#522 [ちか]
俺バカだ。


こんな時でもアイツのことなんか思って、
空耳まで聞こえちゃって…



「居るわけないのに…「誰が居ないの?」

⏰:10/03/06 17:01 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#523 [ちか]
「恭‥‥弥‥‥‥?」


目の前に居るのは
紛れもなく恭弥だった。

でもなんで‥‥


熱を帯びて荒い呼吸のせいでまともに話すことが出来ず、ただ俺はそれを見つめるしかなかった。


「凌、お前何したんだよ!!」

恭弥は今までに見たことないくらい取り乱し、怒っていた。

⏰:10/03/06 17:09 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#524 [ちか]
こんな恭弥見たことない。
恐怖感を感じずにはいられない。


「何ってちょっと薬飲ませただけ、「お前……!!!!」


恭弥の右手が勢いよく凌さんへ伸びる。

けど、寸前のところで凌さんはそれを受け止めた。

⏰:10/03/06 17:14 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#525 [ちか]
「お前、自分がした事、分かってるのか??!!」

我を忘れたように怒声をあげる恭弥。

「それはこっちのセリフだよ!!!!」


冷静だったはずの凌さんが突然大声をあげた。
思わず恭弥もその場で怯む

凌さんは深くため息をついて再び口を開いた。

⏰:10/03/06 17:22 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#526 [ちか]
「離さなかったり、突き放したり‥‥。
ちょっとは冥ちゃんの気持ちも考えれば?
中途半端に繋ぎ止めるのが一番最低だと思うんだけど。
アイツの時と同じような思いさせるつもりなら、構わない方が良い。」


凌さんの口調はとても鋭くて刺々しかった。

最後の決断を今ここで、と言わんばかりの圧があった

しかし、恭弥は凌さんをしっかりと見据えて言い放った。

⏰:10/03/06 19:09 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#527 [ちか]
「冥は僕のモノだから。
誰にも渡すつもりはない。」


それだけ言い放って、
恭弥は俺を抱き上げた。


「ほぅわ…っ!?!!///」


「じゃ、それだけ。」


そのまま俺は恭弥に抱き抱えられて、凌さんのマンションをあとにした。

⏰:10/03/06 19:15 📱:P906i 🆔:8UtCtsLw


#528 [ちか]
「ちょ、降ろして…「まともに歩けもしないくせに。」


確かにそうだけど。
そうだけど俺にだって
プライドってものがあった

だから反抗せずにはいられなかった。


「恭弥はずるい……。」

⏰:10/03/08 16:38 📱:P906i 🆔:BEsUDJzQ


#529 [ちか]
火照る体と溢れ出した感情のせいで、俺は勢いに任せて叫んだ。

その声は深夜の街角に良く響いた。


「凌さんの言う通りだよ…ッ!!…俺って恭弥のなんなんだよ!?!!
本当は昨日恭弥が女の人とキスしてるとこ見た事も黙ってようって思ってた…っ!!
でも、これじゃ俺ばっかり…俺ばっかり恭弥の事好きみたいで‥‥‥っ!!!!」


そこまで言って唇を塞がれた。

⏰:10/03/08 19:10 📱:P906i 🆔:BEsUDJzQ


#530 []ゅか]]
わくわく(*^ ^*)y

いつも応援してます空~

⏰:10/03/11 05:29 📱:W62SH 🆔:Jg2DGEFo


#531 [ちぇりー]
あげます(・_・|

⏰:10/03/18 23:41 📱:N09A3 🆔:bkciFpq.


#532 [ちか]
>>530
→ゅかさま!

あげてくださってありがとうございます(;o;)

⏰:10/03/20 14:23 📱:P906i 🆔:N.2M7x4w


#533 [ちか]
>>531
→ちぇりーさま!

こっちもTもあげてくださってありがとうございます(T-T)*

⏰:10/03/20 14:24 📱:P906i 🆔:N.2M7x4w


#534 [白蓮]
がんばってください!
応援しています!

⏰:10/03/21 05:01 📱:P703i 🆔:LMsNdRyo


#535 [ちか]
>>534
→白蓮さま!

ありがとうございます!!(´;ω;`)
頑張りますっ★
今から少し更新しますね*

⏰:10/03/21 23:21 📱:P906i 🆔:inC7S8nM


#536 [ちか]
強引に絡みつく舌。


それに欲情してしまう、
俺の身体(カラダ)。


「んん…ッふ…あ…っん!!」

反応してしまう自分が
悔しい。

だって、あれだけ忘れようとしたって、ほんの一回こんな事されただけで、どうしようもなく愛しく思ってしまうから。

やがてその唇は
熱を残して離された。

⏰:10/03/21 23:25 📱:P906i 🆔:inC7S8nM


#537 [ちか]
いつの間にか俺の顔は
濡れていた。


だけどそれは俺の涙とは
別の。

「恭‥‥弥‥‥‥‥?」


涙に濡れた恭弥の顔が、
通りすぎて行った車のライトに照らされて闇に浮かび上がった。

⏰:10/03/21 23:28 📱:P906i 🆔:inC7S8nM


#538 [ちか]
「・・・・ッ・・・ハァッ・・・くそッ!!!!」

恭弥は唇を離すと、俺を自分とで挟んでいた壁を強く殴った。

こんなに感情を露わにしている恭弥を、俺は初めて見た。

怖くて身体が震えるのを必死に隠す。



しかし、それも見破られていたかのようにきつく抱き締められた。

⏰:10/03/25 00:20 📱:P906i 🆔:2VuzFUIs


#539 [ちか]
そして思わぬ言葉が耳元で鳴る。

「……ごめん。」


それは小さくて細かった。


「冥が離れていくのが怖かった。だから、出ていけなんて言って…――
でもそんなの全部ウソだから。
僕はどんなに嫌われても、冥のこと離すつもり無いから。」

そう言って恭弥はまたきつく抱き締めた。

⏰:10/03/25 00:29 📱:P906i 🆔:2VuzFUIs


#540 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600

⏰:10/03/27 13:00 📱:N01A 🆔:nwtN8v2.


#541 [なな]
書いてほしい

⏰:10/03/31 07:01 📱:SH905i 🆔:HOpcF/NA


#542 [ちか]
>>540
→匿名さま
アンカーありがとうございます(;_;)

>>541
→ななさま
更新不定期ですいません…
ありがとうございます;_;

⏰:10/04/03 16:47 📱:P906i 🆔:EZVk7fQI


#543 [ちか]
俺はそんな恭弥の腕に包まれて、暫くの間話すことが出来なかった。


何から言えば良い?

嬉しい
俺を求めてくれりこと
離さないでいてくれること

確かに嬉しかったけど
脳裏にはやっぱり女とキスをしていた恭弥が焼き付いて離れない。

さらに熱くなる身体に悶えながら、俺は漸く口を開いた。

⏰:10/04/03 17:01 📱:P906i 🆔:EZVk7fQI


#544 [ちか]
「もう不安にさせないで…」



ふいに出たのは自分でも驚くほど、子供みたいな言葉だった。

だけどそれが本心だった。


「俺、もうやだよ…。
頭ん中恭弥のせいで不安だらけになるのも、
泣きそうになるのも…
‥‥‥‥‥好きだから…」

⏰:10/04/03 17:35 📱:P906i 🆔:EZVk7fQI


#545 [ちか]
口にした瞬間、顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。

でもいいんだ。
言いたいことちゃんと…
ちゃんと言えたから。

…頭上でため息がして、正直後悔もしたけど。

「はぁ‥‥‥。
ごめん、可愛すぎ…。」

そう言って恭弥は今までにないくらい強くその腕を絡めた。

「ん゙!!!?!く、苦゙しい!!!
恭弥苦しいって!!!!
腕!腕痛いっ!!!(泣)」

「うるさい。」

⏰:10/04/03 17:46 📱:P906i 🆔:EZVk7fQI


#546 [ちか]
ふいに目と目が合う。


「 冥‥‥ 」

甘くて低い声で名前を呼ばれると無償に鼓動が早くなった。


そのまま形の綺麗な薄い唇が俺に重なろうとした、その時。


「ちょ、ちょっと待った!!!」

まだ話は終わってない。

⏰:10/04/04 01:51 📱:P906i 🆔:v5AWOOLw


#547 [ちか]
恭弥は不服そうな顔で俺を見下ろす。

「や、やっぱり昨日の女の人とキスしてた事はっきりさせたいんだけど…っ」

まともに恭弥の顔も見れずに俺は聞いた。

「‥‥‥‥そのことなんだけどさ。
あれ、実は男なんだよね」



へ?

⏰:10/04/04 01:55 📱:P906i 🆔:v5AWOOLw


#548 [ちか]
「取り引き先の人が女装癖のある人でさ。
キスしてくれたら取り引きの条件のんであげるって言って、いきなりされたんだよね‥‥。
力は男だし、割りと強くて逃げようにも逃げれなくて。
女女って言うから一瞬解んなかったんだけど、たぶんその事だと思う…。」


不味そうに恭弥はそう説明した。

頭が真っ白だ。

まさか…よりによって
男なんて…。

⏰:10/04/04 01:59 📱:P906i 🆔:v5AWOOLw


#549 [ちか]
口をポカンと開けて唖然している俺を見て、
恭弥も申し訳無さそうな顔をする。


しばらくして、
俺はキッと恭弥を睨む

「め、冥?、……っ!!?!」


大胆にも自分からキスした
ムカつくから…!///


「しょ、消毒っ!!!!///」

短い口づけのあとにそんな台詞を吐いて照れ隠しする

⏰:10/04/04 02:05 📱:P906i 🆔:v5AWOOLw


#550 [ちか]
伏せていた目をちらりと恭弥に向けるとバッチリ目が合った。


「…冥が悪いんだからね。」

「え、なっ!!!どこ触って…あっ!!///」

やばい!!!
恭弥の理性を飛ばしてしまったみたい。


場所が!!
こんな所はやばいって!!///

⏰:10/04/04 02:09 📱:P906i 🆔:v5AWOOLw


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