漆黒の夜に君と。U[BL]
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#595 [ちか]
「は、入るで〜‥?」
殺風景すぎる空間は、
まるで誰も住んでないかのような静けさ。
キッチンやリビングを過ぎていくと、薄く開いたドアの隙間から光が漏れているのに気がついた。
「凌〜‥?居るんやったら返事くらいし‥‥、いっ?!」
:10/05/05 15:08 :P906i :f71n6quY
#596 [ちか]
俺は思わず奇声をあげてしまった。
だってそこには、この世の者とは思えないほどダークなオーラに包まれた凌がベッドに横たわっていたから。
「ちょ…っ、お前どうしたん?!‥しかもお前…っ、めっちゃ熱あるやん!!!」
もともと白かったソレは、もはや青に近かった。
薄く目を開き、目が合った。
「めぐ‥‥‥る?あぁ、来てくれたんだ……ゴホッ」
:10/05/05 16:42 :P906i :f71n6quY
#597 [ちか]
「起きんでええから!!
寝とけって!;;」
上体を起こそうとする凌を無理矢理ベッドに押し付けた。
熱を持った身体は力なくまたその場に倒れる。
「なんでこんななるまで、ほっといてん!!」
「ゴホッ…いつの間にかなって…ゴホッ‥た。」
そんなわけあるかいっ!!
:10/05/08 19:34 :P906i :pkOJK3.2
#598 [ちか]
「……だいたいなんで連絡したんが俺やねん‥。ここやったら恭弥の方が断然近いやろ…!」
その瞬間、凌は不愉快そうに顔をしかめた。
「………今、恭弥と喧嘩中。」
「え、お前らが?珍し!
なにがあったん?」
俺がそう聞くと、凌は暫く間を空けてから再び話始めた。
:10/05/08 20:03 :P906i :pkOJK3.2
#599 [ちか]
「‥‥‥って言う感じで、」
一通り凌が話終わった頃には、俺は絶句していた。
漸く出た一言は怒声混じりに放ってしまった。
「お前、アホちゃうか!!
そら恭弥も怒るわ!!
よりによってなんで冥ちゃんやねん…、薬飲ますとかお前……っ」
興奮気味の俺を碧眼は真っ直ぐに見つめていた。
汗ばんだ額に前髪がくっついて、鬱陶しそうだった。
:10/05/08 22:16 :P906i :pkOJK3.2
#600 [MゅかM]
待ってますイ*'u`)b
:10/05/27 02:37 :T002 :dRCb63gc
#601 [ちか]
>>600 ゅかさま*
ありがとうございます><
不定期ですいません(泣)
今から少し更新します!
:10/05/28 17:37 :P906i :r2c5aQB2
#602 [ちか]
>>599続き.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
― 凌 side.―
この前の一件を説明し終わったころには、アイツの血色のよかった顔色もすっかり青くなっていた。
動揺を隠しきれない声で叫ばれると、頭痛はさらに酷くなりそうだった。
「なんで冥ちゃんやねん…」
その言葉が頭の中で何度も何度も響く。
「あの子だから、だよ。」
:10/05/28 17:41 :P906i :r2c5aQB2
#603 [ちか]
「もう、あの時みたいな恭弥もアイツ意外の犠牲者も俺は見たくない‥‥」
「凌‥‥――」
脳裏に浮かぶのは少し古ぼけた、しかし意識のはっきりしたあの頃の記憶。
きっとコイツも同じことを思い出したはずだ。
「あの子、道端に倒れこんでたんだ。どれだけ泣いたのか知らないけど目も真っ赤でくっきり涙の痕がついてた。
うちに運んで寝かせてたら、寝言で恭弥の名前ばっかり呼ぶし。」
熱のせいか言わなくて良いことまでつい口走ってしまう。
:10/05/28 17:54 :P906i :r2c5aQB2
#604 [ちか]
「本人はちょっと喧嘩したって言ったけど、ちょっとじゃないだろ。
俺は自分のしたことが間違ってたなんて思ってない。
端から襲う気も無いし。
ああでもしなきゃ、恭弥はあの子をもっと傷つけてた。
恭弥の気持ちはっきりさせてやりたかったんだよ。」
言い終わって、漸く自分の饒舌さに気づいた。
馬鹿だ。
何もこんなことまで言わなくたって良かったのに。
言ったところで‥‥――。
:10/05/28 18:00 :P906i :r2c5aQB2
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