漆黒の夜に君と。U[BL]
最新 最初 🆕
#601 [ちか]
>>600 ゅかさま*

ありがとうございます><
不定期ですいません(泣)
今から少し更新します!

⏰:10/05/28 17:37 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#602 [ちか]
>>599続き.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

― 凌 side.―



この前の一件を説明し終わったころには、アイツの血色のよかった顔色もすっかり青くなっていた。


動揺を隠しきれない声で叫ばれると、頭痛はさらに酷くなりそうだった。


「なんで冥ちゃんやねん…」


その言葉が頭の中で何度も何度も響く。


「あの子だから、だよ。」

⏰:10/05/28 17:41 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#603 [ちか]
「もう、あの時みたいな恭弥もアイツ意外の犠牲者も俺は見たくない‥‥」

「凌‥‥――」



脳裏に浮かぶのは少し古ぼけた、しかし意識のはっきりしたあの頃の記憶。

きっとコイツも同じことを思い出したはずだ。


「あの子、道端に倒れこんでたんだ。どれだけ泣いたのか知らないけど目も真っ赤でくっきり涙の痕がついてた。
うちに運んで寝かせてたら、寝言で恭弥の名前ばっかり呼ぶし。」

熱のせいか言わなくて良いことまでつい口走ってしまう。

⏰:10/05/28 17:54 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#604 [ちか]
「本人はちょっと喧嘩したって言ったけど、ちょっとじゃないだろ。
俺は自分のしたことが間違ってたなんて思ってない。
端から襲う気も無いし。
ああでもしなきゃ、恭弥はあの子をもっと傷つけてた。
恭弥の気持ちはっきりさせてやりたかったんだよ。」


言い終わって、漸く自分の饒舌さに気づいた。

馬鹿だ。
何もこんなことまで言わなくたって良かったのに。


言ったところで‥‥――。

⏰:10/05/28 18:00 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#605 [ちか]
「お前はアホか!!!!」



ほら。
余計にコイツの神経逆撫でするだけ‥‥、


「お前ばっかり悪者(ワルモン)なる必要無いやろ!!!」



は?

⏰:10/05/28 18:04 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#606 [ちか]
「なんで最初からそうやって説明せんかってん?!
誤解するとこやったやろ!!」


なんだ。
なんでコイツ涙目なってんの。
わけわかんね…


予想外のめぐるの言葉に驚いて目をキョロキョロさせていると、奴は俺の頭に手を置いた。

「一人で罪被ろうとすんなよなぁ。独りちゃうねんからさ。」

それは少し呆れたような笑みと口調だった。

⏰:10/05/28 18:09 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#607 [ちか]
悔しかった。


いつからこんなこと
出来るようになったんだ、コイツ。


いつからこの手が心地良くなったんだ、俺…


「…………ありがとう。」


素直に言えた自分が、少しおかしかった。

⏰:10/05/28 23:07 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#608 [ちか]
「おし!昼飯作ったるからそこで寝とき!」


そう言ってめぐるは急に腰をあげた。

「え、ちょ…!!ゴホッ
お前料理なんか出来…、ゴホゴホッ」


大きな声を出すとすぐに咳払いしてしまう。
わりと風邪は重症らしい。

「出来るわそれくらい!
お前は大人しく寝てたらええねん!!」

母親のようなその叱り口調に不安を覚えながらも、相当身体は疲れきっていたからその言葉に甘えることにした。

⏰:10/05/28 23:20 📱:P906i 🆔:r2c5aQB2


#609 [ちか]
― めぐる side.―


凌がぐっすり眠ったのを確認して、ため息をついた。


「無理ばっかするから、体壊すんやろ…。
恭弥と喧嘩って慣れへんことするから、………、」


そこで口は止まった。
単なる喧嘩とはちょっと違うと思ったから。


「‥‥‥大切やから、か。」

零れた単語と凌を見合せて、いつからそんな強くなったんやろって少し羨ましくなった。

⏰:10/05/29 10:33 📱:P906i 🆔:.rkY4LLw


#610 [ちか]
キッチンでお粥を作りながら、辺りを見回す。

高層マンションなだけに景色のいいその部屋は殺風景にもほどがあった。

必要最低限の物しか置いていない、そんな感じや。


なんとか飯が出来たところで、不本意ながらも凌を揺する。


寝ぼけたままのソイツに向けて大袈裟にお粥を突き出してみせた。

⏰:10/05/30 00:43 📱:P906i 🆔:99cLzqjg


#611 [ちか]
「………………うま。」


一口食べてからそんな言葉が聞こえた。

お互いそんな言葉が出るなんて思ってなかったから、間抜けな顔を合わせるハメになった。


「…あ、当たり前やろ!
俺様が作ったんやから美味いに決まってるやろ!!」


慌てていつもの調子に戻してみせた。
今日のコイツと居ると、さっきから調子狂わされっぱなしや。

⏰:10/05/30 16:54 📱:P906i 🆔:99cLzqjg


#612 [ちぇりー]
お忙しいとは
思いますが
更新頑張ってください
\(^O^)/

毎日毎日楽しみに
してます

⏰:10/06/01 20:58 📱:N04A 🆔:G12ijp02


#613 [ちぇりー]
下がってきたので
あげ\(^O^)/

⏰:10/06/11 22:22 📱:N04A 🆔:mAFDyCKA


#614 [めお]
あげ

ちかさんのペースでいいので頑張って下さい♪

⏰:10/07/02 02:20 📱:SA001 🆔:7B9czQzc


#615 [なー]
あげます!\(^O^)/

Tから一気に読みました。
この小説大好きです!(●´ω`)

ちかさんのペースでこれからも頑張ってください(^ω^)

⏰:10/07/11 21:49 📱:SH905i 🆔:hNPDhhmY


#616 [ちぇりー]
あげます(^^)

⏰:10/07/20 13:57 📱:N04A 🆔:tITTDnoE


#617 [ちか]
>>612
>>613
>>616  ちぇりーさま
>>614  めおさま
>>615 なーさま

ありがとうございます!!
不定期で本当に申し訳ないです…
もっと更新出来るように頑張ります(´;ω;`)
地道に更新していくので、これからもよろしくお願いしますm(__)m

⏰:10/08/15 00:46 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#618 [ちか]
凌が食べ終わるのを見届けてから、心の中で安堵の息をついた。


食器を片付けにキッチンまで戻ろうと立ち上がると、

グイ…ッ


手首を掴まれ、その先の碧眼に映る自分が見えた。

⏰:10/08/15 00:50 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#619 [ちか]
「そんなの後で良いだろ。」

まだ声は熱っぽさが残っている。

俺はそんな凌を見下ろしながら、片手で食器の乗ったお盆を持ち上げた。

「あほか。料理は片付けまでちゃんとしてこそ、料理って言うんや…「行かなくていいって言ってんの。」

あれ?

なんやコイツ。

⏰:10/08/15 00:56 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#620 [ちか]
伏し目がちで、凌は目も合わせようとせーへん。

ただ強く手首を掴むだけやった。


観念した俺は再びさっきまで座っていた椅子に腰をおろす。

「はいはい、分かりました分かりました。今日は最後までワガママに付き合ったるわ〜。」

そう言っても凌はその手を離そうとはしなかった。

⏰:10/08/15 01:01 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#621 [ちか]
暫くして眠りに落ちた凌を眺めながら俺は考えた。


なんで俺は嫌いやったはずのコイツにここまでするんやろう。

この手が嫌じゃないんやろう。


…って。

⏰:10/08/15 01:03 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#622 [ちか]
自然と心臓は脈を上げた。

顔だけじゃなく、全身が赤くなっていくようやった。



「好き…やから?」


そう気づいてしまったから

⏰:10/08/15 01:06 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#623 [ちか]
思わず口に手を当てた。

「き、聞こえてへんよな…。はは」

半ば自分に言い聞かせるような形でそう呟く。


俺が凌を“好き”


まさか…と思ったけど、あまりにも自分の行動との辻褄が合いすぎて認めざるをえなかった。

⏰:10/08/15 01:41 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#624 [ちか]
今までは、適当にそこらへんの女と心の無い関係ばかりしてきた。

交わって、
また別の奴と交わって。
その次の日にはまた別の奴と。


そうやって、手頃な相手を見つけては寂しさを紛らわして満足していた。


せやけど、最近それも意味を持たなくなった。

⏰:10/08/15 01:46 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#625 [ちか]
いくら交わっても、
いくら気持ち良くても、
満たされることがなかった

誰か、別の奴が頭から離れなくて、ただ虚しさしか残らなかった。



その“別の奴”こそが
凌(コイツ)なんや。

⏰:10/08/15 01:48 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#626 [ちか]
今日コイツに会って、
漸くこの気持ちに確信した

出来れば気づきたくなかったけどな…


「叶わへんもんなぁ。」


溜め息混じりに呟いた。

凌が好きなのは今も昔も恭やから。

⏰:10/08/15 01:54 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#627 [ちか]
特別な存在。


恭にしか見せへん顔。


俺にはしない表情。

声、態度、笑顔…


解ってるからこそ苦しくて

⏰:10/08/15 01:57 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#628 [ちか]
「俺の気持ちも知らんと、ようこんなん出来るわ…」


そう言って目線を繋がれた手に落とした。
確かな温もりを感じるその白くて細い手や指。

「残酷やわぁ。ははは…」


寂しい独り言は部屋の中で静かに消えるだけだった。

⏰:10/08/15 02:00 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#629 [ちか]
「ん‥‥―――」


時々苦しそうな声で唸る凌を見ていて、居たたまれなくなった俺はゆっくりとその手をほどき、風邪薬を探した。


ただでさえ殺風景な部屋。
薬を見つけるのに、そう時間はかからなかった。

⏰:10/08/15 02:04 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#630 [ちか]
おでこに手を当ててみると、やっぱり熱い。



「これ飲んで、はよ元気なれよな。」


そう言って、俺は水と薬を口に流し込む。



そして凌にキスをした。

⏰:10/08/15 02:07 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#631 [ちか]
しっかり薬を飲み込んだのを見て、また溜め息をつく。


最初で最後のキス。




そう思うと、切なさで胸は締め付けられた。

⏰:10/08/15 02:10 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#632 [ちか]
― 凌 side.―

グイッ



呆然とするめぐるを見上げながら、それ以上に呆然とする俺。


なんで俺、こいつの手掴んでるんだろうか?

⏰:10/08/15 13:07 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#633 [ちか]
理屈じゃない。

衝動的だった。


“行かないで”
ただそれだけ。


しかしさすがにそうは言えず、

「そんなの後で良いだろ。」

適当な言葉で繋ぎ止めようとする。

⏰:10/08/15 13:09 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#634 [ちか]
でもめぐるはそんな気持ちを察するほど勘が良い奴じゃない。

そんなのは分かってる。


「あほか。料理は片付けまでちゃんとしてこそ、」

ほら、何も気づいてない。

「料理って言うんや…「行かなくていいって言ってんの。」

上手く言えない自分にさえ、苛立って仕方ない。

⏰:10/08/15 13:14 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#635 [ちか]
暫く沈黙が続いた後、
めぐるは"観念しました"、といった顔で再び腰をおろした。

「はいはい、分かりました分かりました。今日は最後までワガママ付き合ったるわ〜。」

そう言われても、なぜか手を離す気にはなれなかった。


返事をしようにも何を言って良いか分からず、目を閉じて寝たフリをした。

⏰:10/08/15 20:59 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#636 [ちか]
目を閉じて考えた。




恭弥が言った、




あの言葉を。

⏰:10/08/15 21:49 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#637 [ちか]
実は"あの事件"の後、
俺と恭弥は会っていた。



その時にあの子を襲うフリをした理由も全部話したし、向こうもそれには気づいていた。

つまり和解してたってわけ。

⏰:10/08/15 21:54 📱:P906i 🆔:clmDe0Hc


#638 [ちか]
もっとも、あの取り乱しようから見て、きっと気づいたのはその後だと思うけど。


まぁ、和解も出来たし良かったと思っていた。

急に呼び出されたから、正直殴られる覚悟したくらいだし。


けど話はそれだけじゃなかった。

⏰:10/08/16 00:45 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#639 [ちか]
「凌、変わったよね。」



淡白な一言だった。


「…は?」

ワケの分からないまま間抜けな顔で見つめる俺に、恭弥はクスクスと笑いながら言った。

「やっぱり僕は凌の特別じゃなかったんだなと思って。」

⏰:10/08/16 00:53 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#640 [ちか]
そうやって笑う恭弥をよそに俺は腹立ちと混乱の混ざったような感覚になった。

「なんだよ、それ…。
今も昔も、俺の特別は恭弥で…っ「そう思いたいだけなんじゃないかな?」

どう言う意味か全然理解できなかった。

「僕と凌はちょっと似てるから。だから一緒に居て楽なんだよ、きっと。
でもそれは"特別"なんかじゃないよ。
本当は別に"特別な奴"が居るんじゃない?」

⏰:10/08/16 01:02 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#641 [ちか]
本当に特別な奴……


この数日間、
そのことばっかり考えていた。


そしたらこのザマだ。
風邪まで引いて馬鹿みたいだ。


けど、なぜかこういう時、会いたくなったのがめぐる(コイツ)だった。

⏰:10/08/16 01:08 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#642 [ちか]
自分でも分からない。


なんで恭弥じゃなくて
めぐるだったのか。


ただ衝動的だった。
頭から離れなかったのがコイツだった。


そんなことを考えていた頃、

「好き…やから?」

そんな声がした。

⏰:10/08/16 01:11 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#643 [ちか]
めぐるの声…か?


いや、夢…?


熱のせいか意識も薄れてゆき、もう現実かどうかも分からずそこから記憶は無くなった。


"好きだから"
と言う言葉を残したまま。

⏰:10/08/16 21:48 📱:P906i 🆔:Jx75qT2o


#644 [ちか]
目を醒ますとそこにめぐるの姿は無かった。


「帰ったのか…?」


周りを見渡しても人気はしない。

柄にもなくなぜか寂しかった。


その時、
ガチャッ
玄関の開く音がした。

⏰:10/08/17 00:59 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#645 [ちか]
「あ、起きてたん?」


めぐるの声。

なぜか無性に安心した自分が居る。

めぐるはコンビニのレジ袋を提げて、こっちへ歩いてくる。

(そう言えば…)

『好き…やから』あの言葉は本当に夢だったんだろうか。

⏰:10/08/17 01:03 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#646 [ちか]
「冷えピタ買いに行っててん!」

ニコニコと笑うめぐるを見ながら、あの言葉が頭から離れない。

もし、めぐるが言ったんなら。
それは、どう言う意味なのか。

「貼ったるわ!冷たくて気持ちええで〜♪」

そう言って至近距離まで来たとき、思い切りめぐるの手を引き寄せた。

俺は賭けに出たんだ。

⏰:10/08/17 01:10 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#647 [ちか]
― めぐるside.―

「うわっ…?!」

凌に冷えピタ(冷却シート)を貼ろうと前のめりになった瞬間、俺はそのまま倒れ込んだ。

こけたんじゃない。
凌に引っ張られて。

「ちょ、なにすんねん!!
ふざけんのもええ加減に…」

上半身を起こそうとしたが力は思ったより強く、その腕から逃れることができない。

いつもと何が違う。
そう思った瞬間、凌が耳元で言った。

「お前、俺のこと好きだろ」

⏰:10/08/17 01:16 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#648 [ちか]
全身がカッと熱くなるのが分かった。

俺は大袈裟に後ろに退く。

「ななな、なに言ってんねん、いきなり!!」


やばい…っ
こんなあからさまに動揺したら本間にバレてまう…っ

分かってるのに、平然を装えへん。

⏰:10/08/17 22:07 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#649 [ちか]
ベッドから出てきた凌はゆっくりと俺の前まで歩いてくる。


「俺さぁ、さっき寝たフリしてただけで起きてたんだけど。」


そう言って俺の目線に合わせるようにしゃがみこんだ。

⏰:10/08/17 22:15 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#650 [ちか]
寝たフリ………?



う、嘘やん…?!??!
じゃあ、あの独り言も全部聞こえてたってこと?!


いや、それ以上にマズイのは‥‥‥キスしてしまったこと。

「なっ、えっ…あ、えっと!!」

混乱して言葉も出ない。

⏰:10/08/17 22:25 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#651 [ちか]
「どうなんだよ?」


下から覗き込むようにして俺を見上げる凌。


もう後には引けない。

そう思った俺は、何かの糸が切れたように喋った。


「‥‥‥そうやで。」

⏰:10/08/17 22:39 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#652 [ちか]
「お前のこと好きなってもうたわ…。ははは
おかしいよな、あんだけ嫌いやったのに。自分でも思うわ。」

凌の顔なんてまともに見れなかった。
ずっと俯いたまま俺は話し続けた。


「でもちゃんと分かってるから!
お前の特別は恭だけやろ?分かってる分かってる…。
ちゃんと分かってるから…。やから今のこと忘れて良いから‥っ?!」

その瞬間頭が真っ白になった。

⏰:10/08/17 22:54 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#653 [ちか]
クチュ..
という音と共に重なった感覚を残し、それは離れた。

「し…のぐ………?」


気が動転して何が起こったのか分からなかった。


「あ、ごめん。なんか可愛かったから。」

至って平然の凌。

⏰:10/08/18 00:26 📱:P906i 🆔:VIwejcJ2


#654 [ちぇりー]
更新嬉しい(^O^)

あげます(^O^)

⏰:10/08/27 20:46 📱:N04A 🆔:0uO2jY5Y


#655 [みぃ]
久しぶりにコメします(^^)


応援してます(´`*)

⏰:10/08/27 21:36 📱:P905i 🆔:LEPoqcQw


#656 [りん]
 更新頑張って下さい^^
 楽しみにしてます♪

⏰:10/09/01 22:16 📱:F02B 🆔:aDR2HeZc


#657 [みぃ]
あげる。(*・д・)ノ

⏰:10/09/04 00:35 📱:P905i 🆔:jPyq0brE


#658 [りん]
あげえ(´゚3゚`)

⏰:10/09/04 17:41 📱:F02B 🆔:Skx0tFHk


#659 [ちか]
>>654
ちぇりーさま
>>655
>>657
みぃさま
>>656
>>658
りんさま

あげてくれてありがとうございますm(__)m
更新遅れてすいません´`

⏰:10/09/23 22:35 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#660 [ちか]
>>653続き


全身が熱くなった
頭にきた


俺はこれでも真面目に悩んでたのに、それをコイツは……


「…ふざけんな!!!」



ムカつく
のに、なんで俺は
泣きそうな顔をしてるんや

⏰:10/09/23 22:40 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#661 [ちか]
勢いで立ち上がっていた俺は少し下にしゃがみこんでいる凌を見ながら言葉を続ける。

「意味分からん…。
人のことからかうのもいい加減にしろや!!
俺はこれでも真剣に…っ」


「真剣に?」


俺は見上げながら
真顔で聞き返す凌。


「‥‥‥‥‥真剣に、
  好きやのに……。」

その目で見られるのが
今は苦しい。

⏰:10/09/23 22:49 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#662 [ちぇりー]
みてますよー(^O^)/

あげます(゚_゚)(。_。)

⏰:10/09/29 16:23 📱:N04A 🆔:skJr8xu2


#663 [さやか]
あげます(^ω^)

⏰:10/12/12 02:16 📱:F905i 🆔:yGishNtA


#664 [我輩は匿名である]
続き読みたいです(´・ω・`)

⏰:11/02/21 00:49 📱:SH004 🆔:wSRjfND.


#665 [しずく]
楽しみ!
がんば^_^

⏰:11/03/06 21:51 📱:PC 🆔:mzwUoJUg


#666 [我輩は匿名である]
あげます!

⏰:11/03/10 22:44 📱:SH004 🆔:1tv2YE4E


#667 [ちか]



長い間放置すいません。
また少しずつ更新していきます。
何かと忙しく、中途半端な更新をしてしまい、すいませんでしたm(__)m

読んでくれてる方々、
ありがとうございます。

⏰:11/05/21 22:14 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#668 [ちか]
>>661続き.


部屋中に沈黙が流れた。



時計の針が小刻みに部屋を駆ける音がして、焦燥感を煽る。



ポタ..


頬を一筋の水滴がなぞった。

⏰:11/05/21 22:19 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#669 [ちか]
それが涙やと気づくのに
そう時間はかからなかった


止めたいのに
一度溢れだしたら
ソレは止まることを知らない。



「…な、なんで泣いてるんかな?目に何か入って…、」


無理矢理何か言い訳を作って言葉を走らせていると、何か暖かいものが俺を包み込んだ。

⏰:11/05/21 22:52 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#670 [ちか]
それは熱を帯びた凌だった。


「ちょ…ッ、離せや…!!!離せ…っ、「黙って聞け。」



妙に落ち着きのある低い声が耳元でそう囁く。

⏰:11/05/21 23:02 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#671 [ちぇりー]
待ってました(^^)
更新楽しみにしてます◎

⏰:11/05/23 00:43 📱:N04A 🆔:tktxA5dg


#672 [ちか]
>>671ちぇりーさま

いつもありがとうございます(*^^*)
がんばります!

⏰:11/05/23 21:57 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#673 [ちか]
>>670続き


「俺にとって特別なのは
恭弥だけだった。」


俺より頭一個分身長の高い男はそう話を続ける。


身長差のせいで、俺の顔は凌の胸に埋もれたまま。

そんな状態で
好きな男から聞きたくもない話を始められもう俺は気が気でない。

もうこれ以上、
聞くのはごめんやった。

これ以上話されたら
せっかくびっくりした拍子に止まった涙がまた零れてしまいそうやったから。


「恭弥が特別なことぐらい分かって…「特別だったんだよ。今までは。」

⏰:11/05/23 22:14 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#674 [ちか]
「…黙って聞けって言ってるだろ。」

少し溜め息混じりにそう言われても、黙っている方が無理やろ…。

そう言いたいところやったが反抗する気にもなれず、俺は黙ってその胸に埋もれた。


「前に会ったとき、恭弥に言われたんだ。
お前の特別は僕じゃない。思い込んでるだけだ。本当は別に"特別"が居るんだろ?って。
それからずっとその"別の特別"を考えてた。」


静かで無機質な部屋の中で俺に聞こえるのは、
凌の声と定期的に刻まれる心臓の音。
それ以外何も耳に入らなかった。

⏰:11/05/23 22:36 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#675 [ちか]
「それで…、
考えてたらこのザマだ。
風邪引いて、自分じゃどうしようもない状態になるまで気づかなかった。
誰か傍に居てほしくて、
自然と思い浮かんだ"誰か"がお前だった。
なんでかは自分でも良くわからない。」


「なんやねん、それ……。」

俺は世話係ちゃうっちゅうねん。
こいつ、何が言いたいんや。

もう俺は、半ば話に耳を傾けることにすら疲れはじめていた。

お互い表情が見えないせいか、凌はそんなことにも気づかずに喋り続ける。

⏰:11/05/23 22:46 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#676 [ちか]
「でもこうやって
傍に居てもらって分かったことがある。あんなに喧嘩ばっかりだったのに、なんでか、今傍に居ることがすごく落ち着くんだ。
帰ってほしくなくて、咄嗟に手を掴んだり。

今、こうやって
泣いてるお前を抱き締めてる。
抱き締めたいって思った自分が居る。」


心なしかその言葉のあと、抱き締めてる腕の力は一層強くなった。

⏰:11/05/23 22:52 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#677 [ちか]
心臓がドキドキする。

どっちの音なのか分からんけど、自分の体が熱いのは十分に分かっていた。


抱き締められているその腕の中で俺は、ぎゅっと目を瞑った。
その声と胸の音だけが聞こえるように。



「やっと分かった。
俺の特別はお前だったんだって。」


その瞬間、
俺は瞑っていた瞳(メ)からずっと我慢していた涙を溢した。

⏰:11/05/23 22:58 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#678 [ちか]
「めぐる、好き。」



奇跡が起こったと思った。

ああ、俺は
どれだけその言葉を
待っていたんだろう。


どれだけこうなることを
望んでいたんだろう。



生きてきて初めだった。
こんなに幸福感で心が満たされたのは。

⏰:11/05/24 00:13 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#679 [ちか]
そして凌はゆっくりと
俺から腕を離した。


そしてその色白の大きな手は俺の両肩へと伸ばされ、しっかりと見つめられる。


綺麗な碧色の瞳に見つめられると、吸い込まれてしまいそうだった。

⏰:11/05/24 00:17 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#680 [ちか]
「好きだよ。」


凌は真剣な目でそう言った後、照れるようにして
目線をそらした。


胸がぎゅっと鳴った。


もう視界は
涙でぼんやりとしている。

⏰:11/05/24 00:20 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#681 [ちか]
「俺も‥‥大好き‥。」


やっと言えた一言だった。


涙に混ざって
ちゃんと届くような声で
言えたかは分からない。


だけど、
目の前で凌は
顔を赤くしてはにかんでいた。


そして言う。少し意地悪な笑顔を浮かべて。

「知ってる。」


と。

⏰:11/05/24 00:23 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#682 [ちか]
俺たちは
何度も確かめあうように
キスをした。


身長差のせいか
俺は少し背伸び気味で、
凌の首に腕を回す。

そんな俺を凌はぎゅっと抱き締めてくれた。


二度と離れたくない
と思うような、
そんな優しいキスを
何度も何度も
凌は俺に落としていった。

⏰:11/05/24 00:27 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#683 [我輩は匿名である]
更新ずっと楽しみにしていました(*´∀`*)完結までゆっくり頑張ってください!いつも見ています♪

⏰:11/05/24 19:41 📱:SH004 🆔:BdCMATJA


#684 [ちか]
>>683匿名さま
待っていてくださり、ありがとうございます(;_;)
更新がんばるので、またよろしくお願いします*

⏰:11/05/25 00:20 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#685 [ちか]
>>682続き


閉じていた目を開くと
すぐ目の前に大好きな奴の顔がある。

涙で濡れた俺の頬を
優しく拭ってくれる。


「……一つだけ聞きたいことあるんだけど‥‥。」


拭ってくれた優しい手つきとは裏腹に、凌は不安げな目で俺を見た。

⏰:11/05/25 00:26 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#686 [ちか]
「なに?」


曇る瞳を覗き込むように
問い返した。


「その……、
まだ適当な女(ヒト)と寝たりしてる‥‥?」


ずっと聞くのを我慢していたかのような、か細い声だった。

俺は必死に顔を横に振る。

⏰:11/05/25 00:40 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#687 [ちか]
「ほんとに?」


どうやらこいつは
相当疑り深いようだ。

……まぁ、自業自得か。


真っ直ぐに碧眼を見つめながら、嘘じゃないことを伝えるために必死で言葉をを紡いだ。


「ほんまになんもしてへん。ていうか、なんでかそういう気になられへんかってん。お前を好きなんやって気づいてからずっと…。」

やっと信じてくれたのか
その目は少し細くなり、
「良かった。」と呟く。

⏰:11/05/25 15:07 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#688 [ちか]
「もうそういうことするなよ。」


そう言ってもう一度、
強く抱き寄せられた。

その温度が心地良い。


互いに高鳴る鼓動すら
愛しく思えた。


「これからお前に触れていいのは、俺だけ。」

⏰:11/05/26 01:15 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#689 [ちか]
「凌が俺にそんなん言うの、なんか変な感じ‥‥。」

「そう?」

「なんか、こう、まだ実感無いって言うか…。」

胸に顔を埋めると
凌の匂いがする。

この匂いも
この感触も
この温度も
全部俺の、なんて
やっぱりまだ夢みたいで。

「じゃあ、実感してみる?
その身体(カラダ)で。」

⏰:11/05/26 01:38 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#690 [ちか]
「なっ……に言って…ッ、ん」

動揺した隙に
つけこむように
意地悪いキスをされ、

その唇は
首筋へ落ちていく。

「あ‥‥や、しの…ぐっ、「なーんちゃって。」



は‥‥?

⏰:11/05/27 00:14 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#691 [ちか]
「風邪うつったら大変だから続きは今度…な。
なに、それともしたかった?つ・づ・き。クスッ」

「な………っ、///」


意地悪な笑顔を
俺に向けて決めこむその余裕さが気にくわない。


「ンなわけあるかっ!!!!////
あほ!!ぼけ!!どっか行け!!////」

動揺してしまってる自分も恥ずかしい。

⏰:11/05/27 00:18 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#692 [ちか]
「あははっ、痛いって。
でも、ちゃんと印はつけといたよ?ほら。」


もうすっかり日が暮れて
鏡のようになった窓を指差して凌は言う。

そこにはうっすらと見える紅い斑点。


「〜…っ!!!///」

「クスッ、顔真っ赤。(笑)」

「うるさいっ!!!!!/////」

⏰:11/05/27 00:24 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#693 [ちか]
今までは
鬱陶しいとしか思わなかったキスマークも、
好きな人からのだとこんなにも嬉しいのかと
初めて知った。


───────‥‥‥
───……

「は…ふあっくしゅんっ」



次の日、
俺は案の定風邪を引いた。

⏰:11/05/27 00:27 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#694 [ちか]
「まさか本当にうつるとは(笑)ま、舌入れてたし、仕方ないか。クスクス」


「笑い事ちゃうわ。あほ。」


昨日と
立場は逆転したようだ。


「お前はなんでそんな元気やねん…。っくしゅん。」

⏰:11/05/27 00:31 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#695 [ちか]
「うつすと治るっていうし、そういうことじゃない?」


ケロッとした顔で言うから余計むかつく。


……まぁ、でも、
おかげでもう少しこっち(東京)でこいつと居られそうなので、良しとしようか。

⏰:11/05/27 00:34 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#696 [ちか]
*
出来れば、
風邪が長引きますように。



「優しく看病しろよな…。」


「クスッ、もちろん。」




なーんちゃって。

  ― 第八話 e n d ―

⏰:11/05/27 00:39 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#697 [ちか]
*

第八話 寂しがりの誘惑
>>585-696

▼感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/

すごく不定期更新でしたが、第八話無事完結しました*
長い間お待たせしてしまいすいませんでした。

待っていてくださった方達のためにも、今のペース、今以上のペースで更新していけたらなと思っています

たくさんの応援
ありがとうございました!
みなさまのおかげです><
良ければ、
感想などよろしくお願いします。(*^^*)
*

⏰:11/05/27 00:44 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#698 [ちか]



第九話 隣のあの子

⏰:11/05/27 16:29 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#699 [ちか]
最近、気になる子が居る。



いや、ずっと前から
気になっていたのかも知れない。



隣のあの子のことを。

⏰:11/05/27 16:32 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#700 [ちか]
悴む寒さにも慣れてきた12月下旬。


ただ今会議室にて
生徒会役員会議中。


冷えしきる窓の外と
暖房の音がうるさい此処はまるで別世界。

⏰:11/05/27 17:00 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#701 [ちか]
もうじき僕がこの会議に参加することも無くなるのかと思うと、少し寂しい気もする。

しかしもうそういう時期なのだ、と改めて月日の早さを実感したりもした。


暖房器具のうめき声に霞んで聞こえづらい会議の内容を軽く耳に入れつつ、
ちょうど真向かいに向かう"その子"に目を向ける。

⏰:11/05/27 17:13 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


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