漆黒の夜に君と。U[BL]
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#651 [ちか]
「どうなんだよ?」


下から覗き込むようにして俺を見上げる凌。


もう後には引けない。

そう思った俺は、何かの糸が切れたように喋った。


「‥‥‥そうやで。」

⏰:10/08/17 22:39 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#652 [ちか]
「お前のこと好きなってもうたわ…。ははは
おかしいよな、あんだけ嫌いやったのに。自分でも思うわ。」

凌の顔なんてまともに見れなかった。
ずっと俯いたまま俺は話し続けた。


「でもちゃんと分かってるから!
お前の特別は恭だけやろ?分かってる分かってる…。
ちゃんと分かってるから…。やから今のこと忘れて良いから‥っ?!」

その瞬間頭が真っ白になった。

⏰:10/08/17 22:54 📱:P906i 🆔:ub5vwO4U


#653 [ちか]
クチュ..
という音と共に重なった感覚を残し、それは離れた。

「し…のぐ………?」


気が動転して何が起こったのか分からなかった。


「あ、ごめん。なんか可愛かったから。」

至って平然の凌。

⏰:10/08/18 00:26 📱:P906i 🆔:VIwejcJ2


#654 [ちぇりー]
更新嬉しい(^O^)

あげます(^O^)

⏰:10/08/27 20:46 📱:N04A 🆔:0uO2jY5Y


#655 [みぃ]
久しぶりにコメします(^^)


応援してます(´`*)

⏰:10/08/27 21:36 📱:P905i 🆔:LEPoqcQw


#656 [りん]
 更新頑張って下さい^^
 楽しみにしてます♪

⏰:10/09/01 22:16 📱:F02B 🆔:aDR2HeZc


#657 [みぃ]
あげる。(*・д・)ノ

⏰:10/09/04 00:35 📱:P905i 🆔:jPyq0brE


#658 [りん]
あげえ(´゚3゚`)

⏰:10/09/04 17:41 📱:F02B 🆔:Skx0tFHk


#659 [ちか]
>>654
ちぇりーさま
>>655
>>657
みぃさま
>>656
>>658
りんさま

あげてくれてありがとうございますm(__)m
更新遅れてすいません´`

⏰:10/09/23 22:35 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#660 [ちか]
>>653続き


全身が熱くなった
頭にきた


俺はこれでも真面目に悩んでたのに、それをコイツは……


「…ふざけんな!!!」



ムカつく
のに、なんで俺は
泣きそうな顔をしてるんや

⏰:10/09/23 22:40 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#661 [ちか]
勢いで立ち上がっていた俺は少し下にしゃがみこんでいる凌を見ながら言葉を続ける。

「意味分からん…。
人のことからかうのもいい加減にしろや!!
俺はこれでも真剣に…っ」


「真剣に?」


俺は見上げながら
真顔で聞き返す凌。


「‥‥‥‥‥真剣に、
  好きやのに……。」

その目で見られるのが
今は苦しい。

⏰:10/09/23 22:49 📱:P906i 🆔:nkA5QIjc


#662 [ちぇりー]
みてますよー(^O^)/

あげます(゚_゚)(。_。)

⏰:10/09/29 16:23 📱:N04A 🆔:skJr8xu2


#663 [さやか]
あげます(^ω^)

⏰:10/12/12 02:16 📱:F905i 🆔:yGishNtA


#664 [我輩は匿名である]
続き読みたいです(´・ω・`)

⏰:11/02/21 00:49 📱:SH004 🆔:wSRjfND.


#665 [しずく]
楽しみ!
がんば^_^

⏰:11/03/06 21:51 📱:PC 🆔:mzwUoJUg


#666 [我輩は匿名である]
あげます!

⏰:11/03/10 22:44 📱:SH004 🆔:1tv2YE4E


#667 [ちか]



長い間放置すいません。
また少しずつ更新していきます。
何かと忙しく、中途半端な更新をしてしまい、すいませんでしたm(__)m

読んでくれてる方々、
ありがとうございます。

⏰:11/05/21 22:14 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#668 [ちか]
>>661続き.


部屋中に沈黙が流れた。



時計の針が小刻みに部屋を駆ける音がして、焦燥感を煽る。



ポタ..


頬を一筋の水滴がなぞった。

⏰:11/05/21 22:19 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#669 [ちか]
それが涙やと気づくのに
そう時間はかからなかった


止めたいのに
一度溢れだしたら
ソレは止まることを知らない。



「…な、なんで泣いてるんかな?目に何か入って…、」


無理矢理何か言い訳を作って言葉を走らせていると、何か暖かいものが俺を包み込んだ。

⏰:11/05/21 22:52 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#670 [ちか]
それは熱を帯びた凌だった。


「ちょ…ッ、離せや…!!!離せ…っ、「黙って聞け。」



妙に落ち着きのある低い声が耳元でそう囁く。

⏰:11/05/21 23:02 📱:P906i 🆔:9eYr1Rng


#671 [ちぇりー]
待ってました(^^)
更新楽しみにしてます◎

⏰:11/05/23 00:43 📱:N04A 🆔:tktxA5dg


#672 [ちか]
>>671ちぇりーさま

いつもありがとうございます(*^^*)
がんばります!

⏰:11/05/23 21:57 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#673 [ちか]
>>670続き


「俺にとって特別なのは
恭弥だけだった。」


俺より頭一個分身長の高い男はそう話を続ける。


身長差のせいで、俺の顔は凌の胸に埋もれたまま。

そんな状態で
好きな男から聞きたくもない話を始められもう俺は気が気でない。

もうこれ以上、
聞くのはごめんやった。

これ以上話されたら
せっかくびっくりした拍子に止まった涙がまた零れてしまいそうやったから。


「恭弥が特別なことぐらい分かって…「特別だったんだよ。今までは。」

⏰:11/05/23 22:14 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#674 [ちか]
「…黙って聞けって言ってるだろ。」

少し溜め息混じりにそう言われても、黙っている方が無理やろ…。

そう言いたいところやったが反抗する気にもなれず、俺は黙ってその胸に埋もれた。


「前に会ったとき、恭弥に言われたんだ。
お前の特別は僕じゃない。思い込んでるだけだ。本当は別に"特別"が居るんだろ?って。
それからずっとその"別の特別"を考えてた。」


静かで無機質な部屋の中で俺に聞こえるのは、
凌の声と定期的に刻まれる心臓の音。
それ以外何も耳に入らなかった。

⏰:11/05/23 22:36 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#675 [ちか]
「それで…、
考えてたらこのザマだ。
風邪引いて、自分じゃどうしようもない状態になるまで気づかなかった。
誰か傍に居てほしくて、
自然と思い浮かんだ"誰か"がお前だった。
なんでかは自分でも良くわからない。」


「なんやねん、それ……。」

俺は世話係ちゃうっちゅうねん。
こいつ、何が言いたいんや。

もう俺は、半ば話に耳を傾けることにすら疲れはじめていた。

お互い表情が見えないせいか、凌はそんなことにも気づかずに喋り続ける。

⏰:11/05/23 22:46 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#676 [ちか]
「でもこうやって
傍に居てもらって分かったことがある。あんなに喧嘩ばっかりだったのに、なんでか、今傍に居ることがすごく落ち着くんだ。
帰ってほしくなくて、咄嗟に手を掴んだり。

今、こうやって
泣いてるお前を抱き締めてる。
抱き締めたいって思った自分が居る。」


心なしかその言葉のあと、抱き締めてる腕の力は一層強くなった。

⏰:11/05/23 22:52 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#677 [ちか]
心臓がドキドキする。

どっちの音なのか分からんけど、自分の体が熱いのは十分に分かっていた。


抱き締められているその腕の中で俺は、ぎゅっと目を瞑った。
その声と胸の音だけが聞こえるように。



「やっと分かった。
俺の特別はお前だったんだって。」


その瞬間、
俺は瞑っていた瞳(メ)からずっと我慢していた涙を溢した。

⏰:11/05/23 22:58 📱:P906i 🆔:hs3GZuoY


#678 [ちか]
「めぐる、好き。」



奇跡が起こったと思った。

ああ、俺は
どれだけその言葉を
待っていたんだろう。


どれだけこうなることを
望んでいたんだろう。



生きてきて初めだった。
こんなに幸福感で心が満たされたのは。

⏰:11/05/24 00:13 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#679 [ちか]
そして凌はゆっくりと
俺から腕を離した。


そしてその色白の大きな手は俺の両肩へと伸ばされ、しっかりと見つめられる。


綺麗な碧色の瞳に見つめられると、吸い込まれてしまいそうだった。

⏰:11/05/24 00:17 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#680 [ちか]
「好きだよ。」


凌は真剣な目でそう言った後、照れるようにして
目線をそらした。


胸がぎゅっと鳴った。


もう視界は
涙でぼんやりとしている。

⏰:11/05/24 00:20 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#681 [ちか]
「俺も‥‥大好き‥。」


やっと言えた一言だった。


涙に混ざって
ちゃんと届くような声で
言えたかは分からない。


だけど、
目の前で凌は
顔を赤くしてはにかんでいた。


そして言う。少し意地悪な笑顔を浮かべて。

「知ってる。」


と。

⏰:11/05/24 00:23 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#682 [ちか]
俺たちは
何度も確かめあうように
キスをした。


身長差のせいか
俺は少し背伸び気味で、
凌の首に腕を回す。

そんな俺を凌はぎゅっと抱き締めてくれた。


二度と離れたくない
と思うような、
そんな優しいキスを
何度も何度も
凌は俺に落としていった。

⏰:11/05/24 00:27 📱:P906i 🆔:f7upGI8o


#683 [我輩は匿名である]
更新ずっと楽しみにしていました(*´∀`*)完結までゆっくり頑張ってください!いつも見ています♪

⏰:11/05/24 19:41 📱:SH004 🆔:BdCMATJA


#684 [ちか]
>>683匿名さま
待っていてくださり、ありがとうございます(;_;)
更新がんばるので、またよろしくお願いします*

⏰:11/05/25 00:20 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#685 [ちか]
>>682続き


閉じていた目を開くと
すぐ目の前に大好きな奴の顔がある。

涙で濡れた俺の頬を
優しく拭ってくれる。


「……一つだけ聞きたいことあるんだけど‥‥。」


拭ってくれた優しい手つきとは裏腹に、凌は不安げな目で俺を見た。

⏰:11/05/25 00:26 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#686 [ちか]
「なに?」


曇る瞳を覗き込むように
問い返した。


「その……、
まだ適当な女(ヒト)と寝たりしてる‥‥?」


ずっと聞くのを我慢していたかのような、か細い声だった。

俺は必死に顔を横に振る。

⏰:11/05/25 00:40 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#687 [ちか]
「ほんとに?」


どうやらこいつは
相当疑り深いようだ。

……まぁ、自業自得か。


真っ直ぐに碧眼を見つめながら、嘘じゃないことを伝えるために必死で言葉をを紡いだ。


「ほんまになんもしてへん。ていうか、なんでかそういう気になられへんかってん。お前を好きなんやって気づいてからずっと…。」

やっと信じてくれたのか
その目は少し細くなり、
「良かった。」と呟く。

⏰:11/05/25 15:07 📱:P906i 🆔:FOgfge82


#688 [ちか]
「もうそういうことするなよ。」


そう言ってもう一度、
強く抱き寄せられた。

その温度が心地良い。


互いに高鳴る鼓動すら
愛しく思えた。


「これからお前に触れていいのは、俺だけ。」

⏰:11/05/26 01:15 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#689 [ちか]
「凌が俺にそんなん言うの、なんか変な感じ‥‥。」

「そう?」

「なんか、こう、まだ実感無いって言うか…。」

胸に顔を埋めると
凌の匂いがする。

この匂いも
この感触も
この温度も
全部俺の、なんて
やっぱりまだ夢みたいで。

「じゃあ、実感してみる?
その身体(カラダ)で。」

⏰:11/05/26 01:38 📱:P906i 🆔:uHqg6e/Y


#690 [ちか]
「なっ……に言って…ッ、ん」

動揺した隙に
つけこむように
意地悪いキスをされ、

その唇は
首筋へ落ちていく。

「あ‥‥や、しの…ぐっ、「なーんちゃって。」



は‥‥?

⏰:11/05/27 00:14 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#691 [ちか]
「風邪うつったら大変だから続きは今度…な。
なに、それともしたかった?つ・づ・き。クスッ」

「な………っ、///」


意地悪な笑顔を
俺に向けて決めこむその余裕さが気にくわない。


「ンなわけあるかっ!!!!////
あほ!!ぼけ!!どっか行け!!////」

動揺してしまってる自分も恥ずかしい。

⏰:11/05/27 00:18 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#692 [ちか]
「あははっ、痛いって。
でも、ちゃんと印はつけといたよ?ほら。」


もうすっかり日が暮れて
鏡のようになった窓を指差して凌は言う。

そこにはうっすらと見える紅い斑点。


「〜…っ!!!///」

「クスッ、顔真っ赤。(笑)」

「うるさいっ!!!!!/////」

⏰:11/05/27 00:24 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#693 [ちか]
今までは
鬱陶しいとしか思わなかったキスマークも、
好きな人からのだとこんなにも嬉しいのかと
初めて知った。


───────‥‥‥
───……

「は…ふあっくしゅんっ」



次の日、
俺は案の定風邪を引いた。

⏰:11/05/27 00:27 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#694 [ちか]
「まさか本当にうつるとは(笑)ま、舌入れてたし、仕方ないか。クスクス」


「笑い事ちゃうわ。あほ。」


昨日と
立場は逆転したようだ。


「お前はなんでそんな元気やねん…。っくしゅん。」

⏰:11/05/27 00:31 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#695 [ちか]
「うつすと治るっていうし、そういうことじゃない?」


ケロッとした顔で言うから余計むかつく。


……まぁ、でも、
おかげでもう少しこっち(東京)でこいつと居られそうなので、良しとしようか。

⏰:11/05/27 00:34 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#696 [ちか]
*
出来れば、
風邪が長引きますように。



「優しく看病しろよな…。」


「クスッ、もちろん。」




なーんちゃって。

  ― 第八話 e n d ―

⏰:11/05/27 00:39 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#697 [ちか]
*

第八話 寂しがりの誘惑
>>585-696

▼感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/

すごく不定期更新でしたが、第八話無事完結しました*
長い間お待たせしてしまいすいませんでした。

待っていてくださった方達のためにも、今のペース、今以上のペースで更新していけたらなと思っています

たくさんの応援
ありがとうございました!
みなさまのおかげです><
良ければ、
感想などよろしくお願いします。(*^^*)
*

⏰:11/05/27 00:44 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#698 [ちか]



第九話 隣のあの子

⏰:11/05/27 16:29 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#699 [ちか]
最近、気になる子が居る。



いや、ずっと前から
気になっていたのかも知れない。



隣のあの子のことを。

⏰:11/05/27 16:32 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


#700 [ちか]
悴む寒さにも慣れてきた12月下旬。


ただ今会議室にて
生徒会役員会議中。


冷えしきる窓の外と
暖房の音がうるさい此処はまるで別世界。

⏰:11/05/27 17:00 📱:P906i 🆔:jTVAZp2g


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