こいごころ
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#421 [向日葵]
まだ怒っているとの意思表示のつもりだ。

「おい……」

案の定、宗助が不服そうな声を出す。

「そっちに向いたもん」

「茉里」

一拍おいて、茉里は驚く。

え?

顔を急いで上げると、宗助の顔は耳まで真っ赤になっていた。

⏰:10/01/07 15:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#422 [向日葵]
「まっか……」

気の抜けるような声で感想をそのまま告げると、宗助はさらに顔を赤らめる。

「い……っておくがな、俺は誰かと付き合うとか、好きだって伝えるとか、名前を呼ぶとか、全部はじ……始めてなんだ」

「うっそぉ!」

変なイントネーションで驚いてしまう茉里。
更に宗助を真っ赤にさせる。

「……で、これからは名前で呼んでくれるの?」

⏰:10/01/07 15:18 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#423 [向日葵]
「…………考えとく」

「よしっ」

満足そうに微笑む茉里を見て、宗助はホッとしたようだった。

ただ名前を呼ぶだけ、それだけにどれだけ勇気を出してくれたのかと思うと、なんだか今日呼んでくれただけでいいと思えた。

どんなことにも不器用ながら、一生懸命答えを考えてくれる宗助は、茉里の胸の中を温かくしてくれる。

また歩きだした宗助の手をそっと握ると、痛くならない程度に力を入れて握り返してくれる。

⏰:10/01/07 15:18 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#424 [向日葵]
気持ちの温度差は違えど、きっと同じように感じてくれているだろうとわかるから、口が自然と綻ぶ。

こんな幸せな時がくるだなんて、ついこの間までの自分は知らなかった。

宗助はいつも彼女に新しい何かを与えてくれる。
茉里もまた、彼に新しい何かを与えている。

そうやって、お互いにないものを見つけながら、一緒にずっといたいと茉里は思った。

⏰:10/01/07 15:19 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#425 [向日葵]
「そういえば、年明けたら修学旅行だね!宗助、私と一緒の班になろうよ!」

「久瀬が許すか?」

「なんでミュー?」

茉里は、ミュシャが宗助と犬猿の仲だと言うことは知らない。
もちろんミュシャが宗助を気に入ってないのは知っているが、夏休みの時に喧嘩を売りに行っていたり、終業式の日に一方的に言葉をぶつけてきたなんてことは知らない。

「まあ大丈夫よ!私がちゃんと説得するし」

⏰:10/01/21 03:19 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#426 [向日葵]
そう言う茉里に、宗助はにっこり笑う。
宗助も、茉里とは同じ班になりたいと思ってくれていたようだ。

幸せすぎるのが切なくて、茉里はなんだか泣きたくなった。

――――――――……

家に一旦帰った華名は、茉里のことを思い出して微笑んでいた。

今度はいつ会えるだろうか。

メールアドレスを知ったことだし、メールをしてみようかな。

⏰:10/01/21 03:20 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#427 [向日葵]
その時、家のインターホンが鳴った。
これから用事がある。
もしセールスとかだったら長引くし、めんどくさい。

ここは居留守を使うか。

しかし、そんな華名にドアを開けさせようとするかのように、インターホンが何回もなる。

さすがにしつこすぎて、穏やかな華名も苛立つ。
勢いよく、ドアを開けてやった。

「わあ!ちょっと!」

目の前の人物に、華名は口を大きく開ける。

「久しぶり、華名」

⏰:10/01/21 03:20 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#428 [向日葵]
「栞ちゃん!」

そう呼ばれる女の子は、肩までの茶色い、少し波立った髪を揺らしながら、人懐っこい笑みを浮かべる。

歳は、16歳くらいだろうか。
まだ幼さの残る顔を、華名に近づける。

「ねえ、宗助は?」

「お出かけ中ー!しかも、彼女とー!」

そう言った途端、栞の顔から笑顔が消えた。
そして少し眉間にしわを寄せる。

⏰:10/01/21 03:21 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#429 [向日葵]
華名はそんな栞の変化に気づかず、にこにこしながら栞の言葉を待つ。

「彼女?いたの?」

少し低めの声で問う。

「うん。ついこの間できたみたいーラブラブなんだよお」

「へー……」

ラブラブねえ……。
でも付き合い始めなら、ラブラブなのは当たり前よね。
そういう時は、少しの綻びが大きな穴になるんだよ。

⏰:10/01/21 03:21 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#430 [向日葵]
「あたしね、来年の新学期からこっちの高校に来ることになったの」

「えー!ほんとーう?」

「しかも、おばさんがこの家に来ていいって!」

人懐っこい笑みを作るが、その裏は黒い気持ちでいっぱいだった。

大丈夫。宗助はすぐに目が覚める。
だってあたしがいつも近くにいるんだもの。

⏰:10/01/21 03:43 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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