こいごころ
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#426 [向日葵]
そう言う茉里に、宗助はにっこり笑う。
宗助も、茉里とは同じ班になりたいと思ってくれていたようだ。
幸せすぎるのが切なくて、茉里はなんだか泣きたくなった。
――――――――……
家に一旦帰った華名は、茉里のことを思い出して微笑んでいた。
今度はいつ会えるだろうか。
メールアドレスを知ったことだし、メールをしてみようかな。
:10/01/21 03:20
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#427 [向日葵]
その時、家のインターホンが鳴った。
これから用事がある。
もしセールスとかだったら長引くし、めんどくさい。
ここは居留守を使うか。
しかし、そんな華名にドアを開けさせようとするかのように、インターホンが何回もなる。
さすがにしつこすぎて、穏やかな華名も苛立つ。
勢いよく、ドアを開けてやった。
「わあ!ちょっと!」
目の前の人物に、華名は口を大きく開ける。
「久しぶり、華名」
:10/01/21 03:20
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#428 [向日葵]
「栞ちゃん!」
そう呼ばれる女の子は、肩までの茶色い、少し波立った髪を揺らしながら、人懐っこい笑みを浮かべる。
歳は、16歳くらいだろうか。
まだ幼さの残る顔を、華名に近づける。
「ねえ、宗助は?」
「お出かけ中ー!しかも、彼女とー!」
そう言った途端、栞の顔から笑顔が消えた。
そして少し眉間にしわを寄せる。
:10/01/21 03:21
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#429 [向日葵]
華名はそんな栞の変化に気づかず、にこにこしながら栞の言葉を待つ。
「彼女?いたの?」
少し低めの声で問う。
「うん。ついこの間できたみたいーラブラブなんだよお」
「へー……」
ラブラブねえ……。
でも付き合い始めなら、ラブラブなのは当たり前よね。
そういう時は、少しの綻びが大きな穴になるんだよ。
:10/01/21 03:21
:SH05A3
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#430 [向日葵]
「あたしね、来年の新学期からこっちの高校に来ることになったの」
「えー!ほんとーう?」
「しかも、おばさんがこの家に来ていいって!」
人懐っこい笑みを作るが、その裏は黒い気持ちでいっぱいだった。
大丈夫。宗助はすぐに目が覚める。
だってあたしがいつも近くにいるんだもの。
:10/01/21 03:43
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#431 [向日葵]
恋愛なんて、少し距離があるだけで簡単に壊れちゃうんだから。
最近できた彼女だかなんだか知らないけど、あたしはアンタになんか負けない。
いや違う。
あたしは帰ってきたのよ。
宗助を、自分のものにするために。
:10/01/21 03:44
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#432 [向日葵]
[12]そばに
「そーうーすーけー」
と呼んでいるのは、茉里ではない。
茉里は少し離れたとこれで、華名と遊びながら、2人の様子を見ている。
「ゲームしよゲーム!」
「お前強いから嫌」
「なによー、いいじゃん!」
そう言って、宗助の腕に絡みながら、引っ張っていく栞。
そんな彼女と、ふいに茉里は目が合った。
:10/01/21 03:44
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#433 [向日葵]
にっこりと言ったふうに笑う彼女に、他意はないだろうと思いながらも嫌な気分が胸を覆うせいで、笑顔が引きつる。
あの子、なんなの……?
―――――――…………
新しい年を迎える前の日。
茉里は華名に誘われて宗助の家に来ていた。
華名からその前の日、泊まりに来ないかとメールがあったからだ。
茉里が大嫌いな父はずっと家にいるから、彼女には嬉しい誘いだった。
:10/01/21 03:45
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#434 [向日葵]
しかし、仮にも恋人の家に泊まるのは反対されないかと心配になったが、あくまで友達である華名の家に行くので、「友達の家に泊まる」と告げた。
嘘ではない。
宗助がいつも降りる最寄り駅で華名と待ち合わせをし、初めて宗助の家を見た。
どこにでもある、普通の2階建ての家だ。
「おじゃまします」
「どうぞ」
:10/01/21 03:45
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#435 [向日葵]
そう言ったのは、待っていたかのように玄関にいた女の子だった。
とても可愛らしい。
茉里を見ると、人懐っこい笑みを向ける。
「こんにちわ、茉里さん」
初めて会う人に戸惑い、誰なのかと華名に目で問い掛ける。
のんびり屋の華名が答える前に、その人物が答えた。
「あ、自己紹介が遅れました。あたしは田辺栞。華名や宗助とは昔からの幼なじみで、とーっても親しくさせてもらってます」
:10/01/21 03:46
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