こいごころ
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#888 [向日葵]
「可愛いやつめ!心配しなくてもちゃんと遊びに来てあげるわよ」
「来なかったら罰金ですからね」
「そういえば、他の子たちはー?」
「もうすぐ来ると思いますよー。あ、茉里ちゃんは少し遅れるかもー。デジカメ教室に忘れたとかって言ってたから」
集まれば、みんなワイワイと話だすので、ただでさえ声が響く廊下がよりうるさい。
そんな中、千早先輩だけが、何かを考えているかのようにしていた。
:11/09/03 23:17
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#889 [向日葵]
「ねえねえ綾香ちゃん」
「はい?」
「お願いがあるの」
―――――――――…………
少ししてから、宗助がやって来た。
他の部員は道場で盛り上がっているらしく、外まで笑い声がきこえてくる。
入り口にある下駄箱付近に、綾香と千早先輩が談笑していて、宗助は二人に寄っていった。
二人も宗助に気づく。
:11/09/03 23:19
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#890 [向日葵]
「やっと来たね宗助」
「すみません、遅くなって」
一言言ってから、宗助は少し背筋を伸ばしてから、軽く頭を下げる。
「ご卒業、おめでとうございます」
「ありがとう。……ったく、アンタはいつまでも堅いねー」
「……余計なお世話です」
「ところで笹部くん。茉里ちゃん知らない?なかなか来ないんだけど」
:11/09/03 23:19
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#891 [向日葵]
「さあ……。俺も友達と話してたりして、別々だったから」
なあんだ、と綾香はため息をつく。
「もしかして……」
千早先輩がつぶやく。
しかしハッとして手を口にあてる。
まるで言ってはいけないことを言いそうになったかのように。
気になった宗助て綾香は、先輩のほうを首を傾げてみつめる。
「先輩、なにが“もしかして”なんですか?」
:11/09/03 23:20
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#892 [向日葵]
宗助が眉間にしわを作って訊く。
「ええっと……」
千早先輩のわりに歯切れが悪い返事が返ってくる。
宗助は無言で千早先輩に詰め寄る。
「あのね……、茉里ちゃんって結構人気者だから、告白する人があとをたたないんじゃないかなって……。告白するぞ!って意気込んでる人もいるって小耳にはさんだし」
綾香はのんきに「茉里ちゃんモテるもんねー」と言う。
宗助はさっきよりも表情が硬くなって、口に軽く力を入れて入れる。
:11/09/03 23:21
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#893 [向日葵]
そんな宗助を知ってか知らずか、千早先輩は続ける。
「ファンクラブとまではいかないけど、茉里ちゃんの友達の久瀬さんだっけ?2人は結構なファンがいたわよ」
「ファンクラブって今どきあるんですか……?」
「現に北高の沢口くんはファンクラブあるじゃない」
会話が穏やかに和やかに交わされるなか、宗助の表情はだんだんと険しくなっていく。
これは迎えにいくべきなのか……?
迷ってる宗助に追い討ちとばかりに、綾香たちの会話が進められる。
:11/09/03 23:22
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#894 [向日葵]
:11/09/03 23:24
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#895 [向日葵]
「すぐにあきらめてくれる相手ならいいですけどね」
「昨今物騒になったもんね。変わった人も多くなってるし」
「気をつけなきゃ茉里ちゃん危ないですよね!?私迎えに行こうかな……っ!?」
その綾香の言葉が終わるか終わらないかで、宗助が素早く回れ右をして走って行った。
走っていく所は、言うまでもないだろう。
:11/09/10 01:24
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#896 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
「まったく、遅いわよ行動が」
走って行った宗助を見ながら、千早先輩が呟く。
綾香はあははと笑う。
「あー面白かった!でも先輩、今のがお願いですか?」
「うんそうよ。茉里ちゃんのお願いを叶えてあげようと思って」
綾香は首を傾げる。
そんなこと茉里は言っただろうか。
表情から綾香の思っていることを読み取った千早先輩は、にっこりと笑う。
:11/09/10 01:24
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#897 [向日葵]
「バレンタインの時言ってたじゃない。宗助の焦ったとこを見てみたいって」
確かに言っていた。
でもそれは結局実行されず、その計画はどこかへ消えてしまったのだった。
綾香は目を見開く。
そんな前のことを覚えていただなんて。
「先輩はやっぱりすごいですね」
「それほどでも〜。さ、私たちもみんなの輪の中に入りますか」
「そうですね。カップルはカップルでお楽しみタイムでしょうし」
二人であっはっはと笑いながら、さらに大きな声で笑っている道場の中へと入って行った。
:11/09/10 01:25
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