こいごころ
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#171 [向日葵]
茉里は目を輝かせる。
宗助がそこまで自分の事を考えて配慮してくれるだなんて、嬉しすぎる。

思わず満面の笑みを宗助に見せる。
宗助は目を見開く。
口元を隠したと思えば、茉里に背を向けた。

「じゃあ、あとで……」

「え?宗助?」

急に行ってしまって、茉里の頭にハテナが何個も浮かぶ。

それにしても、宗助と一緒にいれるなんて、夢のようだ。

⏰:09/05/22 01:47 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#172 [向日葵]
茉里が嬉しがっているのを、振り向いた宗助はちらりと見る。

びっくりした。
あんなに嬉しそうに笑うから。

胸に手を当てれば、胸がドキドキしていた。

違う。これはそういう意味じゃない。
ホントに可愛く笑うから、驚いただけだ。

胸の動悸の本当の理由を、宗助は認めようとはしなかった。

一方、取り残された茉里は、いつもと違う宗助に違和感を感じながらも、宗助が自ら自分を気遣って誘ってくれるのが嬉しかった。

⏰:09/05/22 01:48 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#173 [向日葵]
「先生の話ってどんなだろうね」

たまたま売店に来た後輩が喋っているのを耳にする。

「さあね。でもなんか先生この辺のそういう話詳しいらしくって、さっき得意そうに、お前たちの怖がる顔が楽しみだとか言ってたよ」

「わー!聞き応えありそーっ」

そう言い、何か買って帰った後輩の後ろ姿を、茉里は黙って見送る。

いくらペアが宗助だと言っても、怖いという感情は、また別のものなのだった。

⏰:09/05/22 01:48 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#174 [向日葵]
―――――――――…………

「ってわけで、コースは言ったとおり、この道をぐるっとまわる。まあ短いから、さほど怖くないけどな」

そう言って、男子副キャプテンは仕切る。
茉里はと言うと、先ほどの先生が話した怖い話のおかげで、顔面蒼白の脱け殻状態になっていた。

どうして皆そんなに楽しそうに出来るわけ?

毎年恒例ては言え、今から行く道の暗いこと。
道の両端は森のようになっているし、しかも短いだなんてとんでもない。

帰ってくるまで20分はかかる。

⏰:09/05/22 01:48 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#175 [向日葵]
不気味でしょうがない。

先生の話を思い出せば、背筋にゾクゾクと寒気が走る。

「おい」

宗助が話しかける。

「次、俺ら行くぞ」

「えー……もうー……?」

「嫌なことはさっさと済ます」

他人事だからって……。ちょっとは優しくしてよね……。

しぶしぶ茉里、宗助ペアは、恒例肝試しロードを歩き始めた。

生い茂る木が、今にも化け物にかわるんじゃないかとビクビクしている茉里は、黙々と歩いていく宗助に必死について行く。

⏰:09/05/22 01:49 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#176 [向日葵]
「ねえ、もうちょっとゆっくり歩いてよ……」

「さっさと済ます」

意地悪……。

その時、ガサッと茂みで何かが動く。

「いっ、やあーっ!」

飛び付くように、宗助の背中にしがみつく。
倒れそうになった宗助だが、なんとか耐えた。

「なんなんだ!」

「そこ!そこに!」

「猫かなにかだろ?大袈裟」

冷たい……。

⏰:09/05/22 01:49 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#177 [向日葵]
なによ。これが先輩なら、「大丈夫ですか?」の一言くらい格好つけて言うくせに。
ほんの一言、なんか言ってくれてもいいじゃないっ!

……どうせ、今私が消えたとしても、宗助は何も思わないんでしょうね……。

茉里がふと横に目を向けると、何かが一瞬光ったように思った。

「蛍?」

「おい、加賀」

「宗助!蛍、蛍がいるよ!」

「どうでもいいよ。早く終わらすぞ」

どうでも……。

⏰:09/05/22 01:49 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#178 [向日葵]
何かが、茉里の中で切れた。

先々行く宗助の背中を睨みつける。

そんなに、私といるのが面倒くさいなら、1人でゴールしなさいよ。
私は、どうでもいい蛍を見つけてやるんだから!

支離滅裂にそう思いながら、茉里は茂みへと入っていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ん?おかしい。
さっきまで少しの物音でギャーギャー言っていた茉里が、何も言わなくなってしまった。

もしかして、怖くてだんまりになったのだろうか?

⏰:09/05/26 01:29 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#179 [向日葵]
「あー……、加賀?大丈夫だって。先生の話、実はフィクションらしいし、信憑性自体ないっていうかさ……」

安心させるように話しかけてみるが、反応がない。

「加賀?」

さすがに異変に気づいた宗助は、後ろを振り返る。
そして驚いた。
それもそのはず。
さっきまで居たはずの茉里が、忽然と姿を消しているのだから。

「……っ加賀!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どーしよ……。

⏰:09/05/26 01:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#180 [向日葵]
あまりに頭にきたもんだから忘れていた。
自分は、怖いものが苦手だった。……なのにどうしてこんな場所に。

茉里がいる場所は、歩いていた道の脇の茂みの中、というよりも、軽い森のような場所。

しかも頭にきていたのと、蛍を探すので必死になっていた為、現在地不明状態になっている。

さらにおさらく木の幹だろうところに足を引っかけ、昼間にひねった場所に痛みがはしって歩きにくい。

もちろん、蛍なんてどこへ行ったのやら、だ。

⏰:09/05/26 01:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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