こいごころ
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#411 [向日葵]
私みたいに。

でも華名と茉里の父とはまた訳が違う。
華名はこんなにもいい子だ。

それに比べて……。
と茉里はついイラッとしてしまう。

あんな最低な奴に、何故どんどんと女が寄ってくるのかが分からない。

こういういい子にこそ、人は寄るべきだと思う。

「私は、華名ちゃんの喋り方好きだよ。なんだかホッとするし、和むっていうかさ」

⏰:10/01/01 02:23 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#412 [向日葵]
照れたように、けれど嬉しそうに笑う華名は、ぴたりと茉里に寄り添う。
懐いてくれたみたいだと思えば、1人っ子で兄弟がいない茉里は、妹みたいだと華名が可愛くて仕方なくなった。

「お取り込み中悪いんだが……」

後ろから宗助が茉里たちを見下ろしていた。

「本当にタイミング悪いよ、宗兄い」

「だから謝ってんだろ。ところで腹が減った。どこか食べに行こう」

⏰:10/01/01 02:23 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#413 [向日葵]
「えー、まだ茉里ちゃんとお話したいー」

茉里の腕をギュッと組みながら、宗助を見る。

「朝から付き合わされた身になってくれ。お前は早くに起きたかもしれないけど、俺はお前から叩き起こされて、朝飯を食わせてもらえないままここまで来たんだぞ」

「わかったよう。でも華名はあ、お昼から他の用事があるから、とりあえず家に帰ります」

⏰:10/01/01 02:24 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#414 [向日葵]
なんじゃそりゃ、と宗助はカクンとこける真似をする。
マイペースすぎるほどマイペースな華名に、茉里は笑ってしまう。
「あ、華名ちゃん、携帯持ってる?」

「持ってますよー」

だした携帯は、華名の雰囲気には似合わない黒い携帯だったので、一瞬ポカンとしてしまった。

赤外線でメールアドレスを交換した華名は、満足といった風に微笑み、スキップするみたいに駅へと向かって行った。

⏰:10/01/07 15:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#415 [向日葵]
そして隣に宗助が残っていたので、アレ?と思う。

「なんで……」

しかし茉里はすぐに口を紡ぐ。
また怒鳴られないかと目をすがめる。

宗助が残る理由はただ1つ。
茉里が心配だからだ。

そんな茉里を見て、宗助はため息をつくが、そのため息とは別のことを話し始めた。

「中学で、バドミントン部ってあったんだ?」

「え……あ、ううん。放課後とかよく友達と学校の借りて遊んでたの」

⏰:10/01/07 15:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#416 [向日葵]
「じゃあ、帰宅部?」

「ううん、家庭科部。お菓子とか作ってたの。あ、また宗助にも作ってあげるからね!」

「あ、そうだ。お菓子とか言ったから、腹減ってたこと思い出した。なに食べたい?」

歩きだしなから言う。
茉里もその隣に並んで歩きだす。

「なんでも。でも久々にバーガーとか食べたいかも」

「じゃああの有名なとこだな」

⏰:10/01/07 15:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#417 [向日葵]
「看板がMの?」

「そういうこと」

どちらからともなく、手を繋ぐ。
もう、そうすることが当然のようになっていることに気づいた茉里は、密かに頬を染める。

そこで先日、宗助にあーだこーだ言って争っていたあのことを訊いてみる。

「ねえ、いい機会だから、いっそ名前呼んじゃってみてよ」

急なことにむせる宗助。

「いい機会って、どんな機会だよ」

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#418 [向日葵]
「なーまーえ!なーまーえ!」

茉里の名前コールに、うんざりしだす宗助。
その表情に、ムッとする茉里。

「なによ!恋人にはなっても、名前は呼べないって?じゃあ宗助は私と結婚しても”加賀“って呼ぶ気かあー!」

「考えが極端なんだよアンタは」

別に本気で怒ってない茉里は、勢いでも、その場のノリでもいいから名前を呼んでほしかった。

宗助に、名前を呼ばれたらどんな感じになるかを知りたかったのかもしれない。

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#419 [向日葵]
「……呼ばなきゃ宗助のことメガネって呼んでやる……」

「発想が幼稚すぎるぞ」

歩いた足を止め、茉里はそっぽを向く。
宗助も足を止め、困ったように眉を寄せる。

ここまで頑なに名前を呼ばないと言われては、まだ彼女である事を認めてないかのような気分になる。

宗助は確かに自分に彼女になって欲しいと言ってくれたし、彼女前よりは雰囲気も多少なりともあまくなったはずなのに、こんなことでは以前と変わらない。

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#420 [向日葵]
そう思えば泣きたくなった。
ひとりよがりな気分は、もう卒業できると思っていたのに……。

宗助がそっと息を吐きだし、繋いでいない方の茉里の手を握る。

向かいあうようにしても、茉里はまだそっぽを向いていた。

「悪かった……。だから拗ねるな」

「人を子供みたいに……」

「だから……。とりあえずこっちを向いてくれ」

言われて、ゆっくりと首を動かす、が、まだ目は合わせない。

⏰:10/01/07 15:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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