こいごころ
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#416 [向日葵]
「じゃあ、帰宅部?」

「ううん、家庭科部。お菓子とか作ってたの。あ、また宗助にも作ってあげるからね!」

「あ、そうだ。お菓子とか言ったから、腹減ってたこと思い出した。なに食べたい?」

歩きだしなから言う。
茉里もその隣に並んで歩きだす。

「なんでも。でも久々にバーガーとか食べたいかも」

「じゃああの有名なとこだな」

⏰:10/01/07 15:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#417 [向日葵]
「看板がMの?」

「そういうこと」

どちらからともなく、手を繋ぐ。
もう、そうすることが当然のようになっていることに気づいた茉里は、密かに頬を染める。

そこで先日、宗助にあーだこーだ言って争っていたあのことを訊いてみる。

「ねえ、いい機会だから、いっそ名前呼んじゃってみてよ」

急なことにむせる宗助。

「いい機会って、どんな機会だよ」

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#418 [向日葵]
「なーまーえ!なーまーえ!」

茉里の名前コールに、うんざりしだす宗助。
その表情に、ムッとする茉里。

「なによ!恋人にはなっても、名前は呼べないって?じゃあ宗助は私と結婚しても”加賀“って呼ぶ気かあー!」

「考えが極端なんだよアンタは」

別に本気で怒ってない茉里は、勢いでも、その場のノリでもいいから名前を呼んでほしかった。

宗助に、名前を呼ばれたらどんな感じになるかを知りたかったのかもしれない。

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#419 [向日葵]
「……呼ばなきゃ宗助のことメガネって呼んでやる……」

「発想が幼稚すぎるぞ」

歩いた足を止め、茉里はそっぽを向く。
宗助も足を止め、困ったように眉を寄せる。

ここまで頑なに名前を呼ばないと言われては、まだ彼女である事を認めてないかのような気分になる。

宗助は確かに自分に彼女になって欲しいと言ってくれたし、彼女前よりは雰囲気も多少なりともあまくなったはずなのに、こんなことでは以前と変わらない。

⏰:10/01/07 15:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#420 [向日葵]
そう思えば泣きたくなった。
ひとりよがりな気分は、もう卒業できると思っていたのに……。

宗助がそっと息を吐きだし、繋いでいない方の茉里の手を握る。

向かいあうようにしても、茉里はまだそっぽを向いていた。

「悪かった……。だから拗ねるな」

「人を子供みたいに……」

「だから……。とりあえずこっちを向いてくれ」

言われて、ゆっくりと首を動かす、が、まだ目は合わせない。

⏰:10/01/07 15:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#421 [向日葵]
まだ怒っているとの意思表示のつもりだ。

「おい……」

案の定、宗助が不服そうな声を出す。

「そっちに向いたもん」

「茉里」

一拍おいて、茉里は驚く。

え?

顔を急いで上げると、宗助の顔は耳まで真っ赤になっていた。

⏰:10/01/07 15:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#422 [向日葵]
「まっか……」

気の抜けるような声で感想をそのまま告げると、宗助はさらに顔を赤らめる。

「い……っておくがな、俺は誰かと付き合うとか、好きだって伝えるとか、名前を呼ぶとか、全部はじ……始めてなんだ」

「うっそぉ!」

変なイントネーションで驚いてしまう茉里。
更に宗助を真っ赤にさせる。

「……で、これからは名前で呼んでくれるの?」

⏰:10/01/07 15:18 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#423 [向日葵]
「…………考えとく」

「よしっ」

満足そうに微笑む茉里を見て、宗助はホッとしたようだった。

ただ名前を呼ぶだけ、それだけにどれだけ勇気を出してくれたのかと思うと、なんだか今日呼んでくれただけでいいと思えた。

どんなことにも不器用ながら、一生懸命答えを考えてくれる宗助は、茉里の胸の中を温かくしてくれる。

また歩きだした宗助の手をそっと握ると、痛くならない程度に力を入れて握り返してくれる。

⏰:10/01/07 15:18 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#424 [向日葵]
気持ちの温度差は違えど、きっと同じように感じてくれているだろうとわかるから、口が自然と綻ぶ。

こんな幸せな時がくるだなんて、ついこの間までの自分は知らなかった。

宗助はいつも彼女に新しい何かを与えてくれる。
茉里もまた、彼に新しい何かを与えている。

そうやって、お互いにないものを見つけながら、一緒にずっといたいと茉里は思った。

⏰:10/01/07 15:19 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#425 [向日葵]
「そういえば、年明けたら修学旅行だね!宗助、私と一緒の班になろうよ!」

「久瀬が許すか?」

「なんでミュー?」

茉里は、ミュシャが宗助と犬猿の仲だと言うことは知らない。
もちろんミュシャが宗助を気に入ってないのは知っているが、夏休みの時に喧嘩を売りに行っていたり、終業式の日に一方的に言葉をぶつけてきたなんてことは知らない。

「まあ大丈夫よ!私がちゃんと説得するし」

⏰:10/01/21 03:19 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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