悪 魔 の 誕 生 日
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#170 [七瀬]
 
「雷も食べる?」

くりくりした目で
聞いてくる。


『…いらない。』

「ふぅん、そ。」

そうやって
本日2個目のプリンを食べはじめた。


「これ。」

口をもごもご動かしながら指さす真姫。

⏰:09/04/19 21:19 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#171 [七瀬]
 
 
その先に目を向ける。


「なんの絵か分かる?」

プリンを乗せている皿にはなんらかの絵が描かれている。



『…かぼちゃの馬車?』


「当たり。」
 

⏰:09/04/19 21:22 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#172 [七瀬]
それは、かぼちゃの馬車に女の子…

多分シンデレラだろう。

シンデレラが
かぼちゃの馬車に乗っている絵が黒いシルエットになって皿にプリントされている。

その絵は皿だけでなく
カップ、机、窓と喫茶店の至るところに描いてある。


「ここはね。
かぼちゃのお菓子の専門店なの。」
 

⏰:09/04/19 21:28 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#173 [七瀬]
 
『へぇ、そうなんだ。』


気付かなかった。

ただ疲れていて
姫に促されるがまま
この店に入った。


「うん。
今、姫が食べてるのも
かぼちゃプリンだもん。」


そう言われたら
なんか色の濃いプリンだなと思った。

⏰:09/04/19 22:43 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#174 [七瀬]
「他にも、シフォンとか
マフィンとか、かぼちゃを使ったスゥィーツがいっぱいあるの。」

確かに、周りを見ると
オレンジの濃いお菓子が
並んでいた。

かぼちゃを使ってたから
みんな、あんな色だったんだ。


「それでね、雑誌にも載ったことあるんだよー。
この店。」

かぼちゃプリンを
頬張る真姫。

⏰:09/04/19 22:51 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#175 [七瀬]
 
「ま、姫は雑誌に載る前から来てたけどね。」

得意気に話す姫が
とても愛らしく見えた。



『じゃあ、
このかぼちゃの馬車に乗ってるのは姫だな。』


「あったりまえー!」


嬉しそうな真姫の姿に
俺もうれしくなった。

⏰:09/04/19 22:55 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#176 [七瀬]
 
その笑顔は
やっぱり本物のお姫さまみたい。



「姫がシンデレラならー、雷はね…」

『王子さま?』


…が幸せな時間は
長くは続かない。



「ううん、これ。」
 

⏰:09/04/19 22:59 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#177 [七瀬]
 
そうやって
また皿の絵に指さす。


これって…




「お馬さーん。」


かわいくおどけて見せる
真姫とは対照的に
俺はいやーな予感。
 

⏰:09/04/19 23:03 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#178 [七瀬]
 
姫はかぼちゃの馬車の前にいる馬を指さしていた。


「雷はねー、
いっつも姫に付き合ってくれるでしょ?
だからいつも馬車を引っ張ってくれるお馬さん!」



それって要するに
パシリじゃん!!
 
 
声が出ない。
 

⏰:09/04/19 23:11 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


#179 [七瀬]
 
この姫の言葉は
俺がこの一週間に感じていた小さなしこりを大きくしてしまった。



俺たちは本当に
付き合っているのか?


姫のわがままに振り回されても

俺はこれを“デート”
だと思っていた。
 

⏰:09/04/19 23:15 📱:N703iD 🆔:0xVppyms


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