悪 魔 の 誕 生 日
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#331 [七瀬]
 
「いいじゃない。
かわいいし。お馬さん!」

『…悪魔。』


「悪魔はやだ!!
かわいくないもん。」

姫はまた膨れっ面に。

「せめて小悪魔にしてよ。」


小悪魔?

『いーや、そんな生ぬるいもんじゃねえよ。』
 

⏰:09/04/28 22:28 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#332 [七瀬]
 
「昨日の雷よりはマシ。」

『俺は、もう引退したんだよ。』

姫が入れてくれた
コーヒーを口へ運んだ。


「もーっ、じゃあ男同士の秘密ってことにしといてあげる。」

『…生ぬるい。』


「…??」

コーヒーが。

⏰:09/04/28 22:31 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#333 [七瀬]
 
俺の最後の
“生ぬるい”は伝わらず、


前から思っていた疑問の
一つを姫にぶつけた。


『ねぇ、姫って
なんで自分のこと“姫”って呼んだり“私”って呼んだりするの?』

「ん〜?それはね。」


俺の前に座った。

⏰:09/04/28 22:44 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#334 [七瀬]
 
 
「悪魔同士の秘密ー!!」

今度は無邪気に笑う姫。


『じゃー、悪魔なんだから俺にも教えてよ〜。』

「あら?引退したんじゃなかったかしら。」


まるっきり
さっきと反対の状況。

もちろん、さっきと同様に今度は俺が膨れる。

⏰:09/04/28 22:48 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#335 [七瀬]
 
そんな俺を見て
現役悪魔は満足したよう。

「えーっとね、
姫は自分のことを
基本“姫”って呼ぶの。」

『うんうん。』

それは知ってる。


「でも、“私”って呼ぶ時もあります。」

だから!


『なんで?』

⏰:09/04/28 23:00 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#336 [七瀬]
 
「うん?姫の気分?」

そうやって
ロールパンを一口かじる。


『気分って…』

さすが、悪魔。

というより、お姫さま?


「あとはー、初対面の時とか。」

補足するように
姫は言った。

⏰:09/04/28 23:03 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#337 [七瀬]
 
「文を読む時とかは
“私”って呼ぶよ。」

それは
当たり前のことなんじゃ…


「ママに怒られた。
せめて人の前でくらいは、“私”にしなさいって。」

そりゃ、ごもっとも。


でも…

『姫は“姫”って呼ぶ方がらしいよ。』

⏰:09/04/28 23:42 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#338 [七瀬]
 
すると、姫は
「ありがと。」って笑った。

その笑顔があまりにかわいくて、

胸がきゅんってなる。


これが、愛しいっていう
気持ちなんだろうか。

これが人を好きになるってことなんだろうか。


これが愛なのか。
 

⏰:09/04/28 23:45 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#339 [七瀬]
 
 
17歳、
まだまだぽかぽかした春。


初めて、
人を好きになった。



人?

悪魔だな、悪魔。



俺だけの悪魔のお姫さま。 
 

⏰:09/04/28 23:47 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


#340 [七瀬]
 
 
「さて。用意しよっか。」

食べ終えて、姫は立ち上がり、食器を流しに置いた。


あれから、ずいぶんと時間が経ったけど真王くんは戻ってこない。


「真王は、
部屋にいるんじゃない?」

気を利かしてくれたのだろうか。

⏰:09/04/28 23:52 📱:N703iD 🆔:e3PxYf7I


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