虹色のオセロ

「クラス委員、職員室まで運ぶの手伝って。」

わざわざ仁士を指名。

栄之助はほっぺ膨らましてた。

可愛いガキ猿め。

提出された宿題を仁士と一緒に職員室まで運ぶ間は、化けなくて済む。

「栄之助睨んでた、俺のこと。」

「マザコンだから。」

「アハハッ。」

あー、楽チン。

「やっぱり栄之助、未提出だったね。」

「提出するとこなんか見た事ないよ。俺はいつでもパーフェクトだけどねん。」

「はいはい。はなまるしといてあげるね～。」

「いらねぇし。それより蕾夢がおばちゃんに会いたいってさ。」

「おばちゃんじゃなく、ななみちゃんって呼んでくれるなら会ってもいいよ。」

「俺に言われても…。たまにななみちゃんって呼んでんだけどね。どうもおばちゃんのが呼びやすいみたい。」

そりゃ残念だ。

どうにかして蕾夢にななみちゃん一本で呼んでもらわなきゃ。

「私さ、普通の家庭で育ったからあんたらの苦労なんてわかんないけど…同情すんなって思われるだろうけど力になるから。一応教師だし。頼ってよ。」

「都合のいい時だけ教師名乗っちゃって。」

「だって本当だもん。」

「本当は教師なんか嫌なくせに。」

「…ヘヘッ。」

職員室につくと、私たちはまた偽りのキャラクターとして接する。

昼間は優等生と過ごし、放課後は問題児に説教。

…なーんて、そんなカッコイイ教師じゃないし私。

「…こら。」

「いいじゃん。」

「学校だし。」

「誰も来ない。」

生徒の前で胸全開で、その舌使いに感じちゃってるただの不良教師。

「何で宿題しなかったの？」

「宿題なんかあったの？」

「ママが出した宿題ぐらいはして来て欲しかったなぁ。」

「フフッ、ごめん。」

「お仕置きだね。」

「何？」

「んー、宿題提出するまでキスもおっぱい触るのも禁止。」

すると栄之助は私の乳首をギュッと噛んだ。

「痛い、バカ。」

「絶対やだ。そんなの無理。毎日会いたいのに。」

「何が無理よ。夏休み中だって数える程しか会ってないじゃん。大丈夫だよ。」

「やだやだやだ。」

わがままな奴～。

「じゃあ明日までに提出ね？私の宿題なんか簡単だもん。できるよね？」

「えぇー…」

「ママの言う事聞いてよ。」

「んー…わかった。」

「よし！じゃあ今からお預けだ！」

私ははだけた服を整えた。