虹色のオセロ

「頼んだよ。」

「はいはい。終わったらすぐ来てよ？」

「うん。蕾夢なんだかんだで七海の事覚えてたから。ななみちゃん家行くっつったら喜んでたし。」

「本当に？」

「照れてるだけかもな。そんじゃよろしくね。蕾夢！にいに行くから、ななみちゃんとお利口にな！」

「あーい！ばいばぁい。」

「バイバイ。そんじゃ七海、お願いね。」

「バイバーイ。」

仁士を送り出し、蕾夢の隣に座り込み、色んな話しをしながらレオとも遊んだ。

「蕾夢、いっつも夕ご飯何時に食べてるの？」

「おなかちゅいた。」

質問スルーされちゃったけど、おなかちゅいたなら仕方ないよね～。

母性本能くすぐられすぎでしょ、私。

時計を見ると18:00

うちの高校で居残れるギリギリの時間は21:00。

あと３時間か。

ご飯食べて、おもちゃで遊んで、テレビでも見てりゃ仁士帰って来るでしょ。

「何食べたい？」

「おかち」

「おかち…あ、お菓子？お菓子はだめだよ。夕ご飯なんだから。」

「えー」

膨れっ面が可愛くて可愛くて、お菓子あげようかなって思っちゃったじゃねぇか～。

結局、冷蔵庫を見てヤキソバをする事にした。

一応子供だし薄味の方がいいよね？

野菜も食べやすく切って、麺も短めに切ってみた。

私が調理してる間、蕾夢はレオとじゃれあってた。

「蕾夢～、できたよ。レオもご飯だよ。お座りして。」

「れお、おちゅわりできるの？」

「出来るよ。お手もするんだから。蕾夢、手ぇ出してごらん。」

蕾夢の小さな手がレオの前に差し出された。

「レオ、お手。」

レオは蕾夢の手のひらに、ポンッと自分の手を乗せた。

「きゃあ～！」

蕾夢の反応ったら、めちゃくちゃ可愛い。

「レオ、おかわり。」

反対の手を蕾夢の手に乗せるレオは得意気な顔をしていた。

「どっちのおてても、できんだね。」

「そうだよ。上手にお手できたから、レオの事褒めてあげて。」

「れお～、じょおずぅ。」

子犬と子供が抱き合ってる…。

やばい。

激萌えなんですけど！

蕾夢もレオも可愛すぎて、写真に納めたいくらいだよぉ。

最初、蕾夢が風邪ひいて預けられた時すっごく嫌だったのに今はどうってことない。

嫌いじゃないけど、好きでもない子供。

そんな子供に癒されてるなんて、私最近自分がよくわかんないや。

「レオよくできました。はい、ご飯だよ。」

ドッグフードを差し出すと、蕾夢から離れ、ご飯に飛び付くレオ。

「蕾夢、私たちも食べよっか。ここ座って。」

「うん。」