虹色のオセロ
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#575 [ゆーちん]
「俺すみれちゃん好きだったけど、赤ちゃんに対してやけに冷たかった事知って、一気に萎えてさ。
本当は産んで欲しいんだけど母親が、すみれちゃんが、子供なんかいらないって邪魔者扱いする姿見て…正直幻滅。
これから一緒にやってく自信ないけど、赤ちゃん産んで欲しいし…でも無理だろうしで、どうしていいか」

⏰:09/05/09 12:33 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#576 [ゆーちん]
何も言えないよ。

二人の問題なんだから、私が口を出す権利なんてない。


「17と18の子供が、子供産むのなんて簡単じゃないのはわかってるけど…」


へぇ、すみれちゃんって年上なんだ。

⏰:09/05/09 12:34 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#577 [ゆーちん]
栄之助が混乱している時に、私の頭は妙に冷静だった。


「すみれちゃんに、ちゃんと伝えたんだ。赤ちゃん産んで、って。殺すなんて耐えられない、って。そしたら…ウザイって言われちゃった。本当ビックリ。
せっかく芽生えたすみれちゃんへの恋愛感情一気にダウン。でも赤ちゃんだけは諦めらんない」

⏰:09/05/09 12:34 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#578 [ゆーちん]
どうしたもんかね。


どうにもできないよ。


「説得してもすみれちゃんは聞く耳持たない」

「で、私にどうして欲しいの?すみれちゃんに説得しろと?」

「違うよ。ただの報告…と17の少年の悲痛な声」

⏰:09/05/09 12:35 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#579 [ゆーちん]
「栄之助、ここがあんたの正念場だよ。ウザがられても、お互いが納得する結果を導かなきゃ。こうしてる間にも、あんたとすみれちゃんの子供は生きてんだよ。早くママとパパに会いたいな、って腹の中で成長してんだよ」

⏰:09/05/09 12:36 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#580 [ゆーちん]
栄之助は泣いていた。


「産む、産まない、どっちにしろ栄之助は今現在の時点で父親なんだよ?
泣いてる暇なんか無いくらい、わかってんでしょ?」

「…うん」

「赤ちゃんとすみれちゃんと、あんたの為にも決断は早いに越した事はない」

⏰:09/05/09 12:37 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#581 [ゆーちん]
栄之助はコクリコクリと何度も頷いた。


「ほら、行きな」


栄之助に手を差し伸べた。

ギュッと握り返してくる手のひらは、しっかりとした男の手。

私に甘えまくってた男の手とは、違って見えた。

⏰:09/05/09 12:37 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#582 [ゆーちん]
「大丈夫、大丈夫」


鼻をすする栄之助を抱き締めてあげた。


ママから子への応援ハグ。


栄之助が抱き締め返してくる事はなかった。


「ありがとう、ママ」

⏰:09/05/09 12:38 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#583 [ゆーちん]
それだけ言って、涙を拭いた栄之助は帰ってった。


きっと今からすみれちゃんのところに向かうに違いない。


まだまだ未熟なガキんちょに、幸あれ。

⏰:09/05/09 12:39 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#584 [ゆーちん]
―――

栄之助とすみれちゃんが結局どうなったのか、わからないまま週が開けた。


月曜日の朝はとても寒い。

火曜日の朝もとても寒い。

そして水曜日の朝ももちろん寒かった。


「ななみん、おはよう」

ガキは朝から元気だ。

おばちゃんは足先が冷えて泣きそうだよ。

⏰:09/05/09 12:45 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


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