虹色のオセロ
最新 最初 🆕
#607 [ゆーちん]
ドアを閉めて中に入る。

私は、栄之助を抱き締めながら泣いていた。

この私が泣いていたんだよ?

生徒に興味のない私が、生徒の悲しい事実を知って、涙を流す。

私、変わっちゃったね。

⏰:09/05/09 13:06 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#608 [ゆーちん]
「ママが叱ってくれたから、俺、納得するまですみれちゃんに説得したんだ。ウザがられても容赦なく」

「うん」

「そしたら、すみれちゃんため息吐きながら言ったんだ。栄之助の子供じゃない、って」

「…うん」

「舞い上がりすぎて、すみれちゃんと最後にそういう事した日忘れててさ。よく思い出したら日数が全然合わなくて。間違いなく俺の子供じゃないんだ」

⏰:09/05/09 13:06 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#609 [ゆーちん]
「うん」

「でも赤ちゃん殺すなんて可哀想じゃん。だから俺の子供じゃなくてもいいからって言ったんだけど…ダメだった。昨日、勝手に手術してて…俺、もう訳わかんなくて」

「あんた偉いね。ママの誇りだよ」

「日曜から水曜まで粘って、木曜に赤ちゃんいなくなって…そんで今日。学校行く気にもなんなくて放心状態の俺にすみれちゃんから別れを告げられ…みたいな?笑っちゃうよね」

⏰:09/05/09 13:07 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#610 [ゆーちん]
栄之助は泣きながら無理矢理笑顔を作ってた。

私は子供みたいに栄之助の手を握りながら泣いた。

仁士は何も言わず、ただ黙ってレオを抱っこしていた。


「笑わないよ。小さな命を守ろうとしたあんたを笑う奴がいるなら私がそいつ、ぶん殴る」

⏰:09/05/09 13:07 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#611 [ゆーちん]
「怖っ」

泣き笑いする栄之助。


「栄之助、よく頑張ったね。あんたならまた素敵な女の子に出会って、小さな命にも出会えて、幸せになれるよ」

「…だといいね」

⏰:09/05/09 13:08 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#612 [ゆーちん]
泣き疲れているのと、一人になるのが嫌な栄之助をベッドに寝かせてあげた。


今夜だけはママに甘えて眠れ、っていうサービスだよ。

って言っても、もう栄之助は夢の中なんだけどね。

⏰:09/05/09 13:09 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#613 [ゆーちん]
「七海、俺帰るよ」

「あ、うん。今日はありがとね」

「どういたしまして」

「盗み聞きバラしてごめんね」

「いいって。そんな事でいちいち怒る奴じゃないから、栄之助は」

「…うん」

「それより、見直したよ七海の事」

「何が?」

⏰:09/05/09 13:09 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#614 [ゆーちん]
「薄情で感情移入とかしない人なのかと思ってたけど、今日もそうだしこの前の喧嘩の事もそうだし…なんか最近の七海変わったな」

「…そ?」


ちょっと自覚あるんだけどねー。

⏰:09/05/09 13:10 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#615 [ゆーちん]
「そっちの方がモテるよ」

「アハハ、あんたいっつもそれだね。大体モテるったって誰に?あ、保泉にモテるってのは無しだか‥」


ムチウチになるんじゃないかってぐらい、あまりに突然だった。

腕引っ張られて頭だけ残す感じ、わかる?

アレ、なかなか首が痛いもんだね。

⏰:09/05/09 13:10 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#616 [ゆーちん]
あと唇。


いきなり重ねたもんだから、歯が当たってかなり痛かった。


「保泉じゃなくて俺に」


こんな展開も望んで無かったんだけどなー…たぶん。

⏰:09/05/09 13:11 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194