虹色のオセロ
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#617 [ゆーちん]
「キス下手な奴にモテてもな」

案外、冷静でいれた。


「七海が出っ歯だからじゃね?」

「はぁ?違うし」


仁士は笑いながら、ぶつけた唇を指で撫でてくれた。


「そんじゃまた学校でね、先生」

「遅刻しちゃダメよ、委員長」

⏰:09/05/09 13:11 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#618 [ゆーちん]
疑惑のキスだけを残し、仁士は帰ってった。

私、何してんだか。

まさか、あの仁士にキスされるなんて思ってもみなかった。

後々、襲ってくる余韻に頭を悩ませながら栄之助の隣で眠った夜。

全然安眠できなかった。

⏰:09/05/09 13:12 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#619 [ゆーちん]
翌朝。

二人で目を覚まし、ベッドから出る前に栄之助は私にキスをした。


そのキスで、昨日仁士にもキスされた事を思い出した。


「おはよ」

「あ、うん。おはよ」


朝食を済ませ、栄之助は気分転換したいからってレオの散歩に行ってくれた。

⏰:09/05/09 21:55 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#620 [ゆーちん]
待ってる間、何もせずにテレビを見て過ごした。


でもやっぱりテレビの内容なんか頭に入んなくて、キスされた後の仁士の笑顔ばかりがリピート再生されてしまう。


あの勝ち誇ったような笑顔…むかつく。

⏰:09/05/09 21:55 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#621 [ゆーちん]
「ただいま」

「おかえり。散歩ありがとね」


特に何かをする訳でもなく、ぼんやりと過ごした。


あえて、すみれちゃんや赤ちゃんの話は避けて。


でもやっぱちょっとは気になる。

⏰:09/05/09 21:56 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#622 [ゆーちん]
そんな気持ちを感じ取ったのか、栄之助はソファーに寝転がりながら話し始めた。


「すみれちゃんへの未練はね、もうないよ。でも赤ちゃんへの未練…っていうか罪悪感があって。俺の子供じゃないけど可哀想な事したな、って」

⏰:09/05/09 21:56 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#623 [ゆーちん]
「うん」

相づちをうつ事しかできない私に、栄之助は話してくれる。


「昨日たくさん泣いて、ちょっと気持ちラクになったよ。ママと仁士のおかげ。助かった、ありがと」

「ううん。私なんも出来なかったけど」

「抱き締めてくれて嬉しかったよー」

⏰:09/05/09 21:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#624 [ゆーちん]
あ、いつものバカ猿スマイルだ。

久しぶりに見たよ、その笑顔。


「ねぇママ」

「ん?」

「ここらが潮時だと思うんだ。色々とけじめ付ける時が来たみたい」

「…何が?」

⏰:09/05/09 21:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#625 [ゆーちん]
体を起こし、ソファーに座り直した。


「はっきり言うね」

「…」


何となく、栄之助が今から言う事がわかる。


聞きたいようで聞きたくない。


「俺ママが好きだったよ。女として」

⏰:09/05/09 21:58 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#626 [ゆーちん]
ほらね、こういう話はあんまり聞きたくないもんだよ。


「だからキスしたし、それ以上もした。甘え知らずだったから、その反動でママが欲しいだなんてただの口実」


…私と仁士の予想またまたビンゴ。


「でも栄之助はママとしての柴田七海を選んだじゃん」

⏰:09/05/09 21:58 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


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