虹色のオセロ
最新 最初 全
#682 [ゆーちん]
弟にバイバイして、にいには帰ってった。
私に蕾夢を預け、仁士は家に帰って勉強。
で、また夜中に蕾夢を引き取りに来るって約束だ。
一緒にご飯食べて、テレビ見て、お風呂入って、眠って。
今までの、夜間バイトの時に預かってたみたいなもんだ。
夜中に仁士が眠ってる蕾夢を抱っこしながら帰る。
そんなテスト期間だった。
:09/05/11 14:17 :SH901iC :0u6kOFR2
#683 [ゆーちん]
蕾夢を預かるのはテスト期間だけだと思っていた。
だからテスト最終日、友達と飲みに行く約束をしていた。
「悪い。今日だけもう1日追加」
「なんで?もう友達と飲みに行く約束しちゃったから無理だよ」
「バイト休めなくて。親もいないんだ」
:09/05/11 14:18 :SH901iC :0u6kOFR2
#684 [ゆーちん]
「託児所は?」
「嫌がってる」
「…でも仕方ないよ」
「どうしても無理?」
「無理」
「…わかった」
:09/05/11 14:18 :SH901iC :0u6kOFR2
#685 [ゆーちん]
ちょっと期限が悪くなった仁士は、あっさり私から離れていった。
「おはよ、ななみん。仁士と喧嘩?」
いつの間にか、私をななみんと呼ぶようになっていた栄之助だ。
:09/05/11 14:19 :SH901iC :0u6kOFR2
#686 [ゆーちん]
「ううん、別に」
「ふーん。それより今日の答え教えて?」
「はぁ?」
「留年しそう」
「頑張れ、若者!あんたが留年したら大いに笑ってあげる」
「ひどーい」
こうやって栄之助と笑い合ってる最中も、頭は瀬川兄弟のことでいっぱいだった。
:09/05/11 14:20 :SH901iC :0u6kOFR2
#687 [ゆーちん]
わかってるよ、蕾夢が託児所を嫌がってる事。
私が見てあげればいいだけなのに。
友達との約束だって、また違う日に変えることは簡単。
私は、瀬川兄弟の力になりたいだけ。
なのになんで頼られすぎると、意地悪したくなるんだろう。
:09/05/11 14:20 :SH901iC :0u6kOFR2
#688 [ゆーちん]
テストが終わると、みんな開放ムード。
でも委員長だけは喜んでなさそうだった。
そりゃそうだよね。
「瀬川くん」
「…」
こっち見て、目を反らした。
イコール無視られた!
一部始終を見ていた栄之助が「やっぱ喧嘩してんじゃん」って言いにくるぐらい、仁士の無視はあからさまだった。
:09/05/11 14:21 :SH901iC :0u6kOFR2
#689 [ゆーちん]
学校から帰り、そのまま友達との約束場所に向かった。
居酒屋に入り、ビールを飲む。
…美味しくない。
最悪だ。
原因は瀬川兄弟。
「七海、どしたの?」
「元気なくない?」
「やっぱ教師って大変なんだな」
みんなが心配してくれる。
楽しい席で、私みたいな奴がいると雰囲気が悪くなるのもわかってるんだ。
:09/05/11 14:22 :SH901iC :0u6kOFR2
#690 [ゆーちん]
電話なんかかかってきてないのに、かかってきたフリをした。
「みんなごめん。学校から呼び出しだ。きっとテストの事で。だから行くね!私のことは気にしないで、飲みまくってよ!また誘って」
:09/05/11 14:23 :SH901iC :0u6kOFR2
#691 [ゆーちん]
惜しまれつつ、退散。
自分で言うなって?
うん、気分が晴れてきた。
私の足取りも軽い。
ヒール音は、仁士の家へと向かっていった。
:09/05/11 14:23 :SH901iC :0u6kOFR2
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194