虹色のオセロ
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#692 [ゆーちん]
ピーンポーン…
よし、まだバイトの時間じゃないから家にいるはず。
ガチャ…
「はい」
ほらね。
「よっ!」
「えっ、七海?何でいんの!」
ナイスリアクション!
「蕾夢の子守り」
「友達と約束は?」
:09/05/11 14:24 :SH901iC :0u6kOFR2
#693 [ゆーちん]
「嘘ついて帰って来た」
「何で…」
「だって私、あんたの先生だもん。生徒が困ってるときは助けてあげないと」
仁士が笑った。
「調子いい時だけ教師を名乗る癖、なんとかしたら?」
「それに、あんたら兄弟の力になるのって、悪くない」
私も笑った。
:09/05/11 14:24 :SH901iC :0u6kOFR2
#694 [ゆーちん]
―――
仁士の家から、私の家へと移動した3人。
蕾夢は託児所に行かなくなったので、喜んでいた。
「らいむね、ななみちゃんのおうち、すきー」
私もあんたの笑顔すきー。
「七海ちゃんも蕾夢がおうちに来てくれると嬉しいよん」
:09/05/11 14:27 :SH901iC :0u6kOFR2
#695 [ゆーちん]
「だってね、れおいるもん!」
…おいおい、私がいるからじゃなくってレオ目当てかよ。
「ブッ!」
「笑うな、にいに」
:09/05/11 14:27 :SH901iC :0u6kOFR2
#696 [ゆーちん]
「だって…」
「レオに負けたみたい、私」
まぁ、いいけど。
七海ちゃんは、そんなおちゃめな蕾夢が好きだから。
:09/05/11 14:28 :SH901iC :0u6kOFR2
#697 [ゆーちん]
私の家に着くと、仁士はすぐにバイトへ向かう。
「ありがと。よろしくな」
やっぱり仁士にありがとうを言われると泣きそうになる。
でも、飲み会を抜けて来てよかったって思う。
そんな仁士の笑顔は今日も泥だらけになって来るんだって思うと、喉元がムズムズした。
:09/05/11 14:28 :SH901iC :0u6kOFR2
#698 [ゆーちん]
深夜1時を回った頃、仁士が帰って来た。
「おかー」
「ただー」
「最近の若者は何でも略せばいいと思ってんの?」
「七海が振ったんだろ」
「すぐ人のせいにするぅ」
「それより、起きてたの」
「おん。飲んでた」
ちょっとばかしビールなんか飲んだものだから、酒恋しくなり、蕾夢を寝かせてから一人酒を楽しんでいた。
:09/05/11 14:29 :SH901iC :0u6kOFR2
#699 [ゆーちん]
「酔ってる?」
「全然。なんか今日は酔えない」
「何で?」
「んー、わかんない」
仁士は煙草、私はお酒。
二人して黙りながらテレビを見た。
深夜番組ってなんでこんなに面白いんだろ。
二人でハマっちゃって、気が付けば1時間も経っていた。
:09/05/11 14:30 :SH901iC :0u6kOFR2
#700 [ゆーちん]
「テレビも終わったし、帰るか」
「明日の朝辛いだろうね」
「お互い様な」
仁士はベッドに行き、栄之助を抱き上げた。
起きかけたけど、また仁士の腕の中で眠る。
毎回毎回この瞬間がヒヤヒヤする。
途中で起こしちゃうのが可哀想だから。
:09/05/11 14:30 :SH901iC :0u6kOFR2
#701 [ゆーちん]
玄関で仁士は言った。
蕾夢が起きないように小声で。
「今日は本当助かった」
「最初断ってごめん」
「それは仕方ないから」
「そんな風に思ってなかったくせに」
「え?」
「私が断ったら一気に不機嫌になってた」
:09/05/11 14:31 :SH901iC :0u6kOFR2
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