虹色のオセロ
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#741 [ゆーちん]
翌日、そのまた翌日、そのまたまた翌日…あの日から3日目の今日まで、まだ一度も仁士とは話してない。

学校には来てるみたいだけど、私の授業の時にはいなかった。

どうやら仁士は栄之助に私の事を言ったらしく、栄之助まで私を避けた。

⏰:09/05/14 09:55 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#742 [ゆーちん]
栄之助は背中を押してくれた人だから、ちゃんと報告を兼ねて話がしたいのに、私が話しかけようとすると上手く姿を消すんだ。


ねぇ私、17の男の子に避けられるだなんて、去年の今頃想像なんかした?

しなかったよね。

どうすればいいのか、わかんないよね…。

⏰:09/05/14 09:55 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#743 [ゆーちん]
「ななみん、バイバーイ」

「バイバイ、また明日」

放課後は学校中が一気に賑やかになる。

期末テストが終わり、結果が知らされ、留年なのか補習なのか進学なのか、それぞれがやるべき事をやらなければいけない春休み前。

⏰:09/05/14 09:56 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#744 [ゆーちん]
無事に春休みを迎えられる仁士、補習を受けないと進学できない栄之助。

放課後、その二人に呼び出された。

私が今やらなきゃいけない事は、呼び出された更衣室に行く事だ。

バックレたりせず、素直に呼び出しに従う。

⏰:09/05/14 09:56 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#745 [ゆーちん]
ガチャ…

「女子更衣室に男子生徒が2人も侵入してる」

栄之助は笑ってたけど、仁士はいつもながらのクール顔って感じ。

てゆーか仁士の顔をまじまじと見るのが久しぶりすぎて、心臓バクバク。

⏰:09/05/14 09:57 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#746 [ゆーちん]
「今日だけはママって呼んじゃうから」

「…別にいいけど」

猿スマイルは、私の心にちょっとばかしの余裕をくれる。

「ここで二人が愛を確認しあったのは、仁士から聞いた。俺の言った通り、両想いだったでしょ?」

⏰:09/05/14 09:57 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#747 [ゆーちん]
私と仁士からは【気まずい】オーラ発生させまくってるのに、栄之助は空気を読むのが下手くそなのか、空気を読んであえての行為なのか…むちゃくちゃ明るく会話を進める。

「何で好き同士なのに付き合わないの?」

⏰:09/05/14 09:58 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#748 [ゆーちん]
「それは私と仁士が‥」

「教師と生徒だから、って答え以外で」

「それ以外に理由は…」

「無いんだ」

私は頷いた。

仁士は何も言わず、栄之助の隣で座っているだけ。

息苦しいよ、何か喋ってよ、ねぇ仁士。

⏰:09/05/14 09:59 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#749 [ゆーちん]
「その教師と生徒が付き合うのは、不可能ってママは仁士に言ったんだよね?」

「そうだよ」

「不可能ねぇ…」

すると栄之助は、私に正方形の板を手渡した。

カラフルな板には、升目が入っている。

⏰:09/05/14 09:59 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


#750 [ゆーちん]
「何これ」

「よーく思い出して。文化祭1日目に3人でここでオセロした事」

年取ると、記憶力は低下する。

どうでもいいって判断した出来事だったら尚更覚えてない。

でも私の脳は、どうでもいいって判断しなかったらしく、ちゃんと記憶してくれていた。

⏰:09/05/14 10:00 📱:SH901iC 🆔:UWYIjbJY


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