虹色のオセロ
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#319 [ゆーちん]
私の不安を余所に、栄之助のキスは止まらなかった。


舌だって暴走しすぎ。

やめて欲しい。

体が疼いてしまうから。


「きゃー!」


近くで聞こえた悲鳴に思わずキスを止めた。


見られたかと思った。


「リハーサルだってば。女子が試しに歩いてんの。」

「だったらここにも来るんじゃないの?見つかるよ。」

⏰:09/05/03 12:21 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#320 [ゆーちん]
「来たらやめる。だからそれまで…」


こんなスリルは望んでないよぉー。

いつ来るかわかんないのに、気が気じゃない。


だったら本気で拒めばいいのに、ちゃっかりとキスを楽しんでるっていうのは…私はきっと栄之助のキスがすきだから。


LOVEじゃなく、LIKEとして。

⏰:09/05/03 12:22 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#321 [ゆーちん]
そんな暗闇も光が点けられ、私たちは何事もなかったかのようにその後を過ごした。


下校時間になっても2Cの奴らは帰らず、一生懸命ラストスパートかけてた。


「ななみん先生、体調不良でしたら今日はもう帰って下さい。あとは僕がいるんで。」

⏰:09/05/03 13:05 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#322 [ゆーちん]
よっしゃーっ!

ほずみん、たまにはいい事言う〜。


つーか私、体調不良なんて言ったけ?

まあ何にせよ、帰らせてもらいまーす。


お言葉に甘えます、と保泉にニッコリ微笑んで、2Cの奴らにも頑張ってねと笑っとく。


「ななみん、また明日!」

「ななみんバイバーイ。」

⏰:09/05/03 13:05 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#323 [ゆーちん]
クラスが私にさよならの言葉をかけていると、委員長がみんなに言った。


「みんなごめん。俺も帰るわ。でもすぐにまた戻って来る!ちょっと外せない用があってさ。悪いな。」


仁士はよほど信頼されてるのか好かれているのか、みんなから笑顔でお許しをもらっていた。

⏰:09/05/03 13:07 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#324 [ゆーちん]
副担任とクラス委員が一緒に教室を出る。


全く違和感のない風景に、誰も疑問を抱かない。


たった一人、栄之助以外は。

⏰:09/05/03 13:07 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#325 [ゆーちん]
「そんじゃあとで。」

「あいよ。」


仁士は走りながら先に行ってしまった。


私は走る必要もないので、ゆっくり歩きながら仁士の背中を見送る。


校門を出ようとしたとき、やっぱり追いかけて来た猿に呼び止められた。

⏰:09/05/03 13:10 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#326 [ゆーちん]
「ママ。」

「ん?」

「仁士とどっか行くの?」

「ううん。仁士もう帰ったよ。」

「あれ?何だ…勘違い。」


後でまた会うけどね。

⏰:09/05/03 13:11 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#327 [ゆーちん]
「どしたの。」

「一緒に帰るから、ヤキモチ妬いてぶっ飛んできちゃった。」

「マザコンね。じゃあまた明日。準備頑張って。」

「うん、バイバイ。」

「バイバイ。」

⏰:09/05/03 13:11 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


#328 [ゆーちん]
すんなり教室に帰ってく栄之助。


キスしないんだぁって残念に思っちゃった私は重症?


…重症だよねぇ。

はぁ…どうしちゃったんだ自分。

⏰:09/05/03 13:18 📱:SH901iC 🆔:Inb4E6U6


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