虹色のオセロ
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#662 [ゆーちん]
「あ、そうだ。ママは卒業したんだから、先生かななみんって呼ばなきゃじゃん?どっちがいい?」

「どっちでもいいよ。みんなみたいにななみんって呼べば?」

「でも気に入ってないんでしょ?」

「うん」

「じゃあ俺が新しいあだ名考えたげよっか?」

「ダサかったら殴るからね」

⏰:09/05/11 14:02 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#663 [ゆーちん]
「んー、しばたん」

「…え?」

「柴田に、んを付けてみた」

「付けてみた、じゃねーよ。ダサすぎ」


殴ってやった。


「アハハ、冗談冗談」

「2Cって、ん付けんの流行ってんの?」

「そうなのかな?」

「ダサすぎだから」

⏰:09/05/11 14:03 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#664 [ゆーちん]
「そう?別に普通だよ。ななみんもしばたんも」

「私はヤダけど」


猿は笑った。

その笑顔を見るだけでも、救われた気分になる。

って、自己満足だけどね。

⏰:09/05/11 14:03 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#665 [ゆーちん]
「もう、ななみんでも何でもいいよ。それよりさー」

「ん?」

「元気になって、よかった」


栄之助の笑顔は優しくなる。


「マラソンしてる時にさ、色んなモヤモヤ吹っ飛ばしてやったよ!」

⏰:09/05/11 14:05 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#666 [ゆーちん]
「真面目な顔で走ってたよね。私がどこにいたか知ってる?」

「え、コースのどこかにいたの?」

「やっぱ気付いてなかったか。誘導係で寒い中、つったってたよ」

「そりゃお疲れだ」

「今も寒いね。そろそろ戻ろっか」

⏰:09/05/11 14:05 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#667 [ゆーちん]
立ち上がり、私たちは教室に戻る。


もうすぐ校内放送が入り、表彰式が行われる。


「あ、ねぇ」

「ん?」

「俺もう大丈夫だからね。心配してくれてありがと」

「あぁ…うん」

「完全復活とまでは、まだいかないけど、ちゃんと元気だから」

⏰:09/05/11 14:06 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#668 [ゆーちん]
だったら、よかった。


「俺に世話やいてないで、そろそろ自分の世話しないと」

「だーかーらぁ」

「柴田七海には何度お礼しても、しきれないよ。俺の青春を支えてくれた人として永遠に感謝する」

「何だそれ」

「ありがとう」

⏰:09/05/11 14:06 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#669 [ゆーちん]
栄之助に、ありがとうを言われると苦しくなる。


「それじゃ」

「うん、バイバイ」


栄之助が立ち去ると、タイミングよく仁士が通りかかった。


ある意味、ナイスタイミング。


「また会ったね、4位」

⏰:09/05/11 14:07 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#670 [ゆーちん]
「俺の事ストーカーしてんの?」

「この状況だと、それ私のセリフ。私はここにいて、あんたが通りかかった。あんたが私のストーカーしてんでしょ?」

「んなムキになんなくても」

⏰:09/05/11 14:08 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#671 [ゆーちん]
おっといけない、私としたことが。


栄之助が余計なことをベラベラと吹き込むもんだから、過剰反応になってしまう。


こっちが子供みたいで、なんか悔しい。


「で、結局何してたの?こんなとこで一人寂しく突っ立っててもイケメンは現れないぞー」

⏰:09/05/11 14:08 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


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