虹色のオセロ
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#699 [ゆーちん]
「酔ってる?」

「全然。なんか今日は酔えない」

「何で?」

「んー、わかんない」

仁士は煙草、私はお酒。

二人して黙りながらテレビを見た。

深夜番組ってなんでこんなに面白いんだろ。

二人でハマっちゃって、気が付けば1時間も経っていた。

⏰:09/05/11 14:30 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#700 [ゆーちん]
「テレビも終わったし、帰るか」

「明日の朝辛いだろうね」

「お互い様な」


仁士はベッドに行き、栄之助を抱き上げた。

起きかけたけど、また仁士の腕の中で眠る。

毎回毎回この瞬間がヒヤヒヤする。

途中で起こしちゃうのが可哀想だから。

⏰:09/05/11 14:30 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#701 [ゆーちん]
玄関で仁士は言った。


蕾夢が起きないように小声で。


「今日は本当助かった」

「最初断ってごめん」

「それは仕方ないから」

「そんな風に思ってなかったくせに」

「え?」

「私が断ったら一気に不機嫌になってた」

⏰:09/05/11 14:31 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#702 [ゆーちん]
「そう?」

「うん」

「それはきっとアレだな」

「何」


背の高い仁士は私を見下ろしながら言う。

「失恋した気分にでもなって、無意識に不機嫌になってたのかも」

「…無意識とかタチ悪い」

⏰:09/05/11 14:31 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#703 [ゆーちん]
言葉や合図はなかった。

そういう雰囲気でもなかった。

なのに蕾夢を抱っこしたままの仁士は、私にキスをした。

この前の下手くそなキスとは大違い。

今日は首も唇も痛くない、優しいキスだった。

⏰:09/05/11 14:33 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#704 [ゆーちん]
「何でこんな事するの?」

「何だその質問。処女か!」

「だって…」

「元若者よ、たくさん悩め」

「…元って何よ。失礼しちゃう」

仁士は笑いながら帰ってった。

⏰:09/05/11 14:33 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#705 [ゆーちん]
あー、酔えない理由わかった。

緊張してたからだ。

仁士が帰った途端、急に酒が体中に巡った気がした。

おかげでベッドに入ってるはずなのに、宙に浮いてるみたいだったよ。

何で仁士に緊張してんの?って疑問は明日考えよう。

今日はもう寝る。

明日は学校だ。

⏰:09/05/11 14:34 📱:SH901iC 🆔:0u6kOFR2


#706 [ゆーちん]
翌朝はひどい頭痛で目が覚めた。

ちょっと寝坊して慌てて用意したせいで、昨日の事を思い出す暇もなかった。

だから学校に着いて仁士を見た時、不意討ちのビンタを食らったような気分になった。

昨日キスしたのは、幻なんかじゃなくって現実だったはず。

あんなに平然でいられると現実だったっていう自信がなくなる。

⏰:09/05/12 08:58 📱:SH901iC 🆔:yWNcT3eQ


#707 [ゆーちん]
あぁー、イガイガする!

栄之助、あんた言ったよね?

私と仁士は両想いだ、って。


ちょっくらハッキリさせますか。

いつまでもこのままじゃ嫌。

⏰:09/05/12 08:59 📱:SH901iC 🆔:yWNcT3eQ


#708 [ゆーちん]
と、いうわけで4時間目に仁士を更衣室に呼び出した。


「僕、サボるキャラでもないんですけど」

「なーにが、僕よ。僕ってキャラでもないでしょ」

⏰:09/05/12 09:00 📱:SH901iC 🆔:yWNcT3eQ


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