虹色のオセロ
最新 最初 全 
#750 [ゆーちん]
「何これ」
「よーく思い出して。文化祭1日目に3人でここでオセロした事」
年取ると、記憶力は低下する。
どうでもいいって判断した出来事だったら尚更覚えてない。
でも私の脳は、どうでもいいって判断しなかったらしく、ちゃんと記憶してくれていた。
:09/05/14 10:00
:SH901iC
:UWYIjbJY
#751 [ゆーちん]
―――…
「仁士強すぎー」
「手加減しろよー」
「手加減してるよ?」
「絶対嘘だよー」
私と栄之助VS仁士でのオセロ対決。
二人VS一人なのに、クラス委員長を負かすのはなかなか難しい事だった。
:09/05/14 10:00
:SH901iC
:UWYIjbJY
#752 [ゆーちん]
「つーかオセロって何で白黒なわけ?気分滅入っちゃう」
と、栄之助が嘆く。
「色に疑問持つ人、初めて見た」
私と仁士が笑うと、栄之助は子供のようにムキになりながら言った。
:09/05/14 10:01
:SH901iC
:UWYIjbJY
#753 [ゆーちん]
「白黒のテレビより、カラフルなテレビのがいいだろ?それと一緒。白黒よりレインボーなのがいいの」
「ほぉー…」
栄之助の勢いに納得しかけたけど、すぐに仁士に叱られてた。
「一緒じゃねぇよ。石は二面しかないのに、どうやってレインボーとやらに出来んだよ。あんたも先生のくせに、ほぉーとか言ってんじゃねぇよ」
:09/05/14 10:02
:SH901iC
:UWYIjbJY
#754 [ゆーちん]
17のガキ猿と27の頭の悪いババァは、クールな金髪頭に叱られた。
「じゃあ仁士はレインボーなオセロは無理だって言いたい訳?」
と、栄之助。
:09/05/14 10:02
:SH901iC
:UWYIjbJY
#755 [ゆーちん]
「当たり前」
たこ焼きを食べながら仁士は呆れて言った。
「よーし、わかった。そのレインボーなオセロ、いや、虹色のオセロとやらを俺は作ってみせるからな!」
…本当のバカか、この猿。
張り合うとこじゃねぇし。
:09/05/14 10:03
:SH901iC
:UWYIjbJY
#756 [ゆーちん]
「栄之助、無理だよ。二面しかない石を虹色にしちゃったら、もうその時点でオセロじゃないしルール変わっちゃうよ」
私もりんご飴を舐めながら栄之助に忠告。
白と黒しかないオセロを、赤青黄色だなんて…
「不可能」
仁士が言った、その不可能って言葉が妙に頭に残ってしまう。
:09/05/14 10:03
:SH901iC
:UWYIjbJY
#757 [ゆーちん]
「俺の辞書に不可能なんて‥」
「あるだろ。そこカッコつけるとこじゃない」
「もぉー!いちいちクールだな瀬川仁士さんよぉ?」
「お前はいちいちバカだな栄之助ちゃん」
仁士と栄之助のこういう会話を見てるのが楽しかった。
:09/05/14 10:04
:SH901iC
:UWYIjbJY
#758 [ゆーちん]
「俺は絶対に虹色のオセロ、作るからな〜。んで、将来は教科書に残るような発明者として活躍すんの」
「虹色のオセロを作った、渡辺栄之助って?」
「そう!」
「あっそ、せいぜい頑張ってねー」
「つーわけで、もう一戦!ほらママ、ぼーっとしてないでやるよ」
:09/05/14 10:04
:SH901iC
:UWYIjbJY
#759 [ゆーちん]
―――…
あれから栄之助は、虹色のオセロの事なんて忘れちゃってたし、私と仁士も忘れてた。
栄之助がこれを渡す今の今まで、虹色のオセロは不可能だって思ってたんだから。
「あんた…バカ?」
:09/05/14 10:05
:SH901iC
:UWYIjbJY
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194