― S u m m e r ― <BL>
最新 最初 全 🆕
#1 [楓]





君と過ごしたあの夏は


まるで夢のような
夏でした。




⏰:09/04/23 22:20 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#2 [楓]


BL小説2作目です^^

文才はないですが、
よろしくお願いします。

コメント貰えると
喜びます\(^O^)/

感想などは
こちらにどうぞ↓↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4083/

前作↓↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/9426/

それでは
よろしくお願いします!!

⏰:09/04/23 22:26 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#3 [楓]
 
ピ――――…




「澪――――ッ!!」






機械音が病室に響く。

その音と同時に
母親の声がした。
 

⏰:09/04/23 22:29 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#4 [楓]
――――――――
―――――――


2009年 夏。


「暑ーい…。」
「あっつー…。」


そんな声がちらほら
俺の耳に入る。




それもそのはず。
日本は今、
夏真っ只中だから。
 

⏰:09/04/23 22:42 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#5 [楓]
「なぁ弥生ーなんか冷たい物持ってない?」


「持ってたら苦労しねーよアホ。」




隣にいる友人が
アホみたいなことを言う
とうとう暑さで頭がやられたのだろうか。
 

⏰:09/04/23 22:54 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#6 [楓]
「弥生冷た!!あ、でもでもちょっと涼しくなったかも!!」


「……………。」


あまりにもバカな
友人に、俺は返す言葉もなかった。



俺の名前は
夏瀬 弥生(ナツセ ヤヨイ)

今はコンビニへ行った帰りで、暑い外を急いで歩いている。
 

⏰:09/04/23 23:07 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#7 [楓]
早く帰りたい。
早く家に帰ってクーラーにあたりたい。


とにかく早く帰りたい、その一心で俺は街を歩いていた。



街は帰宅途中の
サラリーマンなどで
溢れ返っている。


ただでさえ暑いのに、
人が多いから尚更暑い。


早く帰りたい…。
 

⏰:09/04/23 23:15 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#8 [楓]
ざわざわと騒がしい街。

色んな人の声がまざって何を言ってるかはわからない。



――でもそんな中、
不思議なくらい
俺の耳に入る声がした。




「離して下さいッ…!!」


後ろの方から聞こえた、少し高めの男の声。


気になり後ろを振り向くと、中年のおじさんがやけに白い男の腕を掴んでいた。

⏰:09/04/23 23:35 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#9 [楓]
結構遠くにいるのに、
なんで聞こえたんだ?


その声は本当に不思議なくらい耳に入る。


話を聞いた感じだと、
あの男は酔ったおじさんに女と間違えられているみたいだ。


確かに女みたいな顔立ちだけど……。


間違えるほどか?

…まぁ酒のせいなんだろうけど。

⏰:09/04/24 00:00 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#10 [楓]
「弥生ー?なに立ち止まってんのー?」


弥「…なんでもない。」


まぁその内誰か助けるだろうから大丈夫だろ。


可哀想だけど早く帰りたい俺はまた前を向いてはや歩きを始めた。


未だにあのおじさんに捕まってるのか、あの声が聞こえる。



……気にしちゃダメだ。無視無視。


そう自分に言い聞かせ、足を進めた。

⏰:09/04/24 00:33 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#11 [楓]
「嫌だ…ッ腕痛いから本当に離して下さい…」


今にも泣きそうな声。


…どうして周りにいる人間は助けないで見てみぬフリをするんだ。


…俺も同じなんだけど。



無視しなきゃ、と思えば思うほど足の動きも止まってしまう。


………〜〜〜!!

⏰:09/04/24 00:39 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#12 [楓]
弥「ちょっと先帰ってて。」


「先帰る?…ってあれ、
弥生ー!?」


俺を呼ぶ声も無視し、俺は人混みをかき分けてあの二人がいる所に向かう。





…本当にこんな自分の性格が昔から嫌いだ。
 

⏰:09/04/24 00:42 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#13 [楓]
面倒なことはしたくない


でも面倒なことに首を突っ込んでしまう。


「だから離して下さいってば!!」

「えー?おじさんと遊ぼうよ。おじさんいい店知ってるよ?」





……面倒なことは、
したくないのに………。
 

⏰:09/04/26 19:16 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#14 [楓]
「いい加減にして下さい…ッもう…。」

「君もそろそろ言うこと聞こうよ〜。さ、おじさんと遊ぼ?」



「本当に嫌で「俺の弟になにしてんの。」



俺は女みたいな顔の男を肩を掴みそう言った。


突然のことにその男とおじさんは唖然としていた

⏰:09/04/26 19:41 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#15 [我輩は匿名である]
気になる(・ω・´)

頑張ってください

⏰:09/04/27 00:02 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#16 [楓]
>>15様

ありがとうございます!
続き書きますので、是非見て下さい(*´∀`)/
 

⏰:09/04/27 16:14 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#17 [楓]
>>14

咄嗟に言った嘘は男のポカーンとした顔によってあまりにも不自然になった。


お兄ちゃんの一言でもいいから嘘つけよな、と思いながら俺は目の前にいるおじさんを睨み付けた。



そんな俺の目付きに怖じけづいたのか、おじさんはそさくさと人波に紛れていった。


「そんなんなら最初から馬鹿なことすんな」
と心の中で怒鳴りながら俺は、未だ抱き締めている男に目線を落とした。

⏰:09/04/27 17:30 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#18 [楓]
弥「ほら、もういいぞ…………って、おい?」


俺が見た先には、ぐったりと俺に寄りかかってる男の姿。



弥「え、」


「も、無理…。」


そう小さく呟いたあと、その男はガクンッと俺の胸に倒れ込んできた。



……えぇぇぇえ!?

⏰:09/04/27 19:05 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#19 [楓]
俺にもたれ掛かるその男の顔は少し青白く、具合が悪そうに見えた。



弥「え…おい?」


とりあえずその男の頬をパシパシ叩いて起きてるか調べてみる。


「………………。」



……反応なし。

⏰:09/04/29 11:48 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#20 [楓]
……意識ない?


え、なしたのコイツ。
そんなにあのおじさんが怖かったのか?
暑いのか!?






…………俺は、この男をどうすればいい……?

⏰:09/04/29 11:51 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#21 [楓]
誰かを助けに呼ぶか、
救急車を呼ぶかだよな…



弥「…携帯……!!」

俺はとりあえず誰かに連絡をするため、ポケットを探る。





…………だが。

⏰:09/04/29 13:14 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#22 [楓]
弥「な……い……。」


運悪く、携帯は家に置いて来ていた。


最悪だ………。
また面倒なことに首突っ込んでしまった。

がくん、と肩を落としながらちらっと意識のない男を見ると、

苦しそうに呼吸をしていた。
 

⏰:09/04/29 13:18 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#23 [楓]
“死ぬんじゃないか”

一瞬、そんな言葉が頭によぎった。


弥「…………。」


頭がぐるぐると回る。


混乱してもう何をしたらいいのかわからない。
 

⏰:09/04/29 13:22 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#24 [楓]
辺りを見回しても
みんな見て見ぬふり。

他の人はあてに
ならないな………。



…………仕方ない。



俺はある決断をし、
その男を勢いよく
背中に背負った。

 

⏰:09/05/06 18:28 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#25 [楓]
絶対にしたくない
決断だった。


とても面倒なことに
なりそうな決断。


それは………。





コイツを、自分の家に
連れてくこと。
 

⏰:09/05/06 18:39 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#26 [楓]
でも仕方ない。

仕方ないんだ。

コイツが起きたらすぐに追い出せばいい。


そしたら面倒なことにはならないんだ。




だから、少しだけ。
少しだけ人助けをすればいいんだ。
 

⏰:09/05/08 19:42 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#27 [楓]
夏の暑い日に人混みの街中で男を背負いながら走る男。


他の人から見たら
不思議な光景だろう。





でも、俺は歩くのに必死過ぎてあの時は人目も気にしなかったし


この男の身体の冷たさと
身体の軽さに

気が付かなかったんだ。
 

⏰:09/05/08 22:12 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#28 [楓]
−side.M−


―…いつ、
自分がこの世界に
来たのかはわからない。

でも、眠っていたのは本当に一瞬だった気がする





朝。目を開けると
前に入院していた病院の中庭にある、1つの大きな木の下に俺は立っていた。
 

⏰:09/05/08 22:21 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#29 [楓]
どうしてそこにいたのかはわからない。


でも確かに俺は





・・
またこの世界に
立っているんだ。
 

⏰:09/05/08 22:29 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#30 [楓]
一回は混乱した。

どうして自分が
またここにいるのか。

でも、その内俺は気が付いたんだ。



これは、神様がくれた
最後の時間なんだって。

⏰:09/05/08 22:36 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#31 [まな]
面白い(^^)!!
頑張ってくださーい☆

⏰:09/05/08 22:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#32 [楓]
そのことに気付くよりも先に身体が動いていた。


いつの間にか着いていたのは人混みの街中。


街を1人で歩くのは何年ぶりだろう。



暑すぎるくらいの気温。


冷たい自分には調度いい
 

⏰:09/05/08 22:58 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#33 [楓]
>>31
まなさん

ありがとうございます�x
見てもらえてないのかと不安だったので安心しました(*´∀`)笑

頑張りますので、
良ければ見て下さいね�~
 

⏰:09/05/08 23:03 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#34 [楓]
>>32




俺の名前は
佐伯 澪 (サエキ ミオ)


2008年では16歳。


そしてちょうど1年前、




俺は死んだんだ。
 

⏰:09/05/08 23:16 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#35 [楓]
理由は病気。

死んだ時はあまりにも呆気なくて、切なかった。


昔から病弱だった俺は、人生の4/3は病院で過ごしていた。


物心が付いた頃にはもう病院のベッドの上。




それが当たり前だとあの頃は勘違いしていた。
 

⏰:09/05/08 23:26 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#36 [楓]
でもいつだっただろう。
それが普通ではないことに気付いたのは。


そして、あれは死ぬ間際だっただろうか。




“この広い世界を、
もっと知りたかった”
と思ったのは。

⏰:09/05/08 23:28 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#37 [楓]
でもその時にはもう遅かったんだ。


だから、だから…






神様がくれたこの時間で広い世界を知りたい、と思ったんだ。
 

⏰:09/05/08 23:56 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#38 [楓]
そう思ったら、
時間を大切にしなくてはと急いでしまう。


はや歩きで道を歩く。
歩いたのは、本当に久しぶりな気がする。



澪「……疲れた…。」


でもやっぱり身体自体は昔のままで、

すぐにバテてしまった。
 

⏰:09/05/08 23:59 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#39 [楓]
暑いし疲れたし、やっぱり体力ないなー、と苦笑しながらゆっくり歩く。


時々人にぶつかり、よろけてしまう。


やっぱり1人では歩けないのか…と早くも諦めかけた時、




誰かが俺の腕を掴んだ。

⏰:09/05/09 00:02 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#40 [楓]
その手の先にいたのは、

目が虚ろで、顔を真っ赤にしているおじさん。



澪「…あ、の……。」


明らか酔っているそのおじさんは、ニヤリと1つ笑うと強く俺の腕を握った。
 

⏰:09/05/09 00:05 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#41 [楓]
ヤバい、と思った時にはもう遅い。



「君可愛いね…。」


耳元でおじさんが呟いた途端、鳥肌が立った。


早く逃げなきゃ…。


澪「…離して下さい…」


そう言った自分の声は、あまりにも小さくて震えていた。
 

⏰:09/05/09 20:47 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#42 [楓]
しつこいおじさんはいつまで経っても俺の手を離してくれない。


でも力のない俺はそんな手も振り払えなくて。


それと同時に久々に動いた疲れが俺を襲う。




頭がボーッとする…。
 

⏰:09/05/09 20:58 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#43 [楓]
混乱する脳内。
限界に近付く身体。


周りの人は見て見ぬふりをして、誰も助けてくれない。



“誰か助けて”


そう願った時、

温かい手が
俺の肩を強く掴んだ。
 

⏰:09/05/12 21:49 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#44 [楓]
 

「俺の弟になにしてんの。」


低い声が耳をくすぐる。

見上げると、




青い空によく似合う漆黒の髪が優しく揺れていた

 

⏰:09/05/14 22:38 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#45 [楓]
その黒色は、
あまりにも綺麗で。


まるで時が止まったように目が離せなくなった。





でも……………
弟って…どういうこと?
 

⏰:09/05/14 22:40 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#46 [楓]
びっくりして目を見開いていると、その男の人と目が合った。


その人は一瞬呆れた顔をして、すぐに目の前にいるおじさんに視線を移した。


その人がおじさんを睨み付けると、おじさんの肩がびくりとはね上がる。


笑いたくなるくらい面白いおじさんの反応。



でもその時には笑う体力すら残ってなかった。
 

⏰:09/05/15 22:29 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#47 [楓]
立ってるのも辛い。

疲れが再び俺を襲う。





もう無理、と
思う頃にはもうおじさんの姿はなかった。
 

⏰:09/05/16 00:14 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#48 [楓]
限界を迎えた時。


曖昧な意識の中で見えたのは未だおじさんを睨み付けるあの人の横顔。


そして意識を手放す前に途切れ途切れ聞こえたあの人の声。





チラ、と黒髪が視界に入るのと同時に、俺は意識を手放した。
 

⏰:09/05/16 00:28 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#49 [楓]
人に迷惑は
掛けたくなかった。


今まで凄く迷惑を掛けていたから、絶対に迷惑は掛けたくなかったんだ。




なのに俺は…



さっそく人に迷惑を
掛けてしまった。
 

⏰:09/05/16 00:29 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#50 [楓]
ごめんなさい、と頭の中で何度も呪文のように唱える。







久しぶりに
見たこの世界は、

驚くほど眩しかった。
 

⏰:09/05/16 20:58 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#51 [楓]
−side.Y−


弥「……………。」


ミーンミーンと蝉の鳴き声が部屋中に響く。


耳に入るのは耳障りな蝉の鳴き声とクーラーの機械音だけ。


視界に入るのは見慣れた自分の部屋と窓から見える青い空と、



ベッドの上に横たわるあの男だけだった。
 

⏰:09/05/16 21:05 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#52 [楓]
とりあえず寝せて見たものの、何をすればいいのかわからない。



弥「……………。」



とりあえずじっと男の顔を見つめてみる。


まるで生きてるのかわからないくらいに白い肌。

例えるならそう、雪みたいに真っ白な肌だった。
 

⏰:09/05/16 21:25 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#53 [蝙蝠]
この話し好きです
応援してます。

⏰:09/05/17 00:03 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#54 [楓]
>>53
蝙蝠さん


ありがとうございます�x
好きだなんて、嬉しくて泣きそうです(;O;)

頑張りますので、
これからも応援よろしくお願いしますっ�~
 

⏰:09/05/17 16:44 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#55 [楓]
>>52



それにちゃんと食べてるのか心配になるくらい細い身体。


明らかに健康的ではないその身体に、倒れたことも妙に納得した。




弥「コイツ、まだ起きねぇのかよ…。」


あれから1時間。

未だコイツの
意識は戻らない。
 

⏰:09/05/17 16:47 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#56 [みくる]
面白いです('∀`人)
頑張ってください

⏰:09/05/17 22:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#57 [楓]
>>56
みくるさん


面白いだなんて
嬉しいすぎですっ(´;ω;`)←

頑張りますので、
ぜひ見てください�x

コメントありがとうございました(*´∀`)
 

⏰:09/05/18 15:50 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#58 [楓]
>>55


試しにコイツの身体を揺すってみる。



…………反応なし。


弥「…だよな……。」



起きるんじゃないか、と言う淡い期待は脆くも崩され、俺は深い息を吐いた。
 

⏰:09/05/23 07:33 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#59 [楓]
でも俺としては早く起きてほしい。

早く起きて、早く帰って貰いたい。





…………仕方ない、
最後の手段だ。
 

⏰:09/05/27 22:55 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#60 [楓]
俺は眠るコイツの鼻を



痛くない程度に摘まんだ




すると、だんだんコイツは眉間に皺を寄せながら苦しそうな顔をした。



「後少し」なんて考えてると、コイツはうっすらと目を開けた。


「ふ…ン…………ッ!?」
 

⏰:09/05/27 22:58 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#61 [楓]
弥「………っ!!」


その男は、苦しそうに声をあげながらパチッと目を覚ました。


目を覚ましたのを確認すると、俺はパッと摘まむのを止めた。
 


――――初めてまともに見たその男は、



不思議なくらい、
綺麗だった。
 

⏰:09/05/27 23:02 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#62 [楓]
「…な、んで……。」


その男は状況に着いて行けてないらしく、酷く困惑している。




そんな男を見て、俺はいつの間にか口が開いていた。
 

⏰:09/05/27 23:04 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#63 [楓]
弥「お前、気失ったんだよ。で、今は俺の家。」


そう言うと、その男はキョロキョロと辺りを見回した。


そして、
静かに口を開いた。



「あの、なんか色々と迷惑掛けちゃ、って…」


まごまごとしながらごめんなさい、と申し訳なさそうにその男は呟いた。
 

⏰:09/05/30 20:30 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#64 [楓]
弥「いいけど。…具合、悪くないのか?」


「あ、具合はもう大丈夫です!!」


元気そうな笑顔を俺に振り撒く。若干無理してるようにも見えるが。



「…まぁ元気なら良かったな。もう帰れるか?」


そう言うと、
その男は顔を曇らせた。



…………なんで?
 

⏰:09/05/30 21:14 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#65 [楓]
弥「……なした?」


突然曇った顔で俯く男。
なんなんだよ、
何が嫌なんだよ!!




するとその男は、ゆっくりと顔をあげ、俺を見つめた。

そして…………




「………ここに住ませて下さい!!」



大声で、そう言ったんだ
 

⏰:09/05/31 13:17 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#66 [楓]
 

一瞬、思考が停止した。


いや、普通突然そんなこと言われてびっくりしない奴なんていない。


だって今、
「住ませて下さい」
って言ったよな……?



俺は全然、話に着いて行けなかった。

 

⏰:09/06/03 20:04 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#67 [楓]
 
すると、戸惑いを隠しきれずにいる俺にその男は申し訳なさそうに


「…俺の名前は、佐伯澪って言います。
さっきは本当にありがとうございました。」


ペコッと頭を下げ、
そしてまた顔をあげた。



サエキ、ミオ……。


その名前は、何故か
俺の頭の中でぐるぐると回り続けた。
 

⏰:09/06/03 20:10 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#68 [楓]
 

そしてその男は
次の言葉を言おうと、
口を静かに開く。



澪「突然住みたいだなんて言って本当にごめんなさい。…でも、時間がないんです!!……信じて貰えないと思うけど…



俺は1年前、
病気で死んだんです。」



 

⏰:09/06/03 20:18 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#69 [楓]
 

弥「…………は?」



あ、コイツ絶対馬鹿だ。

俺の頭はそう察した。


だって普通に考えたら
あり得ない話だ。


一度死んだら二度と生き返らない。

それが当たり前なんだ。


 

⏰:09/06/03 20:21 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#70 [楓]
 
俺の頭は必死にその言葉を否定する。


でも、澪の表情は
あまりにも真剣で、

嘘ではないと言うことを物語っていた。



もし、
この男が普通じゃなかったら………?


当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなかったら……。

 

⏰:09/06/03 20:25 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#71 [楓]
 
この男は、嘘ではなく
真実を言っていたら……

俺は、どうすればいい?




でも…………。


嘘だとしても、この困ったコイツの顔を見た途端


この厄介な性格のせいで答えは決まってしまったんだ。

 

⏰:09/06/03 20:30 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#72 [楓]
 

澪「…駄目、ですか?」


やめろ、そんな悲しそうな顔で俺を見るな。


だって……そんな顔で言われたら……。



弥「……わかったよ。住ませればいいんだろ!?」



ほら、また面倒なことに首を突っ込んでしまった
 

⏰:09/06/03 20:35 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#73 [楓]
 

苛立ちながらベッドに座る佐伯澪を見下ろすと、



花を咲かせたかのように目を細めて笑っていた。



澪「ありがとうございます…ッ。よろしくお願いします!!」


はぁ、とため息を1つ漏らす。こんな簡単にいいのだろうかと心配になったが、まぁいいかと俺は小さく呟いた。

 

⏰:09/06/03 21:31 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#74 [楓]
 

でも気になることが1つ



弥「本当にお前は死んでいるのか?」


嘘ではないのか。



真剣な目で澪を見ると、澪は一瞬目を丸くさせ笑った。




澪「嘘は言わないよ。」


そうして頬に
当てられた手は、


温かさなんて何もなく、驚くほど冷たかった。
 

⏰:09/06/03 21:43 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#75 [楓]
 

弥「冷た…ッ…」


俺が驚いたのを見て、
澪はくすっと笑った。



澪「わかった?」




その一言は
俺の人生を、運命を
大きく変えるものだった


まずその男、
佐伯 澪に出会った時。



俺の人生は180゚変わったんだ。

 

⏰:09/06/03 21:48 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#76 [あいら]
あげ�ヨ

⏰:09/06/07 04:17 📱:824SH 🆔:☆☆☆


#77 [楓]
>>76
あいらさん


あげありがとう
ございます(*´ω`)!

⏰:09/06/22 20:34 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#78 [楓]
 




――― episode 01
  君 が 歩 い た 坂




 

⏰:09/07/06 20:49 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#79 [楓]
 

…なんという事だろう。


「あ、魚!!ねぇこれ食べれる?」


ぴょこぴょことアホ毛を揺らせながら俺のが飼っている熱帯魚に指を指す。

 

⏰:09/07/06 21:05 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#80 [楓]
 
――…ほんの数時間前の話だった。


この男、佐伯澪との同居を許したのは。



弥「言っておくが、それは食用じゃねぇぞ。」


跳ねるアホ毛を軽く引っ張ると「うにゃっ」っと小さく鳴いた。

猫かコイツは。
 

⏰:09/07/06 21:39 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#81 [楓]
 

弥「というか、お前はなんでそんなくつろいでいられんだよ。少しは緊張したりしないのか?」


澪「え、なんで?」


澪の視線が熱帯魚から俺に移される。


弥「…いや、わかんないならいいけど。」


そんな純粋な目で見られたら、文句すら言えなくなってしまった。
 

⏰:09/07/06 22:34 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#82 [楓]
 

澪「あ、そういえば名前!!名前聞いてない!!」


突然何かをひらめいたかのように、澪は目を輝かせる。


早く早く、と待ち遠しそうに俺を見上げる澪は、



まるで餌が貰えるのを
尻尾を振って待つ、
猫のようだった。

 

⏰:09/07/07 19:03 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#83 [楓]
 

弥「……夏瀬弥生。」


澪「弥生…、夏……。
…凄い綺麗な名前だね!!」



澪はぽつりぽつりと呟き

目を細めながら柔らかく微笑んだ。




綺麗、なんて
   初めて言われた。

 

⏰:09/07/07 22:11 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#84 [楓]
 

俺の名前の
どこが綺麗なのか。


それは俺には
理解出来ない、けど




コイツに綺麗と言われ
少し心が動いたのは
すぐに理解出来た。

 

⏰:09/07/14 20:06 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#85 [楓]
 

澪「夏といえば扇風機?
扇風機はあんま好きじゃないけど…。」


いつの間にか夏について一人で喋っている澪。



夏=扇風機…
間違ってはいないけど
どこかおかしい。
むしろ絶対におかしい。


弥「夏といえば普通海とか…風鈴とか花火とかだろ。」


俺は澪とは違い、
至って普通な、ありきたりの言葉を発した。

 

⏰:09/07/14 20:18 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#86 [楓]
 

澪「海…っ!!風鈴に花火に扇風機…凄い、夏って感じがする!!」


やっぱり扇風機はいれるのかよ、と思いながらも目を輝かせる澪を見て


こんなのも悪くはないか


なんて、のんきなことを考えていた。

 

⏰:09/07/14 20:22 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#87 [楓]
 

でもこんな考えでいいのだろうか。


そういえば親に澪のことを認めて貰ってない。
というか言ってない。




…やっぱ、これからのことを考えたら言わなきゃだよな。
 

⏰:09/07/14 22:24 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#88 [楓]
 

弥「澪、俺ちょっとお前のことを親に伝えてくる。だからここでじっとしてろ。」


すっと立ち上がる俺を
澪は目で追いながら
「わかった!!」と元気に頷いた。



部屋に澪を残し、俺は階段を下りる。
きっと今頃、親父は子供に習字を教えているだろう。

 

⏰:09/07/14 22:29 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#89 [楓]
 

親父はここら辺では有名の習字教室の先生。

習字の先生だけあり、
字も達筆でやっぱり上手かった。


見た目は俺と同じで目付きが悪いが、中身は正反対で温厚。



だからきっと、澪のことも許してくれるだろう。
 

⏰:09/07/14 22:40 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#90 [楓]
 
襖に手を掛ける。
親父と生徒の声が微かに聞こえた。


――――…ガラッ


弥「親父……おわっ!!」

「うわぁっ!!」


ポスンッ。

小さな音をたてて俺の腹に誰かの顔が埋まった。
 

⏰:09/07/24 23:01 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#91 [楓]
 
弥「危な、大丈夫か?」

「……大丈夫。」

俺の腹に当たった子供の額を優しく撫でる。

ムスッとした表情でパタパタと部屋に戻る。


…見た目からきたら小3くらいだろうか。


「弥生?何かあったか?」
 

⏰:09/07/24 23:04 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#92 [我輩は匿名である]
頑張ってください�ャ

⏰:09/07/30 05:42 📱:824SH 🆔:☆☆☆


#93 [楓]
>>92様

ありがとうございます!!
更新はかなり遅めなんですが、頑張りますのでこれからも是非見てくださいね(*^^)

⏰:09/08/10 09:08 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#94 [楓]
>>91


弥「……親父。」


父「珍しいな、こんな所に来るなんて。」


別に、と呟きながら自分より少し背の高い親父を見上げた。


そういえば、ここ最近この部屋には顔を出していない。

いつ頃からだろう…。
多分もう、3年くらい前からだったか?
 

⏰:09/08/10 10:46 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#95 [楓]
 

父「どうした?何かあったか?」

突然の俺の行動に驚いたのか、親父は口をぽかん、と開けていた。


「………いや、その…」


そういえば、
何て理由を付けよう。
 

⏰:09/10/03 11:37 📱:W61K 🆔:☆☆☆


#96 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/27 04:52 📱:Android 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
↑ msgβ
💬
🔍 ↔ V 📝
C-BoX E194.194