吸血鬼死重奏
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#41 [髑髏-ドクロ-]
まってます(^ω^)
:09/07/06 19:52 :SH705i :SWaoTEI2
#42 [渚坂]
>>41 髑髏様
本当にありがとうございます
読んでくださってる方からの応援の言葉が何よりの励みになります(´・ω・`)
:09/07/10 20:06 :F905i :d20qouQw
#43 [渚坂]
>>34 の続き
ここでちょっと綾辻の説明をしておこうと思う。まず最初に言っておくけど、綾辻の髪は明るいオレンジ色だ。
本人はチャームポイントだと言うけど、ぱっと見たカンジでは時代に乗り遅れたどこかの不良みたいに柄が悪い。
もちろん不良に憧れて染めたとかじゃなくて、何にも手を入れていない自前の髪なんだけど。
:09/07/10 20:07 :F905i :d20qouQw
#44 [渚坂]
「さてと、これからどうすっかなー。マジめんどくせー」
思いっきり眉をひそめて綾辻は吐き出すように愚痴をこぼした。
髪がオレンジってだけでも取っつきにくいイメージがあるってのに、加えてこいつは言葉が悪いし態度もでかい。学校でもみんな必要以上に綾辻にしゃべりかけようとしないし、近づこうともしない。
彼自身それでいいと思ってるらしく、他人との接触を避けている。
要するにA.T.フィールド全開なわけ。
:09/07/10 20:08 :F905i :d20qouQw
#45 [渚坂]
「由、これからどーするよ?逃げる?戦う?」
いつになく綾辻は真面目な顔をして私を見つめた。僅かに吹いている風にゆっくりとなびく彼の髪の毛は、一本一本が光を放っているかのように優しい色をしていた。
「……綾辻はどうしたらいいと思う?」
:09/07/10 20:09 :F905i :d20qouQw
#46 [渚坂]
「俺は由を全力で守るだけだから、お前が好きなようにすればいいよ」
そしてこんな全世界の乙女が夢見るような殺し文句をさらりと言ってのけてしまう余裕の態度が、なんというか、その、私は好きだったりする。
「由は俺を受け入れてくれた大切な友達だから、命を懸けて守ってやるよ」
そう言いながら綾辻は私の頭を壊れ物でも扱うように優しく撫でた。
友達、ですか…。まあ本人に悪気はないし、いい奴なんだけど、このたまに炸裂する天然っぷりにはため息しか出てこない。
:09/07/10 20:10 :F905i :d20qouQw
#47 [渚坂]
「とりあえず、逃げなきゃよね…。って、うわ!」
立ち上がろうとした瞬間、私の耳をとてつもない轟音が貫いた。
またあの声だ。またあの地に響くような呻き声が辺りを飲み込んだのだ。
「ねえ!どうしよう、また声が近づいてきたよ!?」
ああ、嫌だ!掌で耳を覆ってもまだ私の耳に響く呻き声。体中の細胞が危険信号を発しているのが分かる。逃げなきゃ。
……でも、どこへ?
:09/07/11 19:03 :F905i :tSzZ2Nw.
#48 [渚坂]
そして次の瞬間、私たちが隠れている木の陰からちょうど10メールほど離れた場所の茂みが僅かに揺れた。隣にいた綾辻がゴクリとのどを鳴らし、こう呟いた。
「ったく、由がデカい声出すから、ついに『魔王様』がおいでなすったぜ」
……魔王。それはひどく恐ろしい名で、私にこれでもかっていうくらい恐怖を与える名。
:09/07/11 19:04 :F905i :tSzZ2Nw.
#49 [渚坂]
「な、んで?この前も来たばっかりじゃない!」
思わず叫んでいた。我ながら情けない声を出したと思う。
けれどすぐそこに魔王がいるのだ。
多少叫んだって居場所はもう知れているだろう。それよりも、私の体はピクリとも動くことができず、ただただ恐怖が支配していた。
:09/07/11 19:05 :F905i :tSzZ2Nw.
#50 [渚坂]
魔王が私をねらってきたのはこれが初めてじゃない。何度も全身の血液が逆流しそうなほどの体の震えを体験したし、立っていられないほどに腰を抜かしたこともある。
“何故、私はこんなにも狙われるのだろう”
こんなことを考えた日もあった。
でも、答えは驚くほど単純明快で、呆れるぐらい明確な因果関係がそこにはあった。簡単に言ってしまえば、私が人間で魔王が吸血鬼だから。
ただ、それだけ。
:09/07/18 09:22 :F905i :TzuKy0vI
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