吸血鬼死重奏
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#54 [渚坂]

そう言った綾辻は疲れきったサラリーマンのような疲労困憊した表情を作ったので、思わず「どんまいっ!」と肩を叩きたくなった。

……もちろん、この張り詰めた状況でそんなことはしなかったけど。

⏰:09/07/21 17:47 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#55 [渚坂]

『R.B.』それは毎朝朝礼の時に私以外の全ての生徒に配られる血のように赤い錠剤のこと。

その錠剤は彼らの中に存在する“ある欲望”を分解し、別の力へと変換させる不思議な力を持つらしい。
最近の科学はホント進んでるよね。


まあ、言わずとも彼らの中にある欲望とはただ一つ。「血を、人間の鮮血を貪りたい」というもののみ。

⏰:09/07/21 17:48 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#56 [渚坂]

なにせこの桔鳴高校の生徒は私以外全て吸血鬼なのだから。
R.B.のおかげで私は今日まで彼らの餌食にならずにすんだ、といっても過言ではない。


もちろん、横にいるこのオレンジ頭の綾辻も吸血鬼。
さらに詳しく言うならば、私を狙ってきた魔王とは、同じく同学年の“三國 誰太(ミクニ スイタ)”の中にある吸血鬼の本性の名。

⏰:09/07/21 17:49 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#57 [渚坂]

誰太君は体質的にR.B.の効果が薄く、これまでに幾度となく魔王へと変貌していたりする。

その度に人間の私は、命というか、血を狙われる訳でして…。
その度にこうやって綾辻は私を守ってくれてる。ほんっとうに感謝してもしきれないぐらい、私は綾辻に助けられてきた。

⏰:09/07/21 17:50 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#58 [渚坂]

しかし、欲望を抑えるためのR.B.の効果が切れたとき、誰もが今の誰太君のように吸血鬼へと変貌する可能性を秘めている。

もちろん、綾辻も。


でもR.B.の効果があるうちはみんな普通の人間のように生活しているし、そうそう効果が切れるなんてことはないらしい。

⏰:09/07/21 17:51 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#59 [渚坂]

■作者の主張■

だいぶファンタジーにしたつもりですが…、いかがでしょう!?


というか、なかなか伝わりにくい描写ばっかりしてることに気付いた今日このごろ……。矛盾があったらすいません orz

今のところ感想板は作るつもりは無いですが、もし意見や感想があるとおっしゃってくれる方がいましたら、渚坂名義で作りたいと思います(^ω^)

とりあえず、何かある方はここにお願いします!

⏰:09/07/21 18:00 📱:F905i 🆔:lL94ZNjo


#60 [渚坂]


渚坂 感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4482/

作ってしまいました…!!
ご意見・感想お待ちしてます^^

⏰:09/07/22 17:42 📱:F905i 🆔:0ZrCLwFU


#61 [渚坂]

「なんでこんな高校に入っちゃったのよ……」


両手で頭を抱え込み、後悔の念でいっぱいの頭をかき乱す。

「おい、過去を悔やんだって仕方ないだろ。それよりも、この高校に入って俺に出会えた運命に感謝してろ」

……どうして、こうポジティブに考えが進むのだろうか。しかも“運命”とかこっぱずかしいことを大真面目に言うもんだから、なんだか感謝しなきゃいけないような気がしてきたじゃないか。

⏰:09/07/23 16:54 📱:F905i 🆔:kNK/hMlE


#62 [渚坂]

「ほらほら、ついに魔王様のお出ましだ。俺が食い止めるから、いつでも逃げれる用意しとけ」


綾辻がそう言う同時に周りの空気が一変した。

急にざわめき始めた木々たち。頬をかすめる風さえも危なげな刃物のようにピリピリとした鋭利な感覚を肌に残す。彼らも“魔王”に脅えているのだろうか。

⏰:09/07/23 16:55 📱:F905i 🆔:kNK/hMlE


#63 [渚坂]

そして、ちょうど私たちが隠れていた場所の直線上から魔王はその姿を見せた。

私の体が一瞬呼吸を止める。
振り乱された髪。ニヤリと笑う口元からこぼれる尖った八重歯。
獣のようにギラギラと光る紅い瞳。“三國 誰太”は完全に自身の原型を失い、禍々しく容姿を変えていた。

⏰:09/07/23 16:56 📱:F905i 🆔:kNK/hMlE


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