星とぽんず。
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#171 [我輩は匿名である]
 
 
「暑いね〜」

恥ずかしくって
ずっと下を向いてたら


『う‥うん』

不意に声を掛けられた。


「ね」

『うん?』


「すごい汗だけど。手」
 

⏰:09/06/26 19:09 📱:N703iD 🆔:g7hoY3S6


#172 [我輩は匿名である]
 
『‥っ‥ごめん‥』

バッと
手を離そうとすると


「なんで離そうとするの」

逆に手を
強く握り返された。


「いいじゃん。
 手、あったかくって」


は‥はずかしぃ〜‥‥
 

⏰:09/06/26 19:14 📱:N703iD 🆔:g7hoY3S6


#173 [我輩は匿名である]
 
この何分間で、
いったい、どのくらいドキドキしただろう。

リアルに心臓痛い‥


相変わらず、

休まるようすもなく
激しく跳ねる心臓を胸に

汗で少し蒸れた手を
感じながら


長い

長い長い夜が始まった。

⏰:09/06/26 19:18 📱:N703iD 🆔:g7hoY3S6


#174 [我輩は匿名である]
 
 
「ね〜ね〜、ぽんずちゃん。 あれ見て、あれ!」

珍しくはしゃぐ
歩志の指先には、

『かわい〜』

定番中の定番
金魚すくい。


「やろっか」

『うん!』

あたしたちは、
屋台に向かった。

⏰:09/06/27 17:28 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#175 [我輩は匿名である]
 
「お姉ちゃん。大人2人」

「はい、おおきに。
 600円なります」

お金を渡すと


「勝負しよー」

歩志があたしを
ちらりと見て言った。


『‥いーけど‥‥歩志負けるよ?』
 

⏰:09/06/27 17:32 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#176 [我輩は匿名である]
 
「ふーん‥自信あるんだ」

あったりまえじゃん!

『あたし、こう見えても
金魚すくいはうまいの。
家族にも友だちにも
誰にも負けたことないんだからねー』

事実あたしは
負けという結果を出したことない。

全勝0敗。

これは、この15年間の
あたしの唯一の自慢できることだ。

⏰:09/06/27 17:38 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#177 [我輩は匿名である]
 
「じゃー、どうする?
 負けたら」

へ?

「もし負けたら‥そーだなあ。俺、タコせん食べたいんだけど」


‥なるほど。
そういうことね。

『あ、あたしはかき氷!』


その勝負、受けて立とうじゃないですか。

⏰:09/06/27 17:41 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#178 [我輩は匿名である]
 
 
「‥楽しみだね」

歩志お得意の
意地悪な笑顔を合図に
勝負のチャイムは鳴った。


ひさびさの金魚すくいで
最初はちょっと
てこずったものの感覚はだいぶ戻ってきた。


横を見ると、

金魚たちが集まりやすい端にいつのまにか移動してる歩志が。

⏰:09/06/27 17:46 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#179 [我輩は匿名である]
 
下を見ると、
あたしに負けないくらいの金魚たち。


なかなかやるな、あいつ。

よーしっ!
あたしも頑張ろ!!

気合いを入れ直す。


なんかわかんないけど、
負けたくなかった。

悔しがるアイツの顔が
見たかったのかも。

⏰:09/06/27 17:49 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


#180 [我輩は匿名である]
 
 
20分後


黄色いかき氷を持った
あたしの隣には

タコせんを一口かじる
歩志のすがた。


結局、
勝負は引き分けだった。


「あーあー。おごってもらう気満々だったのに」

『あたしだって』

⏰:09/06/27 17:52 📱:N703iD 🆔:f7P3rAuo


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