サークル ー番外編ー
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#115 [柚子]
「そういやさぁ、何か変な奴がいるんだよ」
「変な奴って?」
「何かいっつも雨に濡れてんの」
「は?」
意味がわかんないって顔をしている連れに、俺は足音の話をした。
:09/06/24 14:58
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#116 [柚子]
「それってさー…」
俺の話を聞いた連れは、火をつけたばかりの煙草の煙を吐きながら言った。
「幽霊じゃね?」と。
最初俺は笑い飛ばした。幽霊何かいるわけねぇじゃんって。
:09/06/24 14:58
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#117 [柚子]
「でもさー」
と、連れは窓に目をやりながら至って冷静な口調で言った。
「今日雨降ってないし」
全身に鳥肌が立った。俺の記憶でも、今日は一度も雨は降っていなかった。
:09/06/24 15:00
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#118 [柚子]
「は?じゃあ何であいつびしょ濡れなの?」
一瞬ビビってしまったのを隠そうと、俺はわざときつい口調で言った。
「だからー…幽霊じゃねぇの?」
そんな俺の気持ちを無視して、連れはもう一度、幽霊という単語を口にした。
:09/06/24 15:01
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#119 [柚子]
他に話すような話題もなかったこともあって、俺たちはその謎の足音について話をした。
「そもそもさー、五階に住んでるお前にエントランスにいる人間の足音が聞こえるわけねーじゃん」
するどいツッコミを入れた俺の連れは、新しい煙草に火をつけた。
:09/06/24 15:02
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#120 [柚子]
「お前賢いな!やっぱ法学部は言うこと違うわ」
必要以上に俺に尊敬の眼差しを向けられた連れは、フーっと煙を吐きながら笑った。
「二つ目の疑問点は、何故びしょ濡れなのか…だな」
:09/06/24 15:03
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#121 [柚子]
俺の言った法学部という言葉を意識したのか、弁護士みたいな口調だった。
「てっきり雨に濡れたんだと思ってたけど、違うんだよな?」
俺は窓に目をやった。雨どろこか月がハッキリと見えるくらいの空だった。
:09/06/24 15:04
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#122 [柚子]
「幽霊だと仮定するなら、雨の日に死んだって線もあるな。もしくは水死とか」
「雨って気がするんだけどなー」
独りごとのように呟いた俺に連れは言った。
「よくある怪談なら、その足音はこの部屋に近付いてくるんだろうな」
:09/06/24 15:06
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#123 [柚子]
人の部屋だからなのか、連れはそんな無責任なことを口にし、笑った。
その時はそんなことあるわけないと思い、俺も一緒になって笑った。
笑い話でなくなったのは、四日目の夜だった。
:09/06/24 15:08
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#124 [柚子]
寝転がってテレビを観ていた俺の耳に、またしてもあの足音が響いた。
つけていたテレビの音が消え、代わりに足音が耳に聞こえてきた。
さっきまで快適だった自分の部屋が、全く別の場所のように感じられた。
聞きたくないのに、足音は勝手に俺の耳の中に響いてくる。
:09/06/24 15:08
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