サークル ー番外編ー
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#161 [柚子]

さっき一人になった時にちらっと袋の中を見ていた俺は、中に入っているものが何か分かっていた。

缶コーヒーが二本、お茶が一本、それとリンゴジュースだ。

どれでも好きなのを、と勧められた俺は、明らかに桃の為に買ったであろうリンゴジュースを指差した。

⏰:09/06/25 17:07 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#162 [柚子]

あっ…という顔をした桃に笑いそうになりながら

「俺、カフェインアレルギーなんです」

と、存在するのかもわからないアレルギー名を述べた。

⏰:09/06/25 17:08 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#163 [柚子]

「部室でコーヒー飲んでただろ。それもブラックで」

そう言って亮太は、俺の手から取ったリンゴジュースを桃の前に置いた。

イタズラが失敗して苦笑している俺を、桃はちょっと怒ったような顔で見ていた。

⏰:09/06/25 17:12 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#164 [柚子]

言い訳をするのも見苦しいので、俺は大人しくブラックの缶コーヒーを手に取った。

その缶コーヒーの蓋を開けた時だった。

唐突に、でもハッキリとあの足音が聞こえた。

⏰:09/06/25 17:24 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#165 [柚子]

俺の部屋にいれば全員に聞こえるのか、三人とも身動きもせず耳を澄ませていた。

亮太が立ち上がったのは、エントランスから階段へと足音が移動した時だった。

「行くぞ」

⏰:09/06/25 17:26 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#166 [柚子]

どこに?と聞く暇もなく、亮太と純は部屋を出て行ってしまった。

出遅れたらしい桃は、まだ恐怖のあまり固まっていた。

今にも泣きそうになりながらも、必死に我慢している桃の姿に俺はある衝動に駆られた。

⏰:09/06/25 17:38 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#167 [柚子]

(抱きしめたい…)

あの時、そんなことしたら怖がられるという思いと、守ってやりたいという思いで、俺の頭の中でバトルが勃発していた。

怖さなんて、すっかり忘れてた。

⏰:09/06/25 17:41 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#168 [柚子]

散々迷った挙げ句、俺はベッドにあった布団を体育座りで震えていた桃にかけた。

頭からすっぽり布団にくるまった桃を、布団の上から抱きしめた。

「大丈夫だから…」

⏰:09/06/25 17:42 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#169 [柚子]

そう言った俺に、桃は何の返答もしなかった。

でも抵抗することもなかった。

時折り大丈夫だからとか、何かあったら守るからとかそんな臭いセリフを呟きながら、桃を抱きしめていた。

⏰:09/06/25 17:47 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


#170 [柚子]

あんなこっぱすかしいセリフを吐けたのは、布団で顔が見えなかったせいだと思う。

少しして、布団から桃の笑い声が聞こえてきた。

俺は少し力を緩め、声をかけた。

⏰:09/06/25 17:49 📱:P906i 🆔:qTAOTeVI


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