サークル ー番外編ー
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#202 [柚子]

怖さというのは、実際に身を持って体験でもしない限り、時と共に薄れていくものなのだろうか。

大学生になった私は、その話のことはすっかり忘れてしまっていた。

思い出したのは、つい先日のことだった。

⏰:09/08/10 20:24 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#203 [柚子]

姉と一緒に実家で夕飯を食べていた時だった。

その日の食卓は、20歳の誕生日を二週間後に控えた私の昔話で盛り上がっていた。

「昔は泣き虫だったのに、もう成人なんて早いわね」

⏰:09/08/10 20:32 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#204 [柚子]

とかまぁ、そんな感じで次々と私の恥ずかしい過去が掘り返されていた。

その中にあの話が出てきたのだ。

口にしたのは姉だった。

⏰:09/08/10 20:34 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#205 [柚子]

「綾子、昔はすっごい怖がりだったよね」

姉の言葉に、私は苦笑しながらとぼけてみせた。

「えー…そうだっけ?」

⏰:09/08/10 20:35 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#206 [柚子]

「そうだよ。綾子、学校で怖い話聞いてくるたびに私と一緒にお風呂入ってたもん」

苦笑するしかなかった。

とぼけてはみたものの、確かに私の記憶にある出来事だった。

⏰:09/08/10 20:41 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#207 [柚子]

「そういや何か20歳になるまでに忘れなきゃいけない言葉があるとか言ってなかったっけ?」

笑いながら姉が発した言葉で、眠っていた私の記憶が唐突に蘇った。

“*******”

⏰:09/08/10 20:47 📱:P906i 🆔:i4rwxxeQ


#208 [柚子]

その日からだ。私の周りで不可解なことが起こり始めたのは。

20歳までに忘れなければならない言葉。

あと二日で私は20歳になる。

⏰:09/08/11 00:07 📱:P906i 🆔:NffYOibQ


#209 [柚子]

「ふーん。それで不可解なことってゆうのは?」

私の話を聞いて、眼鏡の男はそう訊ねた。

5分は話していたであろう私の話は、ふーん。という一言でまとめられてしまった。

⏰:09/08/11 00:09 📱:P906i 🆔:NffYOibQ


#210 [柚子]

態度は悪いが、彼は一応このサークルの部長らしい。

「視えるんです。直接ではなく間接的にですけど…」

私の回答に、一瞬彼の目付きが変わった気がした。獲物を狙う動物みたいな視線。そんな感じだった。

⏰:09/08/11 00:12 📱:P906i 🆔:NffYOibQ


#211 [柚子]

「間接的に…とは?」

私と彼しかいない室内に、彼の言葉は静かに響いた。

「直接は視えません。でも鏡とか、何か物体を通すと視えるんです」

⏰:09/08/11 00:14 📱:P906i 🆔:NffYOibQ


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